車椅子や杖を使う家族が乗り降りしやすいのは当然のこととして、普段のお買い物や通勤にも使える福祉車両を検討している人は多いはず。しかしミニバンは大きすぎるし、軽自動車では広さが心許ない…、今回は、そんな方にピッタリの車をご紹介します。その車とは、全長4mを切るコンパクトカー、トヨタ ポルテ/スペイドの助手席リフトアップシート車&サイドアクセス車です。扱いやすいサイズながら「プチミニバン」という異名を持つほど車内空間が広々としています。

ベースとなるポルテ/スペイド(2012年7月~)は、助手席側に開口幅1020mm×開口高1250mmという大きなスライドドアを備え、フロア高が300mmと低いこともあって、大人から子供まで乗り降りが楽なコンパクトカーです。ちなみに最近、新型が登場した同社のミニバン、ヴォクシー/ノアの開口幅は805mm、フロア高は360mmですから、ポルテ/スペイドのほうがスライドドアの開口幅が広く、フロア高も低いのです。当然、乗り降りのしやすさは言わずもがな。

この広い助手席側のスライドドアを活かして回転&昇降する助手席シートを備えたのが助手席リフトアップシート車です。また回転&昇降するシートを車から外して、そのまま車椅子としても利用できるのがサイドアクセス車となります。

助手席リフトアップシート車の乗車定員は5名ですが、サイドアクセス車は3名となります。これはシートに車輪がつくため、助手席の後ろに人が座れなくなるため。また、サイドアクセス車の助手席シートは、通常の車椅子に近い専用車椅子も用意されています。どのタイプを選ぶかは車外でどれだけ動きたいかなど、家族構成や使用用途に合わせて選ぶようにしましょう。

助手席側のスライドドアはリモコンキーや運転席からスイッチひとつで開閉できますし、ティッシュボックスごとしまえる助手席アッパーボックスなどの収納も豊富。車椅子や杖を使う人とのお出かけから、日常の買い物や通勤などに使いやすい1台です。コンパクトで取り回しもしやすい車なので、普段使う方が女性の場合にもおすすめです。

乗車定員/5名(助手席リフトアップシート車)、3名(サイドアクセス車)
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/425mm(助手席リフトアップシート車の2WD)、465mm(サイドアクセス車)
回転時足元スペース/335mm(助手席リフトアップシート車)、315mm(サイドアクセス車)
車内でのシートスライド量/125mm(助手席リフトアップシート車)、100mm(サイドアクセス車)

ポルテの助手席リフトアップシート車。旧型は運転席側がヒンジドア1つだったが、現行型は後席にもヒンジドアが付いたので、助手席を回転&昇降させている最中でも運転席側から後席へアクセスしやすくなった

ポルテの助手席リフトアップシート車。旧型は運転席側がヒンジドア1つだったが、現行型は後席にもヒンジドアが付いたので、助手席を回転&昇降させている最中でも運転席側から後席へアクセスしやすくなった

ポルテ/スペイドは助手席リフトアップシートとサイドアクセス車、1.3L車と1.5L車、2WDと4WDなどバリエーションが豊富。目的をよく検討し選ぶようにしたい。写真はスペイド

ポルテ/スペイドは助手席リフトアップシートとサイドアクセス車、1.3L車と1.5L車、2WDと4WDなどバリエーションが豊富。目的をよく検討し選ぶようにしたい。写真はスペイド