「中古車は色にこだわるな!」はもう古い!? 検討初期からボディカラーを想定する人が増加中
2020/07/20
▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム中古車選びの難易度と色重視の関係性に注目
中古車を買う理由は人それぞれ。だが、それらを煎じ詰めると、おおむね「予算内でお得&納得の1台を選ぶ」という目的に行き着くのではないだろうか。
この目的、文字にすると一見簡単そうだが、遅滞なく完遂するにはある程度の知識と経験が必要だ。
なぜなら目的達成までの道程では、身代わりになった友との約束を守るため走り続けたメロスがそうであったように、不安や迷い、欲望、誘惑が次々と浮かんでくるからだ。
そのため本誌では、主に中古車ビギナー向けて、失敗しない中古車選びのセオリーを頻繁に紹介していた。「中古車選びではボディカラーにこだわるべからず」も、そのひとつ。
実物件という限られた選択肢から選ばなければならない中古車の場合、希望をすべてクリアする1台を見つけることは非常に難しい。
従って、予算内でお得&納得の1台を選ぶためには、希望・条件のトリアージ(優先順位づけ)を迫られる。
その際、機械としての車の状態をまずは優先し、ボディカラーはいわば勝利を速やかに導くための捨て駒と考え妥協しよう、というのが前述のセオリーの核心部分だ。
だが、このセオリーもそろそろ賞味期限が切れてきたようだ。というのも、中古車選びにおけるボディカラーの重要性が年々増してきているからだ。

グラフ①は、中古車選びのどのフェイズでボディカラーを意識したかを問うたものだ。ご覧のとおり、まだ抽象的な検討の初期段階や具体的な検討段階で意識した人が年々増えている。
つまり、ボディカラーを想起するタイミングが早まる傾向にあるということだ。もうひとつ興味深いのは、ボディカラーに無関心な人が減少傾向にある点だ。
ボディカラー含む中古車の見た目や外装を重要、または妥協したかを問うたグラフ②でも、その傾向が明確に表れている。
なぜボディカラーの重要度がアップしたのか。いくつか仮説は立てられる。
例えば、昔に比べて機械としての中古車の状態が向上したり、状態を判断できる情報が増えたりして、相対的にボディカラー以外の要素のハードルが下がったという説。または、状態よりも色を優先したくなるほど魅力的なボディカラーが増えたという説等々。
いずれにせよ、ボディカラー重視の傾向は、安心して楽しみながら中古車を選べる環境と何らかの相関関係がありそうだ。
そう考えると、我々は今、古めかしいセオリーを知らないビギナーでも、妥協せず楽しみながら予算内でお得&納得の1台を選べる世界に向かって、進んでいるのかもしれない。
予算150万円で狙う! ボディカラー重視でチョイスしたいモデル3選
1:スズキ ハスラー(初代)
▲トールワゴンにクロカンテイストをクロスオーバーし、大ヒットした初代ハスラー。ルーフとボディの色を分けた2トーンの色づかいは、ハスラーの個性を一層引き立てている2:スバル インプレッサXV(2代目)
▲ミリタリー系のカーキとストリートカジュアルSUVの雰囲気が絶妙にマッチ。中古車流通量が少ないレア物件ゆえ、ボディカラーの優先度をアップしないと出会えない可能性大3:日産 ノート(現行型)
▲走行性能を高めたノートのスポーツグレードとなるNISMOとNISMO S。サイドミラーやエアロパーツなどに効果的に配されたアクセントカラーが、特別感を醸し出している【関連リンク】
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