ホンダ フリード(現行型)▲2024年6月に登場し、2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたホンダ フリード(現行型・3代目)の中古車流通量が急増! デビュー直後のモデルとしては価格帯もリーズナブルだ

流通量急増で一躍、中古車も注目の的に

孤高の3列シート・コンパクトミニバン「ホンダ フリード」がついにフルモデルチェンジ……というニュースを伝えたのは、すでに半年前の話だった。

発売直後の1ヵ月で受注台数が月間販売計画の6倍となるなど、新車販売は予想どおりに絶好調。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた問答無用の大人気モデルだ。そろそろ中古車市場も賑わってくる頃では? と期待してチェックすると……。

おっと、現行型・3代目登場から約5ヵ月にして、500~600台を超える物件が流通しているではないか! 価格帯やグレードも豊富で、中古車を選びやすい状況と言えそうだ。

ホンダ フリード(現行型) ▲2024年7月~11月の中古車流通量推移

この記事ではフリード(現行型)のモデル概要、中古車概況をチェックしつつ、タイプ別にオススメの中古車を紹介していこう。

ホンダ フリード(現行型) ▲車体剛性がアップしたことで、乗り味がしなやかに。使い勝手や快適性も従来モデルの水準を大きく超えるものだ

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1.モデル概要:持ち味を継承しつつ正常進化

2代目が8年近いモデルライフをついに終え、3代目へとフルモデルチェンジしたフリード。改良ポイントは数多いが、注目したいのはスタイリングとハイブリッドシステムの進化だ。

従来型までは三角+四角のキャビンをつないだ独特なスタイルだったが、3代目ではフロントマスクが直立気味になり、一般的なミニバンに近いフォルムに。ヘッドライトやフロントグリル、ドアハンドル、スライドドアレールが水平線上に並ぶ、すっきりとしたデザインも特徴的だ。

ボディサイズは全長4310mm×全幅1695mm×全高1755mmと、かろうじて5ナンバー枠が維持された。ただし、これは標準仕様の「エアー」だけであり、SUV風スタイルの「クロスター」では全幅が1720mmとなって3ナンバー枠となる。

ホンダ フリード(現行型) ▲すっきりとした表情が特徴の「エアー」のフロントマスク
ホンダ フリード(現行型) ▲オーバーフェンダーなどがたくましい印象を与える「クロスター」のフロントマスク

パワーユニットは1.5L ガソリンエンジンと、1.5Lガソリンエンジン+2モーターのハイブリッドシステム「e:HEV」の2種。従来型のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」ではモーターがエンジンの補助的役割だったのに対して、「e:HEV」では2基のモーターをメイン動力とし、エンジンを高速巡航時などの動力として補助的に使うストロングハイブリッドへと進化している。

もともとフリードの特徴はコンパクトなボディに3列シートを実現していることにあり、この点では3代目も共通だ。グレードにより、2列シートの4人乗りと5人乗り、3列シートの6人乗り、7人乗りが用意される。

ちなみにプラットフォーム自体は従来型から引き継がれたものだが、バルクヘッドの強化などによってボディ剛性が大幅にアップ。静粛性も向上して、より上質な乗り味となったのも特筆すべき点だろう。

ホンダ フリード(現行型) ▲グルーブボックス上部にも収納スペースを設けるなど利便性が高く、見晴らしも良くなった車内
ホンダ フリード(現行型) ▲「エアー EX」グレードの2列目シートは、キャプテンシートとベンチシートから選べる

フリード(現行型)の主なグレードは以下のとおり。

「エアー」:標準外観のベーシックグレードで、3列シート・6人乗り仕様。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。
「エアー EX」:標準外観の上級グレードで、3列シート・6人乗りもしくは7人乗り仕様。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。
「エアー ビズ」:標準外観のビジネスユース向けグレードで、2列シート・4人乗り仕様。パワーユニットは「e:HEV」のみでFFと4WDを用意。
「クロスター」:SUV風外観のベーシックグレードで、2列シート・5人乗り仕様もしくは3列シート・6人乗り仕様。装備内容は「エアー EX」に相当する。ガソリン車と「e:HEV」、それぞれにFFと4WDを用意。さらに助手席リフトアップシート仕様や車いす向けのスロープ仕様も、このグレードにのみ用意される。

従来型では「フリード+」が担っていた2列シート仕様、さらにリフトアップシートなど福祉車両を「クロスター」のみに設定しているのが、3代目のグレード展開における大きな特徴だ。もっとも、「クロスター」はワイドトレッドのSUV風外観となっているが、最低地上高や全高は「エアー」と同じ。したがって乗り味にも大きな違いはない。

ホンダ フリード(現行型) ▲クロスターの2列シート車にはユーティリティボードを装備
 

2.中古車概況:ガソリン車、ハイブリッド車とも豊富

続いてフリード(現行型)の中古車概況を見てみよう。フリード(現行型)が中古車市場に流通し始めたのは、デビュー翌月の7月から。その直後から流通量が激増し、冒頭でお伝えしたとおり4ヵ月で流通台数が600台を超えるに至った。デビューからわずか半年のニューモデルとしては、驚異的とも言える流通量だ。現在は増加傾向が落ち着きつつあるが、それでもコンスタントに500~600台をキープしている。

中古車相場については下記表を見ても分かるように、ほぼ横ばいに近い緩やかな下降傾向。現時点では中古車平均価格300万円を切っており、新車価格と見比べても順当と言える水準だ。

ホンダ フリード(現行型) ▲2024年7月~11月の中古車平均価格推移

ちなみに中古車市場に流通しているフリード(現行型)のパワーユニット別割合ではガソリン車が多く、全体の6割超となっている。また、グレード別ではガソリン車の「エアー」が最も多く、全体の3割弱。続いてハイブリッドの「e:HEV エアー」、「クロスター」、「e:HEV クロスター」、「エアー EX」、「e:HEV エアー EX」の順となっている。

流通量は十分にあり、グレードやパワーユニットの選択肢も豊富。価格も順当と、中古車を選びやすい状況にあることは間違いない。

ホンダ フリード(現行型) ▲2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーの授賞式で映えあるイヤーカーに輝いた
 

3.オススメグレード①:リーズナブルな価格で手に入れたいなら「エアー」

価格重視で選ぶなら、総額230万円台から狙えるガソリン車の「エアー」で決まり! 前述のとおり流通量も多く、選びやすい。

例えば2024年式・走行距離4km・登録済未使用車の「エアー(FF)」なら、総額238.5万円。新車に限りなく近い状態の物件で、この価格ならオトク。新車価格より11.5万円+諸経費が安くなる計算だ。

ホンダ フリード(現行型) ▲「エアー」はベーシックなグレードながら、基本装備が充実

ちなみに上級グレードである「エアー EX」との違いは、USBソケットや運転席/助手席シートヒーター、本革巻きステアリングなどの装備で、実用面では「エアー」でも不足はない。またオーソドックスなガソリン車ということで燃費も気になるところだが、「エアー(FF)」のWLTCモード燃費は16.5km/Lと悪くなく、ランニングコストを含めて考えてもリーズナブルな選択と言えるだろう。

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4.オススメグレード②:ハイブリッド車狙いなら「e:HEV エアー(FF)」

「e:HEV」となってよりパワフルに、より燃費が良くなったフリード(現行型)。通常走行においてエンジンは発電に特化するために静粛性も高く、ワンランク上の快適さが味わえる。

さて中古車市場でフリード(現行型)のハイブリッド車を検索すると、約180台がヒット。その多くが「e:HEV エアー」だ。

ホンダ フリード(現行型) ▲ハイブリッド車のWLTCモード燃費は25.6km/L~。航続距離も従来型に比べて大幅に延びた

価格の一例を挙げると、2024年式・走行距離7km・修復歴なしの「e:HEV エアー(FF)」で総額274.4万円。こちらもガソリン車同様、かなりオトク感の高い価格となっている。

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なお、上級グレードである「e:HEV エアー EX」の価格帯は総額300万円~。新車価格との差はほとんどないが、諸経費分が安く手に入る計算だ。今後、このグレードの流通量が増えれば、さらにリーズナブルな価格帯になる可能性もある。

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5.オススメグレード③:「クロスター」もリーズナブル

「クロスター」は2列シート仕様、福祉車両などバリエーションが豊富なグレードだ。それらすべて合わせた中古車市場での流通量は140台前後。最も流通量が多く、かつリーズナブルなのはガソリン車の「クロスター(FF)・5人乗り仕様」で、総額270万円台から狙える。

例えば、2025年式・走行距離5km・登録済未使用車の「クロスター(FF)・5人乗り仕様」なら総額274.8万円。個性的な外観のコンパクトミニバンが欲しい人にはぴったりの選択だろう。

ホンダ フリード(現行型) ▲ワイルドなスタイルだけでなく、2列シート車における荷室の使い勝手も「クロスター」の魅力

なお、中古車市場に流通している「クロスター」グレードにおいて、2列シート・5人乗り仕様と3列シート・6人乗り仕様の割合はほぼ半々。価格帯は3列シート車の方が若干高くなるが、いざというときに人がたくさん乗れるメリットは見逃せない。

またシートの作りも3列シート車の方が良い、という評価もあるため、後席に人を乗せる機会が多い人はこちらも検討してみることをオススメする。

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※記事内の情報は2025年1月15日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/ホンダ、篠原晃一
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。