【福祉車両ニューモデルガイド】三菱 デリカD:5 サイドムービングシート車

ファミリーカーの代名詞といえば室内の広い「ミニバン」ですが、その室内空間を生かした福祉車両もたくさんあります。今回ご紹介するのは三菱 デリカD:5 サイドムービングシート車。この車は、2列目の助手席側シートが回転＆昇降して、杖や車椅子を使う人が乗り降りしやすい機能を備えています。

ベースとなるデリカD:5（2007年1月～）は、ミニバンながらSUV顔負けの走破性を持つ、ミニバン＋SUVという趣の車です。高いボディ剛性は快適な乗り心地にも寄与しています。デビュー当初は2.4Lガソリンエンジン＋CVTという組み合わせでしたが、2010年1月にはFF車のエンジンを2Lとし、2011年12月には2Lエンジンにアイドリングストップ機構が備わりました。さらに2013年1月にはクリーンディーゼル搭載車も登場しました。

サイドムービングシート車は、ディーゼルエンジンを搭載した4WD車（Dパワーパッケージ）と、2Lガソリンエンジンの2WD車（GパワーパッケージとM）、2.4Lガソリンエンジンの4WD車（GパワーパッケージとM）に用意されています。原稿執筆時点では、クリーンディーゼルエンジン搭載の福祉車両は、このデリカD:5が唯一となります。

回転＆昇降するのが2列目シートで、シートはセパレートタイプとなり、乗車定員は7名。折り畳んだ車椅子はラゲージに収納することができます。また、スライドドアのため、あまりスペースのない場所でも乗降しやすいのも大きなメリットです。

基本的には普通のシートと同じですから、使い勝手もベース車とほとんど変わりません。むしろ、SUVとしての走破性もあるデリカD:5ですから、積極的に色々な場所へ出掛けたいアクティブ派にピッタリ！　車椅子や杖を使う人の通院の時だけでなく、旅行などの長距離ドライブもこなせますし、家族や友人とのお出かけにも使える万能な1台です。

乗車定員／7名
リフト能力／100kg（シートを除く）
シート下降時最低着座面高さ／460mm（2WD）、480mm（4WD）
シートの車外飛び出し量／960mm
回転時足元スペース／305mm
車内でのシートスライド量／90mm