EX30クロスカントリー▲スタイリッシュで頼もしい電動クロスオーバーSUV「ボルボEX30クロスカントリー」。どんなモデルで、どんなタイプのユーザーに向いているSUVなのだろうか?

2025年8月に登場した「ボルボ EX30クロスカントリー」のことが気になっているものの、「標準モデルであるEX30とは何が違うのか?」ということが、いまひとつ見えていない人も多いかもしれない。

この記事では、EX30クロスカントリーについて解説。パワートレインやメカニズムの共通点を踏まえつつ、デザイン・ボディサイズ・電費・走りにおける「EX30との違い」も比較検証する。

サクッとまとめ

【概要】EX30をベースに、オフロード系の意匠と走破性をプラスしたコンパクトEV
【特徴】専用外装や大径ホイールなどを採用。乗り味はマイルド
【オススメな人】都会的なスッキリ感以上に、アウトドアテイストと悪路性能を重視したい人

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ボルボ EX30クロスカントリー(初代)
 

ボルボ EX30クロスカントリーとは? 魅力を解説

ボルボ EX30クロスカントリーは、ボルボ史上最小のEV(電気自動車)である「EX30」に、同社伝統のアウトドアテイストとオフロード性能を掛け合わせたモデル。

最大の魅力は、都市部での扱いやすさを保ちつつ、タフなイメージと悪路走破性を獲得している点にある。

100%電動パワートレインならではの滑らかで力強い走りはそのままに、195mmとなった最低地上高と専用の足回りにより、未舗装路や雪道でも高い踏破力を発揮。日常使いから週末のアウトドアレジャーまで、EVをアクティブに使いたいユーザーのニーズに応えてくれる。

EX30クロスカントリー サンドデューン▲こちらがボルボ EX30クロスカントリー。写真のボディカラーは「サンドデューン」

EX30クロスカントリーは「EX30の上位モデル」というポジション

EX30クロスカントリーは、EX30のラインナップにおける「事実上の上位モデル」としてポジションを確立している。

パワートレインや基本装備は、EX30の中~上級グレードと共通。最高出力やバッテリー容量、先進安全装備といった基本部分も同一だ。主な変更点はタイヤ&ホイールを含む内外装の意匠と、一部のスペック(寸法や電費など)にとどまる。

つまりEX30クロスカントリーは、高次元な基本スペックを備えたEX30にクロスカントリー的な価値を付加したモデルといえる。

ボルボ EX30クロスカントリー サイド▲EX30クロスカントリーは、あくまでひとつの独立したモデル。ただ、本質的には「EX30シリーズの中~上級グレードに、オフロード要素を加味したグレード」と見ることもできる

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ボルボ EX30クロスカントリー(初代)
 

EX30との違いは? EX30クロスカントリーの特徴

EX30とEX30クロスカントリーを比較する際、パワートレインや先進安全装備などは基本的に共通であるため、グレードが同じなら走行性能の根本的な違いや装備面の優劣を気にする必要はない。主な違いは、次のとおりだ。

項目 EX30クロスカントリー EX30
ラインナップ 2グレード 3グレード
外装 ワイルド 都会的
内装 やや落ち着いた雰囲気 モダン
電費 150~161Wh/km 143~150Wh/km
走行特性 マイルド 比較的タイト
項目 EX30クロスカントリー EX30
ラインナップ 2グレード 3グレード
外装 ワイルド 都会的
内装 やや落ち着いた雰囲気 モダン
電費 150~161Wh/km 143~150Wh/km
走行特性 マイルド 比較的タイト

違い①ラインナップ:EX30クロスカントリーは2グレード展開

標準モデルのEX30が駆動方式や装備差による3グレードを展開しているのに対し、EX30クロスカントリーの通常グレードは「ウルトラ P8 AWD エレクトリック」のみ。2026年7月23日発売の2027年モデルでは、特別仕様車として「ウルトラ P5 ロングレンジ エレクトリック」が設定された。

EX30クロスカントリーとEX30のラインナップ・価格

車名 グレード 価格
EX30クロスカントリー ウルトラ P5 ロングレンジ エレクトリック 599万円
ウルトラ P8 AWD エレクトリック 649万円
EX30 プラス P5 エレクトリック 479万円
ウルトラ P5 ロングレンジ エレクトリック 579万円
ウルトラ P8 AWD エレクトリック 629万円
車名 グレード 価格
EX30クロスカントリー ウルトラ P5 ロングレンジ エレクトリック 599万円
ウルトラ P8 AWD エレクトリック 649万円
EX30 プラス P5 エレクトリック 479万円
ウルトラ P5 ロングレンジ エレクトリック 579万円
ウルトラ P8 AWD エレクトリック 629万円
伊達軍曹

ライター・伊達軍曹当初は「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」が設定されていましたが、2027年モデルでウルトラ P8 AWD エレクトリックに改称。仕様や装備内容は大きく変更されていないため、現状ではほぼ同じグレードといえます。

違い②外装:専用デザインと大径タイヤでワイルド

EX30クロスカントリーは、ひと目でそれとわかるタフな加飾を採用。フロントパネルとリアゲートに配された黒い専用パーツや前後左右のスキッドプレート、足元には専用の19インチホイールなどが組み合わされ、力強い佇まいを際立たせている。

EX30クロスカントリーとEX30 外観比較▲EX30クロスカントリー(左)とEX30(右)。EX30クロスカントリーはブラック系のパーツが力強い印象を形作っている

カラーラインナップに関しては、クロスカントリー専用色は設定されていない。EX30で選べるボディカラーのうち「クラウドブルー」は当初設定されていなかったが、2027年モデルから選択可能になっている。

ベースとなるプラットフォームは共通であるため、サイズ感はほとんど変わらない。ただし専用外装モールディングやタイヤ形状の違い、専用サスペンションの採用により、EX30クロスカントリーの全幅と全高は、標準のEX30と比べてそれぞれ15mm大きい

EX30クロスカントリーとEX30のボディサイズ

項目 EX30クロスカントリー EX30
全長 4235mm 4235mm
全幅 1850mm 1835mm
全高 1565mm 1550mm
項目 EX30クロスカントリー EX30
全長 4235mm 4235mm
全幅 1850mm 1835mm
全高 1565mm 1550mm
伊達軍曹

ライター・伊達軍曹最低地上高もEX30の175mmに対し、EX30クロスカントリーは195mmとなっています。

違い③内装:異なるカラーと素材でアウトドア調を演出

インテリアの基本的なデザインはEX30と変わらない。標準のEX30がもつ北欧モダンなミニマリズムを継承しつつ、クロスカントリー特有の世界観も表現している。

ただEX30クロスカントリーには、スカンジナビアの常緑松林にインスパイアされた専用シートカラーの「パイン」を設定。再生素材を用いた淡いグリーンのファブリックシートが、デザインによくマッチしている。

EX30クロスカントリー 運転席まわり▲こちらはEX30クロスカントリーの運転席まわり。落ち着いた雰囲気を感じる
EX30 運転席まわり▲そしてこちらがEX30。デザインは同一だが、色使いの妙により、受ける印象は異なる
EX30クロスカントリー シート▲EX30クロスカントリーでは、再生ポリエステルを配合したテイラードウールブレンド素材と、リサイクル素材およびバイオ由来素材からなる「ノルディコ」のコンビネーションシートが標準

違い④電費:WLTCモードで161Wh/km。EX30の方が省電力

EVのエネルギー効率を示す「電費(交流電力量消費率)」においては、標準モデルのEX30に分がある。以下は両者の上級グレード「ウルトラ P8 AWD エレクトリック」の数値だ。

項目 EX30クロスカントリー EX30
交流電力量消費率(※) 161Wh/km 145Wh/km
一充電走行距離 500km 535km
項目 EX30クロスカントリー EX30
交流電力量消費率(※) 161Wh/km 145Wh/km
一充電走行距離 500km 535km
※交流電力量消費率とは「1km走るために何Whの電気を使うか」を表す指標。ガソリン車の「km/L」とは逆に、数値が小さいほど省電力で効率が良い(電費が良い)ことを意味する

大径タイヤの装着や車高、空力特性の変化などによって、EX30クロスカントリーの電費は161Wh/kmと、EX30に比べるとわずかに電力消費量が大きい。この差に伴って一充電あたりの航続距離も、標準モデルよりわずかに短くなっている。

違い⑤走行特性:タフな走破性を誇るが、乗り味はマイルドで快適

走行面における最大の違いは、高められた最低地上高と専用サスペンションチューニング。結果、走破性と乗り味が異なる

標準のEX30よりもロードクリアランスが確保されたことで、未舗装路や深雪路面、段差のあるアプローチでの下回り接触リスクは大幅に低減。ツインモーターAWDの緻密な駆動力制御と相まって、悪路での走破性と安心感は確実に引き上げられている

EX30クロスカントリー 走行イメージ▲モーターの最高出力はフロントが156psでリアが272ps。0-100km/h加速のタイムは、クロスオーバーSUVというよりはスーパースポーツに近い3.7秒

しかし、専用サスペンションを採用していることで、EX30クロスカントリーの乗り味は、比較的タイトな乗り心地といえるEX30よりもマイルドでやさしいニュアンスに仕上げられている

それでいてコーナリング時などに不安を覚えることはないという、なんとも絶妙な仕上がりだ。

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ボルボ EX30クロスカントリー(初代)

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ボルボ EX30(初代)
 

EX30クロスカントリーがオススメな人

単なる街乗りEVにとどまらない個性を備えているEX30クロスカントリーは、特に次のようなライフスタイルや好みを持つ人にオススメといえる。

  • キャンプやスキー、マリンスポーツなどを趣味とする人
  • 未舗装路や雪道を走る機会が多く、高めの最低地上高と走破性が必要な人
  • クリーンなEVとはひと味違う、やや無骨でタフなスタイルを好む人
  • コンパクトなサイズ感と、圧倒的な加速性能を両立させたい人
  • 最上級グレードならではの充実した装備と所有感を重視したい人

扱いやすいサイズ感とスタイリッシュさに加え、「力強い走り」と「タフなイメージ」「悪路も苦にしないこと」を車に望む人にとって、EX30クロスカントリーは間違いなく「買い」の1台といえるだろう。

EX30クロスカントリー▲「都市部で扱いやすいサイズのEVが欲しいが、たまに走る悪路や雪道でも不安を感じない1台を選びたい」という人にばっちりハマるのが、EX30クロスカントリーだ
 

EX30クロスカントリーの購入費用を抑える方法

EX30クロスカントリーをより手頃な予算で手に入れたいなら、新車だけではなく中古車もチェックしてみることが、きわめて有効な策となる。

現状、中古車の流通台数は約20台にとどまっているが、2027年モデルの新車本体価格が649万円であることを考えると、走行距離1万km以下の低走行物件を総額520万~590万円程度で狙えるというのは大きな魅力。

購入費用を抑えたうえで「最上級の電動クロスオーバー」を手に入れたいという人にとって、中古車は合理的な選択肢となるだろう。

中古車を選ぶ際のポイント

EX30クロスカントリーの中古車は、原稿執筆時点では2026年モデルまでの「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」のみなので「グレード選び」で迷う心配はない。その分、次のポイントに着目して車両を比較・厳選してみるのがオススメとなる。

①登録年月(車検残)

ほぼすべての中古車が超低走行物件であるため、コンディションの確認に神経質になりすぎる必要はないが、初度登録された年月に応じて初回車検のタイミングは異なる。物件を比較検討する際は「初回車検の年月」も、いちおう忘れずにチェックしたい。

②アクセサリー

EX30クロスカントリーにはメーカーオプションという概念がなく、装備的には、すべての個体が最初から“全部盛り”となっている。

しかし、純正アクセサリーとして用意されているルーフバスケット(9万9000円)やロードキャリア(4万7300円)、ボルボ・ドライブレコーダー・360(9万200円)などの高額で有益なアクセサリーが装着されている中古車には、なかなかのお得感がある。

純正ロードキャリアとルーフバスケット▲こちらが、後付けするとなると部品代だけで14万6300円はかかる純正ロードキャリア(台座の部分)と純正ルーフバスケット

魅力あふれるEX30クロスカントリーをぜひ検討してはどうだろう。

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ボルボ EX30クロスカントリー(初代)
文/伊達軍曹 写真/ボルボ
※記事内の情報は2026年7月31日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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