各メーカーの注目スポーツカーを一挙振り返り! 待望モデルから意外なモデルまで!【東京オートサロン 2025】
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / ホンダ / マツダ / スバル / スズキ / 三菱 / ダイハツ / ヒョンデ / セダン / クーペ / ミニバン / SUV / GT-R / スカイラインGT-R / トライトン / デリカD:5 / ロードスター / スイフト / シビックタイプR / プレリュード / BRZ / ミライース / スープラ / GRヤリス / WRX S4 / CX-60 / アイオニック5 / デリカミニ / 瀬イオナ
2025/01/30

メーカーブースのスポーツカーを中心にご紹介!
2025年1月10日~12日に幕張メッセで「東京オートサロン2025」が開催された。3日間で延べ25万8406人の車好きが集まり、会場は大いに賑わいを見せた。
来場者を見渡してみると、日本のカーファンだけでなくアジア人から欧米人まで世界各国からこの日のために来ているであろう外国人が多数。世界的モーターショーのひとつなのだと改めて感心させられた。
カスタマイズカーショーではあるが、ここ数年は自動車メーカーも力を入れて出展している。主にモータースポーツで戦っていたマシンや、スポーツカー、旧車が多く見受けられ、それぞれの熱い思いが、大きなブースを彩る様々な展示から伝わってくる。
今回は主な自動車メーカー各社の濃ゆ~いブースの中から、特に気になっている人も多いであろうスポーツカーを中心に紹介! 併せて、今シーズンのモータースポーツ参戦体制なども簡単に解説する。
トヨタ:テーマは「ニュルブルクリンクでのクルマづくり」

今年は北ホールにブースを移して展開されていた。北ホールは東・中・西ホールとは別棟で、連絡橋を通っていかないと行けないエリアなので、毎年メイン側とは少し違った雰囲気を感じるところだったが、トヨタ勢が展示されたことによってファンがごった返すほどの混雑となった。どの展示車両も人をかき分けて前にいかないと見られないほど。
そんなTOYOTA GAZOO Racing、展示のメインテーマは、TGRとマスタードライバーであるモリゾウこと豊田章男会長の原点となる「ニュルブルクリンクでのクルマづくり」である。
モリゾウと当時のマスタードライバー だった故・成瀬弘氏、他従業員でチームを組み、ニュル24時間耐久レースへ初参戦したのは2007年のこと。中古のアルテッツァで挑んだ。その時のマシン「TOYOTA ALTEZZA 109号車(2007年ニュル24h参戦車両)」がメインステージ横に鎮座。
ステージには、モリゾウ氏がニュルブリンクで運転訓練用として使っていたブルーのスープラや、今年ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦するGR YARISも展示されていた。


なお、先日には今シーズンの参戦体制も発表され、GR YARISにはモリゾウ選手、豊田大輔選手、石浦宏明選手、大嶋和也選手が、トヨタ GRスープラGT4 EVO2には佐々木雅弘選手、片岡龍也選手、松井孝允選手、蒲生尚弥選手がドライバーとして乗ることになっている。
日産:注目はEVコンバージョンのR32!

ブース自体は日産の持つ技術と技能を注ぎ込んたスポーツカーを展示する「スポーツカーエリア」と、日産にしかできない多彩なカスタムカーを展示する「カスタムカーエリア」と2つのエリアが用意されていた。
その中でも特に注目を集めていたのがスポーツカーエリア。昨年11月に登場した2025年モデルで北米仕様のフェアレディZや、日産のEV技術を用いてEVコンバージョンを施したR32型のスカイラインGT-Rなどインパクトある車を展示。
単なるEVコンバージョンではなく、R32の走りの楽しさや魅力を後世へとつなげるため、いかにオリジナルを再現できるか、日産の意気込みを感じる。


また、2024年シーズンのSUPER GTシリーズ GT500クラスに参戦し、千代勝正選手&ロニー・クインタレッリ選手が戦った23号車がお出迎え。ブースのど真ん中で展示されていて、それはもう迫力満点!
ちなみに2025年シーズンは、引退を表明したロニー・クインタレッリ選手に代わり高星明誠選手が務める予定だ。
23号車を使ったイベントも行われ、NISMOメカニックによるピットワークパフォーマンスなどを開催した。生で行われるパフォーマンスは圧巻。興味津々にのぞいて見る子供達やスーパーGTファンで盛り上がりを見せた。
ホンダ:待望のシビックタイプR受注再開を発表

「ホンダは走り。だろ?」
中央ホールに大きく構えたホンダブースに行くと、最初に飛び込んでくるこのキャッチフレーズ。はいそうですとも! とつい答えてしまうような見せ方が面白い。
ブースのテーマは「Honda SPORTS」。“走りへの情熱”と“夢への挑戦”が脈々と受け継がれ、ワクワクする製品を生み出し続ける原動力となっていることを表現しているとのこと。
ステージ中央には、2023年のジャパンモビリティショーで突如登場したプレリュード コンセプトに続き、今回はプロトタイプが出展されていた。
併せて、長らく受注停止していたシビックタイプRの新グレード「レーシングブラックパッケージ」がお披露目され、同時に受注再開することがアナウンスされた!

その他、昨年新たに投入された全身カーボンブラックにサイドの大きなHRCマークが目を引く「CIVIC TYPE R-GT」のテストカー。そしてカーナンバーも歴代のテストカーと同じ99を付けている。
スーパー耐久の車両も発見。メーカーの開発車両などを中心としたST-Qクラスで活躍するマシンで、CIVIC TYPE RをベースとしてモディファイしたCIVIC TYPE R CNF-Rが展示されていた。
もちろんF1車両も展示。1964年シーズンのF1に初参戦した葉巻型のマシン「RA271」が目に飛び込んできた。その後ろには2024年型のF1マシン「Oracle Red Bull Racing RB20(ショーカー)」。先ほどのCIVIC TYPE R CNF-Rの271号車はこのRA271が由来だそうで、このDNAのつながりを感じさせるマシンが同じ場所に揃っているのを見て胸熱だし、なんだかエモさを感じずにはいられない……!

マツダ:待望の2L版ロードスターを発表!

上質で洗練された雰囲気だったマツダのブース。「新しい時代に適合した走る歓び」を提供するため、そして「クルマって楽しいよね」と感じてほしい思いをテーマとしていた。展示車両を見ていると見た目より内容でワクワクさせてくれる印象を受けた。それは毛籠勝弘社長が「カーボンニュートラルの時代でもエンジン開発を諦めない」と述べたことも影響していると思う。
一番注目度が高かったのは、MAZDA SPIRIT RACING ロードスター12Rだろう。サブブランドのMAZDA SPIRIT RACINGが開発し、サーキットはもちろん、一般道でも楽しく走行できるのを目指した1台だそう。200psのパワーが出る2リッター直4エンジンに、ソフトトップ仕様のボディを合わせているのが特徴。お値段なんと700万円というのだから、まさにこだわりぬいた1台である。
量販モデルのMAZDA SPIRIT RACING ロードスターも展示されていた。こちらはマツダスピリットレーシングの市販モデル第1弾として投入する。どちらも今秋に発売予定とのことなので今から待ち遠しい。
他にも、スーパー耐久シリーズに参戦するMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptと、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF conceptがブース中央に置かれ、その左側にはラリー車両が鎮座。
MAZDA SPIRIT RACING CX-60 Rally conceptは、“もしCX-60がラリーに出場したら?”をテーマに作製されたコンセプトカーだ。その奥には、実際にXCRスプリントカップ北海道に参戦し、クラス2位入賞を果たしたTOYO TIRES MAZDA CX-5も展示されていた。

あえてのエンジン開発やSUVでのラリーなど、マツダの取り組みには毎回胸が弾む。今年、どんな挑戦を見せてくれるのか、次はどんな挑戦をしていくのか、も気になってしまうのだ。
スバル:STIコンプリートカーのS210コンセプトを発表!

あたりを見渡すと青、青!、青!!! オートサロンの“スバルは走りの楽しさを諦めない。というメッセージがひしひしと伝わる展示内容だったように感じる。
ブースには、STIコンプリートカー「S210」プロトタイプが初公開され、一目見たいと人だかりができていた。ニュルブルクリンク24時間レースで培った技術や知見を詰め込んだ究極の車である。
S210はWRX NBR CHALLENGEの直系モデルということにちなみ、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで活躍するSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025も展示。
また、先日、富士スピードウェイでシェイクダウンイベントが行われた。昨シーズンは5年ぶりのクラス優勝は果たしたが、赤旗中断で7時間半しか走ることができず、わだかまりの残ったレースだったという。今シーズンこそ24時間完走し優勝を飾りたいとのことなので大いに期待したい。
スーパーGTのGT300クラスに参戦するBRZ GT300 2025も展示されていた。昨シーズンはトラブル続きだったが、そのままの体制で今シーズンも挑むという。マシンは全体的にリニューアル。空力や剛性なども見直されている他、デザインも青が占める割合が減り、スバルといえばなチェリーレッドが面積を広げている。

さらに、スーパー耐久シリーズに参戦する車両も発見。メーカーの開発車両を中心としたST-Qクラスに参戦しているHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTである。
カーボンニュートラル燃料を使用し、今後の厳しい環境規制にも対応しながら高性能化させるのを目標にレースで鍛え上げる1台。未来のスバルはこの車が原点になるのかもしれない。
三菱:ラリー参戦車をびっくり展示!

ブースのテーマ「カッコよく遊び尽くせ」がよく表れていると感じさせる展示方法に驚いた。オートサロンのブースコンテストが開催されたら間違いなく最優秀賞を授与されそうなくらいインパクト満点!
飛び出していた車両は、2024年8月11~17日にタイで開催されたアジアクロスカントリーラリー2024(AXCR)に参戦したトライトンラリーカー(本戦仕様車両)である。昨シーズンは2023年の結果を踏まえ、動力性能のさらなる強化や悪路走破性を大幅に向上させて挑み、チーム三菱ラリーアートは総合5位に入賞するなど、4台中3台が完走を成し遂げている。
ブースに入り、トライトンラリーカーのリア側に回ってみると、アジアクロスカントリーラリーでサポートカーとして活躍した「デリカD:5」「デリカミニ」の2台が展示。どちらも総走行距離2000km以上ものラリー全行程を走破しているというのだから驚く。

モータースポーツで培われた技術をふんだんに詰め込む三菱車。ブース内は他にもアウトドア仕様を施したデリカD:5やアウトランダーPHEVが力強い見せ方で展示されていた。
ダイハツ:小さなモータースポーツ参戦車両

トヨタとともに北ブースに移動してきたダイハツ工業。使命として掲げる「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」という取り組みとして、“モータースポーツのすそ野を広げ、走る楽しさをみんなのものに”と“地域に寄り添い、日々の暮らしを守る”がテーマだという。
ブースの前にはメインであろう車両の展示がなされており、赤いミライースの前で立ち止まるファンが多く見受けられた。なぜなら、ターボエンジンと5段MTを組み合わせた「ミラ イース GR SPORT コンセプト」だからだ。
その隣には、2024年は全日本ラリー選手権、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ、耐久レース「K4GP」に参戦したという、ミライースのモータースポーツ参戦車が並んで展示されていた。
ちなみにミライース自体は、中古市場を見てみると100万円以下で購入できる車体も多く、最低価格で見るとなんと10万円台! 確かに“モータースポーツのすそ野を広げる”というテーマにぴったりな車体だと感じる。ただ、現状ではMTが市販車にはなく、MT化させているブログしか見かけない。まずはATでモータースポーツを楽しみたい、最初の1台としてサクッと! という人に好まれているかもしれない。
他にも、モントレー2024やラリージャパン2024に参戦していたコペンGR SPORTや、モータースポーツ活動に帯同するサポートカーとしてハイゼット トラック ジャンボ EXTEND2が展示。
ブースの奥にはお客様に寄り添うというテーマにぴったりな、災害支援車などもカスタム展示されていた。モータースポーツマシンと災害支援車をひとつのブースで展開できるのはオートサロンならではだと感じた。
スズキ:注目のスイフトスポーツ「ZC33S Final Edition」も

「スズキ ブースト ガレージ」がテーマのブースを見渡してみると、遊び心を思わずブーストさせるような演出が施されていた。
通路に近い目立つ場所には、昨年12月17日に発表されたスイフトスポーツ特別仕様車「ZC33S Final Edition」が展示されていた。今回のオートサロンで初めての披露である。
3月~11月までの期間限定発売のため、購入の検討をしているであろう人々が運転席に座るための列ができていたほど。
そして名残惜しいことに、現行車は2月で発売終了となってしまう。オンオフどちらも活躍するスイフトスポーツの生産終了は少々寂しいが、ぜひフルモデルチェンジしてくれるのを心待ちしたい。
グッズコーナーには、ZC33S Final EditionをイメージしてデザインしたオリジナルパーカーやTシャツを販売するなど、スイフトへの力の入れようを感じ取れた。
ヒョンデ:ドリキン監修のアイオニック 5N DK Edition

2022年に再上陸を果たしたヒョンデ。国内に導入されたEVはコナ、アイオニック5、アイオニック5 Nの3車種だった。今回、4車種目のスモールEV「インスター」が発表され、勢いが止まらない。
そんなヒョンデは、「アイオニック5 N DK Edition」をオートサロンで発表。ヒョンデ Nブランドとオートバックスがコラボし、ご存じドリフトキングのドリキンこと土屋圭市氏が監修したハイパフォーマンスパーツで、ブースには装着したモデルが展示されていた。
Nシリーズとは、高性能な車を展開するブランドで、グローバル開発センターの拠点「ナンカン」と「ニュルブルクリンク」の頭文字をとっている。アイオニック5 Nにはドリフト走行に適した走行モードであるドリフトオプティマイザーが備わっているなど、走りを追い求めたモデルだ。
DK Editionは、高性能なアイオニック5 Nを、コーナリング性能、走行安定性、制動力、ハンドリング性能の面でさらにパワーアップさせており、サーキットはもちろん、公道でも走りを楽しめるという。
2025年末までの発売を予定しているそう。

自動車ジャーナリスト
瀬イオナ
車メディアの雑誌編集部員を経て、2024年にフリーランスとして独立。「走って書ける」自動車ジャーナリストを目指して修行しながら、若手ジャーナリストとして活動中している。車業界に入ったきっかけは、某動画で中谷明彦師匠を見つけたこと。現在に至るまで「ドライビング」はもちろん「ジャーナリスト」の心得など業界におけるすべてを教わりながら日々鍛錬中である。趣味はドライブ、レーシングカート、スキー、サウナ。
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