新型ホンダ プレリュード復活が待ち切れないあなたに贈る「代わりにこのクーペ、どうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: レクサス / トヨタ / ホンダ / スバル / BMW / アウディ / ポルシェ / ミニ / クーペ / クルマを選び始めた人向け / スタイリッシュ / プレリュード / ケイマン / BRZ / TT / ミニクロスオーバー / RC / 2シリーズクーペ / GR86 / 伊達軍曹
2025/01/24

期待大な新型プレリュードだが、発売と納車はまだずいぶん先の話
1980年代から90年代にかけて「デートカー」として一世を風靡したホンダ プレリュードが、ついに復活する。
といっても、2025年1月上旬の時点では東京オートサロン2025でプロトタイプが発表され、一部ジャーナリストを招いたプロトタイプの試乗会が行われたのみ。その詳細は正式には発表されていない。
現時点でわかっていることは、下記のとおりだ。
・2+2クーペである
・パワートレインはe:HEV(2モーター式ハイブリッド)
・Honda S+ Shift(エンジンとモーターを制御しレスポンス性を高める技術)が搭載される
発売日は「2025年に発売予定」と告知されているが、価格はいっさい不明である。とはいえ新型プレリュードが「超絶素晴らしいクーペ」に仕上がって登場してくることだけは、ほぼほぼ確実だろう。
そんな超絶素晴らしいクーペであるはずの新型ホンダ プレリュードの正式発売を、首を長くして待ち続けるのも一興ではある。だが「待ちきれない!」という人も少なくないはずだ。そんな方々に向け「今すぐ乗れて、価格も新型プレリュードとほぼ変わらない、新型プレリュードに勝るとも劣らない魅力を備えた中古クーペ5選」をピックアップする。
とはいえ新型プレリュードの価格は現時点では不明であるため、「あまり高すぎないといいな……」という期待を込めて、いちおう「総額500万円前後」という線で検討することにしたい。
①ポルシェ ケイマン(2代目)
→予算目安:総額500万~550万円
新型プレリュードの代わりとなるクーペには、新型プレリュードと同等または同等以上の「インパクト」が要求される。いろいろな意味でいまいちインパクトに欠けるクーペでは、日本中の、いや世界中の車好きから熱視線を浴びることになる新型プレリュードに、対抗などできようはずがないのだ。
その線から考えると、最適な代替案は「ポルシェのクーペを選ぶこと」だろう。新型プレリュードのインパクトはたしかに強烈だが、「ポルシェ」という看板をもってすれば、そこに対抗したうえで、さらにお釣りがくる可能性すらある。
できれば現行世代のポルシェ製クーペである718ケイマンを選びたいところだが、718ケイマンの中古車価格は総額650万円以上が中心のため、今回の想定予算である総額500万円前後ではちょっとキツい。
だが、718ケイマンの前身である2代目ポルシェ ケイマン(2012~2016年)であれば総額500万円ちょいのゾーンにて、まずまず好条件なベースグレードの「ケイマン」または「ケイマンS」を狙うことができる。

ご承知のとおり2代目ケイマンのベースグレードは、最高出力275psの2.7L水平対向6気筒NAエンジンを、そしてケイマンSの方は同325psの3.4L水平対向6気筒NAをミッドに搭載する世界レベルのスポーツクーペだ。
もちろん様々なハイテク部分に関しては、2代目ポルシェ ケイマンよりも新型プレリュードの方が一枚上であろうと予想される。だが普通に公道を気持ちよく走ったり、それこそデートカーとしてゆったり走るうえでは「ハイテクの有無なんてどっちでもいい!」という極論も成り立つ。

そして普通に気持ちよく走るうえでは、2代目ポルシェ ケイマンは今なお現役バリバリな素晴らしいミッドシップクーペであり、ポルシェという「看板」の価値と威力は、言ってはなんだがプレリュード以上であるだろう。
「新型ホンダ プレリュードの代わり」は、とりあえずこれが第一候補だ。
▼検索条件
ポルシェ ケイマン(2代目) × 全国②レクサス RC(初代・後期型)
→予算目安:総額420万~490万円
2代目ケイマンは「新型プレリュードの代わり」として十分以上に機能するはずだが、「2人しか乗れない(2シーターである)」という部分に抵抗を覚える人もいるだろう。
であるならばレクサス RCの後期型でどうだろうか?

ご存じのとおりレクサス RCは、BMW 4シリーズあたりを仮想敵として開発され、2014年10月に登場したプレミアムな2+2クーペだ。
当初のパワーユニットは3.5L V6 NAまたは、2.5L 直4にモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類で、途中から2L 直4ターボも追加された。駆動方式はもちろんFRである。
こちらの前期型(2014年10月~2018年9月)でもぜんぜんOKなのだが、これから登場する新型プレリュードの代わりとして見る場合には、ビジュアルと内容にいささかの古さも感じてしまうかもしれない。
だが、2018年10月にマイナーチェンジを受けた後期型であれば、デザインは上級モデルであるLCのイメージを踏襲したものに変わっており、空力性能とサスペンション、パワートレインも改良を受けている。
そして「レクサスである」という看板は、ポルシェの看板価値と同等かどうかは意見が分かれるところかもしれないが、少なくとも新型プレリュードには十分に対抗可能と思われる。

後期型RCの中古車価格は総額330万~700万円と上下に幅広いが、総額420万~490万円付近にて、走行距離の短いFスポーツが普通に見つかるだろう。
これが「新型ホンダ プレリュードの代わり」の第二候補である。
▼検索条件
レクサス RC(初代) × 2018年10月~ × 全国③アウディ TT(3代目)
→予算目安:総額250万~550万円
レクサス RCの後期型は「新型プレリュードの代わり」として十分以上に機能するはずだが、世の中には「国産車よりも輸入車の方がイイ!」と考える人もいるだろう。
厳密に考えるのであれば、今どき「舶来モノ信仰」はナンセンスであり、もはや「国産車より輸入車(特に欧州車)の方が上」とは一概にはいえない時代だ。しかしイメージというかブランド分野の話として「輸入車の方が何となく上っぽく感じる」というのは、確かにあるだろう。
であるならば、同じ2+2クーペでも最終型(3代目)アウディ TTでどうだろうか?

ご存じのとおりアウディ TTは、その初代モデルは1999年に登場したドイツ製のイケメン2+2クーペ。その最終型となった3代目は2015年から2023年11月まで生産された。
当初のパワーユニットは最高出力230psの2L 直4ターボで、駆動方式はFFとクワトロ(フルタイム4WD)を用意。トランスミッションは6速DCTだ。
そして2016年には1.8L 直4ターボ+7速DCTの仕様を追加し、2019年6月にはマイナーチェンジを実施。エクステリアデザインはよりイケメンになり、「Audiバーチャルコックピット」をはじめとする先進的な装備も多数搭載。
ちなみにオプションの「マトリクスLED 」は、10億通りもの照射パターンをもつヘッドライトだ。

2019年6月以降の後期型を選びたい場合の予算は総額450万~550万円付近がひとつの目安。この価格帯で走行距離1万km台ぐらいの「40 TFSI」または「45 TFSI クワトロ」を探すのがモデルケースとなる。
だが、最終型アウディ TTの場合は前期型でも十分イケメンで、古さはほとんど感じない。そのため「総額250万~350万円付近にてコンディション良好な前期型を探してみる」というのもアリだろう。
ちなみにこの車には「2+2クーペのくせに意外とラゲージスペースが広い」という美点もある。
▼検索条件
アウディ TT(3代目) × 全国④BMW 2シリーズクーペ(2代目)
→予算目安:総額420万~530万円
ここまでは「ブランドとしてのインパクト」と「クーペらしいデザインの良さ」を重視しながら物事を考えてきた。
だが、「新型プレリュードの代わり」として考えるには、挙げた車種の年式がいささか古かったかもしれないという反省はある。やはり(まだ発売されていないが)バリバリのニューモデルには、せめて1~2年落ちぐらいのモデルをぶつけるべきだったのかもしれない。
そう考えた場合の最有力候補は現行型のBMW 2シリーズクーペだろう。

2022年3月に発売された現行型(2代目)2シリーズクーペは、1966年に登場した「02シリーズ」の系譜を受け継ぐコンパクトクーペ。ボディサイズは全長4545mm×全幅1825mm×全高1405mmで、わからないが、サイズ感も新型プレリュードに近い可能性はある。
ベースグレードである「220i」が搭載するのは最高出力184ps/最大トルク300N・mの2L直4ターボで、トランスミッションは8速AT。他の2シリーズの駆動方式はFFだが、2シリーズクーペのそれは伝統的なFRだ。
前述したとおり220iのエンジンパワーは最高出力184psでしかないため、「めちゃめちゃ速いか?」と問われれば「そうでもない」という答えになる。だが、パワーユニットというのは強力すぎても持て余してしまうもの。そして持て余してしまうがゆえに「あまり楽しめない」という結果につながることも多い。
しかしその点、現行型2シリーズクーペのパワーは「ちょうどいい!」といったニュアンスだ。そして素直なFRのフィーリングと、適度に引き締まった足回りにより、公道を気持ちよく走るにも、あるいは「デートカー」としてのんびりめに走るうえでも、おおむね最高の気分を味わうことができる。

そんな現行型2シリーズクーペの中古車価格は、強力な直6ターボを搭載する「M240i xドライブ」を除けば、総額420万~530万円といったところ。
プライス的にもちょうどいい感じで、「BMW」という看板の威力も程よく強力。これこそが、冷静に考えれば「新型プレリュードの代わり」としてはベストな選択肢だろう。
▼検索条件
BMW 2シリーズクーペ(2代目) × 全国⑤ミニ ミニクロスオーバー(2代目)
→予算目安:総額220万~480万円
ここまではクーペというボディタイプの範疇内で、「新型プレリュードの代わりになり得る1台」を探してきた。
その方向性で引き続き考えるのであれば、これまでに挙げた4車種の他にトヨタ GR86(初代)あるいは、スバル BRZ(2代目)あたりも候補として挙がってくるだろう。
▼検索条件
トヨタ GR86(初代) & スバル BRZ(2代目) × 全国また、「いっそのこと往年のホンダ プレリュードの中古車を買う!」というのも、維持は大変だろうが、話としての面白みはある。

▼検索条件
ホンダ プレリュード(3代目) × 全国だがプレリュードという車を、クーペではなく「デートカー」として考えてみた場合はどうなるだろうか?
往年のプレリュードが現役だった1980年代や90年代は「車でデート=ちょっとしゃれた2ドアクーペが望ましい」という世相だった。だが令和の時代も7年目を迎えた今となっては、「車でデート=2ドアクーペ」という等式は成り立たない。今、デート界(?)で求められている車は、もっと別の何かなのだ。
筆者はデート界についてあまり詳しくないのだが、それでも考えてみると、「令和のデートカー」に必要と思われるのは以下の6要素であるはずだ。
1. 乗り心地がいい(少なくとも、悪くない)
2. 車内が狭くない
3. 荷物や道具をたくさん積める(車の性能うんぬんより“体験価値”の時代である)
4. それでいてボディサイズは大きすぎない(オラオラっぽい威圧感がない)
5. ちょっとおしゃれで、ちょっと自慢できるブランドである(ちょっとでOK)
6. 運転席および助手席からの見晴らしがいい(アイポイントが高い)
他にもあるかもしれないが、まぁおおむねこんなところだろう。この6要素がすべて及第点以上であれば、令和のデートカーとしては合格である。
で、この6要素すべてが及第点以上である車といえば、ミニクロスオーバーだ。ご存じのとおり、ミニの派生モデルとして誕生したコンパクトSUVである。

ミニクロスオーバーであれば、乗り心地はまあまあよくて、車内もまあまあ広い(狭くはない)。そして荷物もまあまあ積めるため、おしゃれな家具屋さんに椅子などを買いに行き、車で持ち帰るなどのデートも楽しめる。
それでいてエラソーに見えるボディサイズではなく、ちょっと自慢できるぐらいのおしゃれ感とブランド性があって、アイポイントも比較的高い。……完璧だ。完璧というほかない。


そんなミニクロスオーバーは、最新世代にあたるミニカントリーマンは中古車でもまだ高額であり、2011年から2017年までの初代クロスオーバーは、古さがちょっと気になるかも――ということで、2017年から2024年まで販売された2代目ミニ クロスオーバーが適任となるだろう。
グレードはどれを選んでも構わないと思うが、とにかく3年落ち以内/走行距離2万km台までの物件が余裕で総額300万円台だ。もうちょっと条件を緩くすれば、総額200万円台でも楽勝である。
最後は新型プレリュードともクーペとも関係もない話になってしまったが、「良きデートカー」を探している各位は、ぜひ2代目ミニクロスオーバーにご注目いただければと思う。
▼検索条件
ミニ ミニクロスオーバー(2代目) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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