ボディタイプの覇権争いから後退気味のセダンは、さらなる高級化・高付加価値化へ向かう!?
2021/03/11
▲自動車・カーライフに関する調査研究機関「リクルート自動車総研」の膨大な統計データを基に、ユーザーの購買行動や世の傾向を勝手に予想したり解説したりするコラム中古車市場でもセダン後退、SUV躍進の傾向あり
昨年11月、トヨタの主力セダンであるクラウンがSUV化される、という衝撃的なニュースが世を駆け巡った。
実際のところ、次期型が本当にSUV化されるのかは不明だ。しかし、昨今のセダンを取り巻く状況は活況を呈しているとは言いがたく、仮にそうなったとしても不思議ではないと思えるほどだ。
ちなみに、2020年にフルモデルチェンジしたモデルを含む新型車は、セダンでは5モデルだが、SUVは24モデルだった(輸入車含む)。
一方、セダンではレクサス GSやスバル レガシィB4など、生産終了となったモデルも多かった。かつて“当たり前”だった頃のセダンの現状は、まさに栄枯盛衰という言葉がピッタリだ。

中古車市場でも、状況は似たようなものだ。グラフ①にあるとおり、セダンよりクロカン/SUVの流通量が多くなっている。
車の基本形であり、ボディタイプの王道であったセダンは、盛者必衰の理をあらわすごとく、このまま徐々に表舞台から消えて行ってしまうのだろうか。
そんなセダンの行く末を占ううえで、参考になる例を見つけた。カメラだ。
かつてカメラは、レンズとボディからなるフルサイズの一眼タイプが主流であり、王道の形だった。
しかし、携帯電話(いわゆるガラケー)の登場で、誰でも気軽に写真が撮れるようになり、スマートフォンへ移行してからは、クオリティも年々アップしている。
ところがどっこい、家電量販店のカメラコーナーでは、お値段もなかなか高級なミラーレスタイプが一際目立つポジションを陣取っているのだ。
どうやら、スマホ隆盛の猛烈な逆風に立ち向かう作戦として、一眼カメラは王道の形や質感を継承しつつ、高級化と高付加価値化に舵を切って、先鋭化されたニーズにとことん向き合うニッチで強固なマーケットに活路を見いだそうとしているのだろう。
クラウンがSUVになるかは別として、このまま行くと、新車で買える国産セダンは漸減していくだろう。その先には、カメラ同様にセダンも腰が抜けるほど高額なモデルやSF映画ばりに大胆な先端技術を採用したモデルに絞られていく可能性はある。
そうなれば中古車の出番だ。グラフ②にあるとおり、今でもセダンニーズは少なくない。
下に挙げたモデルも、新車時価格は安くはなかったが、今ではご覧のとおり。国産セダンが高級化、高付加価値化へ向かえば向かうほど、新車に比べてどれだけお得に買えるかという中古車ならではの醍醐味も一層広がっていくのは間違いない。
予算100万円で狙う“今”が絶好の買い時の国産セダン3選
1:トヨタ クラウンアスリート(3代目)
▲ゼロクラウンの号令のもと大革新を遂げた2代目の後継として2008年2月~2012年11月に生産されたモデル。今見ると若返りを模索している痕跡が随所に見られ味わい深い2:日産 フーガ(現行型)
▲2009年11月の登場以来、現役の座をキープし続けているロングセラーモデル。予算100万円圏内の物件は多走行車がメインだが、走行距離8万㎞程度の物件も見つかるのが◎3:レクサス LS(初代)
▲レクサスのフラッグシップセダンとして2006年9月に登場した初代LS。デビュー当初に世間をアッと言わせた、国産高級セダンの枠を超えるラグジュアリー感が大きな魅力【関連リンク】
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