オデッセイ「0.5世代前」なら新車価格より150万円安い中古車もあるが、“買い”なのか? 最新型との比較や狙い方を解説!
2025/01/30

「0.5世代前の型」に注目すると選択肢も価格帯もぐんと広がる
ミニバンなのにスポーティ、かつスタイリッシュなモデルのホンダ オデッセイ。2013年11月にデビューした現行型は5代目で、モデルライフはかれこれ12年にもおよぶ。
何度かのマイナーチェンジを経て2023年12月から販売されている最新型は、外観がリニューアルされただけでなく先進安全性能も進化。装備内容も一層充実するなど、確かに魅力的ではある。ただ、新車価格は480万~516.5万円とかなり高め。
それなら中古車はどうか? とカーセンサーnetを見てみると、価格帯は総額450万円~、平均価格は500万円前後と、新車との価格差がまだ少ない……。
そこで、同じ現行型の中でもフロントマスク変更後~一時生産終了までの期間に作られた「0.5世代前の中古車」に注目してみてほしい。この「0.5世代前の型」と最新型を比較、細部をチェックしながら、オススメの中古車を見ていこう。

「0.5世代前の型」と「最終型」の違いは何?
まずは現行型である5代目のオデッセイがどのように進化していったのかから説明していこう。
同じ5代目という世代なのだが、その経緯はやや複雑で大まかにまとめると下記のようになる。
・2013年11月 登場→「前期型」
・2017年11月 最初のマイナーチェンジ→「中期型」
・2020年11月 フロントマスクの変更を伴う大規模な2度目のマイナーチェンジ→「0.5世代前」
・2022年9月 いったん、生産終了
・2023年12月 中国工場にて生産するモデルとして復活→現在発売されている「最新型」
デビュー時の前期型のラインナップは、標準仕様の「B(ビジネス向け)」と「G」、スポーティ仕様「アブソルート」の2種類に大別され、「アブソルート」はよりパワフルな2.4L 直噴ガソリンエンジン+パドルシフト付きCVTを搭載。「G」と「アブソルート」には上級装備の「EX」が設定された。

その後、2015年1月には先進安全機能の「Honda SENSING」を一部グレードに標準装備化、2016年2月には待望のハイブリッド車が追加される。
そうしたマイナーチェンジの中でも、2020年11月に実施された内容は最もインパクトが大きかった。フロントマスクを従来のデザインから一新し、フロントグリルを直立化&大型化。ヘッドライトの形状も変更され、押し出し感の強い印象となる。
この変更後から一時生産終了までの期間に生産されたモデルこそオススメしたい「0.5世代前の型」だ。

「0.5世代前の型」ではグレード体系を「アブソルート」系のみに簡略化。そのうえで直噴エンジンを廃止し、通常のガソリン車とハイブリッド車「e:HEV」の2本立てに。主なグレードは以下のとおりとなった。
・アブソルート:ガソリン車の標準グレード。7人乗り or 8人乗り。FFと4WD、助手席リフトアップシート、サイドリフトアップシート車の設定あり。
・アブソルート EX:ガソリン車の上級グレード。7人乗り。FFと4WDの設定あり。
・e:HEV アブソルート:ハイブリッド車の標準グレード。FF。7人乗り or 8人乗り。
・e:HEV アブソルートEX:ハイブリッド車の上級グレード。FF。7人乗り。
ジェスチャーコントロール・スライドドアを装備、「Honda SENSING」を標準装備化しつつ、その機能を強化するなど、「0.5世代前の型」は機能面も充実している。
さて、この変更から2年とたたずして5代目のオデッセイはいったん生産終了となったのだが、その後、2023年12月に最終型が登場する。その最終型と「0.5世代前の型」にはどのような違いがあるのか。最終型での主な変更点は以下のとおりだ。
・ガソリン車を廃止し、ハイブリッド車のみのラインナップに。グレードは「e:HEV アブソルート」と「e:HEV アブソルート EX」「e:HEV アブソルート EXブラックエディション」のみ(全車7人乗り)になった。
・フロントグリルおよび上部メッキバーのデザインを変更。
・2列目プレミアムクレードルシートを電動化。シートヒーター、センターテーブル、USBチャージャーなどを標準装備
・シフトセレクターをレバー式からボタン式に変更。アクセルオフ時の減速量を調整できる減速セレクターを装備。
・「Honda SENSING」に近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能を追加。右折対向車、横断二輪車、夜間歩行者の検知も可能に。

2列目シートが電動化され、先進安全機能が大きく進化したメリットは確かに見逃せない。その一方でガソリン車が廃止され、選択肢が狭まってしまった。
確かに最新型が素晴らしいモデルではあるが、見た目がほぼ変わらずそもそも結構な装備が付けられている「0.5世代前の型」も十分満足感を得られるモデルだと個人的には思う。
しかも最新型と比べ、販売から期間がたっていることから中古車のメリットを享受できるお得な価格のものも出始めてきているのだ。
「0.5世代前の型」の中古車概況:台数は少ないがお得感アリ
オデッセイ(5代目)全体では、中古車市場に約1200台が流通。12年以上ものモデルライフを誇るだけあり流通量は豊富だ。
そのうち、2020年11月~2022年9月までの「0.5世代前の型」は約130台。生産されたのが約1年半と短い期間だったことを考えると、妥当な数字と言える。
中古車価格帯は総額320万~470万円。新車当時の価格は349.5万~458万円であり、年式や走行距離、グレードに応じた順当な推移というところだ。
例えば、「0.5世代前の型」の2.0 e:HEV アブソルート EXでは、約350万円の中古車が数台ではあるが流通し始めている。最新型2.0 e:HEV アブソルート EXの新車価格が約500万円であるから、その価格差は150万円だ。


一方、2023年12月以降に生産された最終型の中古車流通量は140台前後で、「0.5世代前の型」とほとんど変わらない。ただし、価格帯は総額450万~600万円とまだまだ高めの水準。年式が新しいこと、ハイブリッド車だけになり、新車価格が大きく上がったこと(480万~516.5万円)などが理由だろう。
新車と全く同じ外観、機能が欲しい人や限りなく新車に近いコンディションの中古車が欲しい人にとって、最終型の中古車は有力な選択肢になるはず。ただ、中古車としてのお買い得感はまだ少なめ、というのが正直なところだ。
つまり、「新しめの年式がいいけど、多少の装備差は気にならない」という人には「0.5世代前の型」こそ大本命。最新型よりもリーズナブルな価格で狙うことができ、さらにガソリン車を選べる、幅広い価格帯から選べるメリットがある。
なお、2020年10月以前の「前期型」や「中期型」は中古車流通量が豊富で、価格帯がさらに低い……というメリットがあるものの、それ以降のモデルとは外観の印象がまったく異なり、旧世代感は否めない。
また、走行距離も多めの物件が多く、ややマニアックな選択肢と言える。そうした状況を考えると、やはり大本命は「0.5世代前の型」だ。
中古車の買い方1|コスト重視の人は「ガソリン車」が狙い目
できるだけリーズナブルな価格で「0.5世代前の型」を手に入れたい人は、ガソリン車の「アブソルート(FF)」が有力候補。総額300万円台前半から狙えるのが魅力だ。
例えば、2020年式・走行距離4.8万km・修復歴なしの「アブソルート(FF)」なら総額327.7万円。当時の新車価格より20万円強+諸経費分、安く手に入る。

ちなみに、オデッセイ(ガソリン車)の車両重量は1770kgとラージサイズミニバンの中ではズバ抜けて軽く、ガソリン車でも力不足はあまり感じない。
前述のように「0.5世代前の型」は全車「アブソルート」となっており、外観も走りもスポーティだ。
▼検索条件
ホンダ オデッセイ(5代目) × 2020年11月~2022年9月 × ガソリン車 × 全国中古車の買い方2|走りと装備重視の人なら「e:HEV アブソルート EX」
「0.5世代前の型」の中でもハイブリッド車の上級グレードである「e:HEV アブソルート EX」なら、最終型との差分は限りなく少ない。
エンジンやモーターのスペック、燃費は最終型と完全に共通、装備についても助手席パワーシートやシートヒーター、ハンズフリー・テールゲートを備えるなど大変充実している。

「0.5世代前の型」と言っても、2022年9月まで新車として販売されていた車であり、走行距離が少なめの物件もたくさんある。
例えば、2021年式・走行距離1.1万km・修復歴なしの「e:HEV アブソルート EX」は総額439.8万円。当時の新車価格よりも約20万円+諸経費が安く手に入る計算だ。
▼検索条件
ホンダ オデッセイ(5代目) × 2020年11月~2022年9月 × e:HEV アブソルート EX ×全国
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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