三菱 eKワゴン ▲使い勝手に優れるトールワゴンタイプの3代目eKワゴンは日産と共同開発で生まれた

日産との共同開発で生まれたベーシック軽

2001年に三菱の新たな軽トールワゴンとして登場したeKワゴン。名前の由来は「いい軽」の語呂合わせと「excellent K-car」の頭文字から採られたもので、その名のとおりいい軽自動車を作ろうとして誕生したモデルでした。
 

三菱 eKワゴン ▲コンパクトなボディと広い視界で日常使いの軽自動車としてはピッタリの1台

初代、2代目までは三菱のオリジナル車両でしたが(日産へオッティとしてOEM供給は実施していた)、3代目モデルからは日産自動車と立ち上げた合弁会社NMKVで共同開発されており、日産からは「デイズ」として販売されています。

そんな3代目のeKワゴンの平均価格が、ついに60万円を切るところまで下がってきました。そこで今回は、3代目eKワゴンを狙うならどんな仕様がいいのかを考えてみたいと思います。
 

eKワゴンの掲載台数と平均価格の推移は?

3代目登場からおよそ8年が経過したeKワゴン。掲載台数は徐々に減少中しており、現在が最も少ない状態となっています。とはいえ、現在でも1500台弱が掲載されており、まだまだ選びやすい状態。しかし、このまま減少していく可能性もあるため、欲しい人は早めの行動を取るべきでしょう。
 

三菱 eKワゴン

一方の価格も大きな下落はないものの、緩やかに下降気味。2021年8月時点での平均価格は62.0万円と、検討しやすい価格と言えるでしょう。
 

三菱 eKワゴン

なお、兄弟車関係にある日産 デイズの平均価格は2021年8月時点で69.1万円となっており、およそ10万円弱eKワゴンの方が安くなっているため、デイズを狙っている場合は並行してチェックすると、思わぬ掘り出し物に出会えるかもしれません。
 

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三菱 ekワゴン(3代目) × 全国

3代目eKワゴンってどんな車?

前述したように、日産と三菱が共同開発した3代目eKワゴンは2013年6月に登場。エンジンは三菱製の3B20型直列3気筒660ccエンジンを搭載し、ミッションは全車CVTを採用。先代モデルに存在していた5速MTは廃止されています。
 

三菱 eKワゴン ▲実用的なベーシック軽ではあるものの、一部のグレードでは明るい内装も設定されていた

派生車種としては、メッキグリルなどを備えてスポーティな装いとした「eKカスタム」や、ekワゴンをベースにスーパーハイト軽ワゴン化した「eKスペース」が存在していますが、今回は除外します。

当初は49psを発生する自然吸気エンジンのみのラインナップとなっていましたが、2015年10月には64psを発生するターボエンジン搭載車もラインナップに追加されています。

先進安全装備は当初設定されていませんでしたが、2014年12月の改良時に低車速域衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制機能、アクティブスタビリティコントロールをプラスした「e-Assist」装着車を設定しています。

2018年5月には先進安全装備が強化され、レーザーレーダー式からフロントカメラ式となったことで衝突被害軽減ブレーキの作動車速域の拡大や、歩行者検知機能が追加。また、誤発進抑制機能は後退時にも作動するようになり、出力制御だけでなくブレーキ作動もプラスされるなど、ワンランク上の安心感を手に入れることができます。
 

三菱 eKワゴン ▲2018年5月にはフロントカメラ式に改められた先進安全装備

では、次から実際にeKワゴンを狙うならどんな仕様がいいのか? 説明をさせていただきます。
 

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三菱 ekワゴン(3代目) × 全国

日常使いできるものを安く購入したい
車両本体価格40万円以下 × 修復歴なし

近場の移動のアシとして軽自動車を検討している人にとっては、手ごろな価格であることも重要な要素のひとつ。そこで、車両本体価格40万円以下かつ修復歴なしの条件で検索してみると、140台ほどがヒット。

走行距離が5万km未満かつ上級グレードの「G」グレードという物件もチラホラ存在し、非常にお買い得な条件となっています。
 

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三菱 ekワゴン(3代目) × 車両本体価格40万円以下 × 修復歴なし × 全国

比較的新しいものに乗って安全性を重視したい
衝突被害軽減ブレーキ付き × 2019年式以降

2018年5月の改良で、先進安全装備が大幅にアップデートされたeKワゴン。どうせ3代目モデルを狙うのであれば、その最終型を狙うというのもひとつの選択肢です。

なお、この最後の改良で強化された衝突被害軽減ブレーキは全車標準装備となりましたが、実はMグレードとEグレードではレスオプション(非装着)も設定されていたため、購入時にはチェックが必要です。
 

三菱 eKワゴン ▲活躍するシーンに遭遇しないに越したことはないが、いざというときを考えれば先進安全装備装着車を選びたい

この条件だとほぼ最終型となってしまうため、お値段はそれなりにしてしまいますが、安いものでは車両本体価格50万円台から見つけることができ、80万~90万円がボリュームゾーンとなっているため、意外にも買いやすい価格帯と言えるのではないでしょうか。

最近のモデルは先進安全装備を筆頭に、標準装備されるものが増えた結果、スタート価格が高くなってしまいがちですが、1世代前のモデルをターゲットにすると最終型でも100万円の予算で充実した装備の物件を狙うことも夢ではありません。

さらに、今回のように兄弟車関係にあるモデルがある場合は、そちら側もチェックすることで、よりお買い得な1台を見つけることができるかもしれませんよ。
 

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三菱 ekワゴン(2019年~)× 衝突被害軽減ブレーキ付き × 全国

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三菱 ekワゴン(3代目) × 全国

※記事内の情報は2021年9月29日時点のものです。
 

文/小鮒康一 写真/三菱
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。