※この記事はカーセンサー関東版3号(2001年1月18日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

一段と洗練された走りで2.7Lでも十分に速い

  • ポルシェ ボクスター 走り|プレイバック試乗記
  • ポルシェ ボクスター リア|プレイバック試乗記
↑表面に表れないところで確実に進化を続けるポルシェ ボクスター(左)ボクスターSのアコーディオン式フルオートルーフの開閉作業はわずか12秒 (右)
ポルシェ2001年モデルの目玉は意外にもボクスターだが、その最大の理由は価格にある。2.7Lエンジンを積むノーマル系ボクスターは60万円もの値下げが断行され、5速MT仕様で550万円、ティプトロニックSで610万円という、魅力的なプライスがつけられたのである。 それでいて、車はコストダウンされたどころか、ソフトトップがボクスターSと同様のルーフライニング張りになり、高速での風切り音が静かになるなど、インテリアを中心にグレードアップされている。

それに加えて、走りもこれまでより一段と洗練されている印象を受けた。ボクスター2.7の試乗車は右ハンドルのティプトロニックS仕様だったが、993以前のポルシェと違って、右ハンドルでもペダル配置に違和感がないのがまず好ましい。2.5Lの時代はティプトロニックだとトルク不足を感じたが、2.7Lはこの組み合わせでもモタつきはなく、しかも7000rpm以上まで鋭く回り切って、実に爽快に加速する。

鋭いハンドリングと快適な乗り心地

  • ポルシェ ボクスター 走り|プレイバック試乗記
  • ポルシェ ボクスター フロントシート|プレイバック試乗記
↑ボクスターSに搭載される3.2Lエンジンは、最高出力252ps、最大トルク31.1kg-mを発生。また、0→100km/h加速はMTで5.9秒、ティプトロニックで6.5秒となる(左)ボクスターSは専用ドアエントリーガードやアルミカラーのメーター類を装着(右)
もっと速いボクスターが欲しければ3.2LのSもあるが、今や標準型でも動力性能に不足はない。ましてやMTを選ぶ硬派なら、2.7Lでも十分速く走れると保証する。

初期型より大幅に剛性感の上がったボディが、切れ味鋭いハンドリングと、硬めだが快適な乗り心地に一段と磨きをかけていたのも、最新のボクスターの印象的な点だった。ボクスター、同Sとも、2001年型からPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネジメント)がオプション装着が可能になったのもニュースだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ボクスター(ティプトロニックS)
駆動方式 MR
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4315×1780×1290
ホイールベース(mm) 2415
車両重量(kg) 1330
乗車定員(人) 2
エンジン種類 水平対向6DOHC
総排気量(cc) 2687
最高出力[ps/rpm] 220ps/6400rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 26.5kg-m/4750rpm
10・15モード燃費(km/L) 8.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/-
車両本体価格 610.0万円

吉田匠の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 4点 加速性能 4点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 2点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 -点 パワー感 4点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 81/95
(Tester/吉田匠 Photo/ポルシェジャパン)