「自動車エイジングの神」に君臨する、バッドボーイズ佐田正樹さんの流儀
カテゴリー: カーライフ
タグ: トヨタ / ミニバン / ワンボックスカー / 大型乗用車 / 1BOX / 目立つ / かっこいい / カジュアル / エモい / カスタム / ハイエース / 櫻井香
2021/05/12
▲ハイエースを自己流にカスタマイズした「佐田工務店 初号機」。現在までに数台のカスタマイズを手掛けた中で、「これが最高傑作。初めてで気持ちが入っていたから、夜中も雪の日もどっぷり作業していましたし」と、佐田さん(写真左)。取材現場には仲間の杉本顕二さん(同・右)も駆けつけた車を自由に使いこなす達人たち。彼らのこだわりを参考に、自分らしく車を楽しむヒントを見つけよう。
今回は、普通の車をあえて古く見せるエイジングのテクニックで愛車をカスタマイズした、お笑いコンビ「バッドボーイズ」の佐田正樹さんが登場。DIYの極意を聞いた。

バッドボーイズ
佐田正樹
1978年生まれ。福岡県出身。97年に相方の清人さんとお笑いコンビ「バッドボーイズ」を結成。登録者数56万人を誇るYouTubeチャンネル「SATAbuilder's」では、DIYの模様のみならず、愛する車やバイクに至るまで、遊びに本気で取り組む動画を絶賛配信中。

バットボーイズ 佐田さんの愛車
トヨタ ハイエース
日本のみならず海外でも人気の高いワンボックス型商用車。キャンピングカーやトランスポーターにカスタマイズする例も多い。佐田さんは以前からDIYなどの作業車としてハイエースを所有したかったそう。「佐田工務店 初号機」は現行型の2006年式がベース。
確かな技術と無二の個性で大人気のDIYチーム
あえて使いこんだような風合いを出すエイジング加工。私たちの身の回りで最も有名なのは、ジーンズだろう。
何年も履きこまないと出せない色落ちやしわを新品の状態で表現する技術において、日本のデニムメーカーは世界的に評価されている。よくいわれる「日本人は器用だから……」という理由なのかどうかはともかく、今、日本ではエイジング加工を車に施す人も増えている。
現在、そのクオリティの高さと個性で大人気なのが、お笑いコンビ「バッドボーイズ」の佐田正樹さん率いるDIYチームの「佐田工務店」だ。
「僕は塗装業を営んでいた家で育ち、メンバーはDIYの達人と溶接などに長けた家具作りのプロ。みんな車のカスタマイズにかけては素人だけど、モノ作りへのこだわりは誰にも負けません!」
▲車に限らず金属製のものが野ざらしで放置された場合、上から徐々にさびていく、という流れに沿ってエイジング。細部の処理も見事だ「ゾンビをひく車」をイメージして製作
▲水を弾き風合いも出るブライワックスを塗った古材で、内装を制作。同じ材料がもう手に入らないという点も、この車を最高傑作たらしめている。エアコンの吹き出し口など細部の仕上げも美しい。「佐田工務店」メンバー杉本さんの技が光る
▲側面にショーケースを設置。アメリカのビンテージ工具を陳列している。現在は稼働していないが、LEDを点灯させると外側から展示物がよく見える仕掛けYouTubeでDIYの動画を配信していた3年半前、カーショップからカスタマイズの打診があり、トヨタ ハイエースの中古車を提供された佐田さんと仲間たちは、わずか10日間で完成にこぎつける。それが写真の「佐田工務店 初号機」だ。
「初めは内装だけという話だったんですけど、どうせなら外装も含めてぜんぶ“佐田仕様”にしたいということで、今日一緒に来てくれた杉本君を含めた4人のメンバーで徹底的にやりました」
ボディカラーはグレーがかった水色だったそう。そこにさび加工を出す酸化剤を塗った結果、味のある緑系の風合いに仕上がった。
「人気ドラマ『ウォーキング・デッド』でゾンビをひく車をイメージして製作しました。フロントに初めから付いていたカブトムシの角みたいなバンパーは外したけど、キャリアやテールランプカバーは生かしています」
▲ハンマーでたたいて作ったボンネットのへこみもリアル。車体はもともと水色っぽいグレーだったのが、ペンキを塗ったりエイジング処理をしていくうちに、緑色系に
▲リベットはゴム状のパーツを貼って塗装。ドアのへりを波立たせ、塗装の剥がれも表現。佐田さんのディテールへのこだわりが、リアル感を生むのだゾンビではなくファンに追いかけられるはめに……
“やりすぎない”のが佐田さんの流儀だ。
「このハイエースは15年落ち。それだけ乗ってもここまでボロくはならないだろ、という古びた感じをリアルに見せるには、さびなどの経年変化を熟知していないとだめだし、リベットやステッカーを増やすとかえって嘘くさくなる。センスが問われますね」
佐田さんはそれを“引き算の美学”だと語る。本気の遊びから生まれたフィクションは、佐田自身の知名度の高さもあり、様々なシーンで反響を呼んでいる。
「これに乗っていると、よく追いかけられるんですよ。ヤンチャ系の兄さんたちに。杉本君が運転しているのに『佐田や!』って間違えられたり……。とにかく目立つ車なんで、つい最近、工務店の作業用に軽トラを買いました。単車や機材が積めて、便利なんです」
DIYのアイデアは常にあるという佐田さん。次はどんな世界を見せてくれるのだろう。
▲運転席と荷室を区分するドアの鉄格子を通して後ろを振り返る佐田さん。左側に映り込んだフィギュアは、佐田さんが2015年にプロデュースした「とろみ君」。ソフビ人形にハマっていた当時、フィギュアの製作・販売を行う海洋堂に自ら企画を持ち込んだ。現在ではかなりのプレミアがついているとか! 車に限らず、「子供の頃から人がうらやむことをやりたかった」という
フリーエディター
櫻井 香
男性総合誌の編集者を経て、フリーランスに。雑誌メディアを中心に、カルチャー、アウトドア、ファッションなど、様々な企画を編集・執筆。これらのジャンルとクロスオーバーする形で車の楽しみ方を俯瞰し、非マニア層にもわかりやすい企画を得意とする。
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