若き経営者の愛車 メルセデス・ベンツ Gクラスは、移動時間の質を上げてくれる最高の相棒
2020/01/08

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
働き詰めの毎日を経て……
まだ高校生だった17歳の頃。話せば長いことながら、祖父の葬儀をひとつのきっかけに起業を決意。
大学卒業前の就職活動では「僕、3年で御社を辞めて独立しますが、それでも良ければぜひ僕を採用してください」と伝えた上で、デジタルマーケティングの大手企業に入社させていただくことに。
だが実際には、予定より早い「2年」で同社を円満卒業し、起業。 起業後、紆余曲折はあったものの結論として業績は順調に推移。
マニアではないが、車を運転すること自体は昔から大好き。だが起業直後は車を買うどころの騒ぎではなく、土日も深夜も働きづめだった。
そして正直、当初は会社のための借金もデカかった。
しかし、近年はやっと様々な意味での余裕も生まれ、2年前の2017年12月、ついにメルセデス・ベンツ G350dを新車で購入。
だが、相変わらず仕事は鬼のように忙しかったため、平日は駐車場にほぼ止めっぱなしで、各種の移動にはもっぱらタクシーを利用。
妻・優里さんとこの車に乗るのはおおむね週末のみ……というのが、2017年式メルセデス・ベンツ G350dのオーナーで、株式会社BLAM代表取締役である杉生 遊さんのざっくりとした「半生」だ。

もちろん、人様の半生をたったこれだけの文字数で正確に語れるはずはなく、語れると考えるなら、それは「失礼」「奢り」というものだろう。
それゆえ、伝えたいのは杉生さんの半生ではなく以下のことだ。
「社長はなぜ高級車を買うのか」。言い方を変えるなら「なぜ、大して乗りもしないモノにわざわざ大金を投じるのか?」という疑問に対する、ひとつの回答である。
「……いろいろとたまるんですよ。会社を経営してると、楽しいことも辛いことも多く発生するので」
自分ひとりと、ごく親しい仲間だけで死にものぐるいで働いていた創業期も、もちろんいろいろ大変ではあった。
だが、業績規模も人数規模も当時の10倍以上になった今は「自分が頑張ればなんとかなる」というのとは異なる次元の難しいことがあり、杉生さんいわく「今の方がむしろ大変」なのだという。
「で……タクシーで移動しても自分の車で移動しても“移動は移動”で変わらないのですが、その質がまったく違うんですよね」
どういうことか?
「正直、私だっていろいろと弱音を吐きたいときはあります。でも会社のメンバーの前でそれを言うわけにはいかないし、タクシーの車内で運転手さん相手に言うこともできない。ブツブツ独り言を言えばいいのかもしれませんが、それも運転手さんには多大なる迷惑ですよね(笑)。でも、密室である車を自分自身の手で運転している最中であれば……他の人には決して聞かせられない弱音とかも、いくらでもブツブツ言うことができるんです」

仕事とプライベート両面で大切なツール
そういった「ストレス解消装置」みたいな存在としてのG350dは、杉生さんの人生とビジネスに多少なりとも役立っているわけですね? という筆者の質問に対し、杉生さんの返答は思いのほか速く、強かった。
「(筆者の質問をさえぎるぐらいのタイミングで)役立ってます。多少なんてもんじゃないですね。車を買って、それも自分が大好きだった車を買って……本当に良かったと思ってますよ」
先日も「これから家に帰る」と妻の優里さんに連絡を入れた後、タクシーで家まで直行せず、会社近隣の駐車場からG350dを引っ張り出して30分ほど、あちこちをドライブしたうえで帰宅した。
「優里は『なんか30分ぐらい微妙なタイムラグがあったな?』と不審に思ってたと思うのですが、その日はたまっちゃってたんですよね、いろいろと……。
でも30分だけですが、この車で放浪したことでずいぶんスッキリしましたし、翌日また戦えるメンタルに戻れたと思っています」
そして、今話題に出た妻の優里さんも「この車に2人で乗っている時間」をとても大切なものだと感じている。

「彼はものすごく忙しい人なので、わたしたちって平日はほとんど顔を合わせてないんですよ、実は。彼の帰宅は毎日、私が寝た後ですし、朝は、彼がまだ起きる前に私が仕事に出かけちゃいますし」
それゆえ、週末にアウトレットなどに向かって走るメルセデス・ベンツ G350dの車内こそが、杉生さん夫婦にとっての「会話の場」になる。
「でもまあ会話というよりは私が一方的にず~っとしゃべってるんですけどね(笑)。何曜日はこんなことがあったよとか、昨日見たテレビはこうだった、とか。それを、彼は聞いてるんだか聞いてないんだかは知りませんが……」
すぐさま「や、ちゃんと聞いてるよ! 聞いてないように見えて!」と言う杉生 遊さんの反論が正しいのかどうか、筆者にはわからない。
「まあたぶんこの人はちゃんと聞いてるんだろうな」とは思うが、問題はそこではない。
このご夫婦と、杉生 遊という若き経営者に「メルセデス・ベンツ G350d」という車があって良かったなということ。
そして、様々な好き嫌いや評価はいったんさておき、超絶な激務とプレッシャーにさらされている日本国首相の移動に政府専用機が必要なように、「社長」にはやっぱり「いい車」が必要なんだな……ということを筆者は今、初めて心の底から理解できたつもりでいる。


杉生遊さんのマイカーレビュー
メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)
●購入金額/約1300万円
●購入する際に比較した車/ディフェンダー、ラングラー
●マイカーの好きなところ/角ばっていて大きい無骨さ
●マイカーの愛すべきダメなところ/デカすぎ、重すぎで都心部だと入る駐車場が少ないため、駐車場が見つかりにくいところ(笑)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/ゴルフをする方ならゴルフバックは7~8つ積めます(笑)

インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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