ジャガー XE(現行型)の中古車平均価格、1年で40万円ダウンし過去最安値に! だけど、これって本当に買っても大丈夫なの?
2022/08/07
▲メルセデス・ベンツ Cクラスなどと同じ「プレミアムDセグメント」に属するジャガーのスポーツサルーン「ジャガー XE」の平均価格がけっこうな勢いで下がっています。かなりお買い得に感じるわけですが、安値には何らかの“ワケ”があるのでしょうか? また、もしも買うならば“どれ”を選ぶべきなのか? いろいろと検討してみましょう!この1年弱で40万円以上の値落ちを記録
ジャガーが2014年から販売しているプレミアムDセグメント(メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズぐらいの車格)のFRスポーツサルーン、「ジャガー XE」の中古車相場が大幅に下落しています。
まずは下のグラフをご覧ください。

昨年10月までは約370万円をキープしていたジャガー XEの平均価格ですが、その後は鋭角なダウントレンドに入り、あれよあれよという間に326.2万円に。つまり、この1年弱で40万円以上下がってしまったわけです。
そのような「お手頃プライス」になったジャガー XEは、果たして狙い目のスポーツサルーンなのか、それとも「やめといた方がいい」とニュアンスの車なのか? そしてもしも買うとしたら、具体的には「何年式のどれ」を選ぶべきなのか?
次章以降、もろもろ検討してみることにいたしましょう。
▲このクーペライクなフォルムがなんとも美しい、ジャガーXE▼検索条件
ジャガー XE(現行型) × 全国モデル概要
ガソリンとディーゼルのターボエンジンをラインナップ
まずはジャガー XEという車に関するおさらいから。
ジャガー XEは、メルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズなどの超強豪がひしめくプレミアムDセグメントというマーケットに、英国のジャガーが「Xタイプ」生産終了以来、5年ぶりに投入したFRレイアウトのスポーツサルーン。
「長いホイールベースと低いシートポジションによって、完璧なプロポーションとクーペのような流線型のシルエットを実現した」とジャガーが言うボディのサイズは、全長4680mm×全幅1850mm×全高1415mmで、ホイールベースは2835mm。数値は少しだけ異なりますが、現行型BMW 3シリーズとおおむね同じサイズ感です。モノコックボディ全体の75%以上がアルミ材で構成されています。
▲現行型BMW 3シリーズと比べると、おおむね同じではあるが「全長がちょっとだけ短く、全幅がちょっとだけ広い」というサイズ感になる
▲ジャガーがDセグメント市場に新型車を投入したのは、2001年にデビューした「Xタイプ」以来のことだった
▲グレードや年式によって細かな違いはあるが、ジャガー XEの運転席まわりはおおむねこのようなデザインまずは2014年10月に「ファーストエディション」の予約受注が始まり、翌2015年6月に正式受注が始まった初期モデルのグレード名と、それぞれが搭載したパワーユニットは下記のとおりです。
●XE S|最高出力340psの3L V6スーパーチャージャー付きガソリンエンジン
●XE ポートフォリオ|最高出力240psの2L直4ガソリンターボエンジン
●XE プレステージおよびピュア|最高出力200psの2L直4ガソリンターボエンジン
2014年に先行予約受注が行われた「ファーストエディション」のエンジンは、ポートフォリオ/ピュアと同じ200psの直4ガソリンターボです。
ガソリンエンジンの他、ややデリバリーは遅れましたがディーゼルエンジンも用意されました。
●XE ディーゼル Rスポーツ|最高出力180psの2L直4ディーゼルターボエンジン
●XE ディーゼル プレステージ|同上
●XE ディーゼル ピュア|同上
トランスミッションはいずれのグレードも8速ATです。
2016年7月には新しいエントリーグレード「XE SE」を追加するとともに、10.2インチ静電式タッチスクリーンのインフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」を標準装備。そして2018年10月には、2L直4ガソリンターボの最高出力を300psに引き上げたスポーティグレード「300スポーツ」を追加設定し、スマホと連動するコネクティビティ機能もこのタイミングで全車に標準装備しました。
2019年8月に受注開始となった2020年モデルでは内外装デザインの変更や装備の充実などといったマイナーチェンジが行われ、それまではダイヤル式だったシフトセレクターをレバー式に変更。またレザーシートが全車標準装備に変更されています。
さらに、それまではオプション扱いだったレーンキープアシストやドライバーコンディションモニター、交通標識認識機能)、アダプティブスピードリミッターなどの運転支援システムを全グレードで標準装備化したのもこのタイミングです。
▲こちらが2020年モデルの後期型。前後バンパーのデザインを変更した他、レンズの外側から底部にかけて光源を設けた「Jブレード」デザインのLEDヘッドライトが採用されている
▲前期型のシフトセレクターはダイヤル式だったが、後期型では一般的なレバー式にこのマイナーチェンジではラインナップも大幅に見直されました。
ベーシックな200psの2L直4ガソリンターボエンジンと、380psのスーパーチャージャー付き3L V6ガソリンエンジンが廃止され、180psの2L直4ディーゼルターボと、250psと300psの2L直4ガソリンターボの全3種類にエンジンバリエーションを整理。
同時に、標準モデルに加えてスポーティな仕様の「R-DYNAMIC」シリーズを新設定。 R-DYNAMICは3種類のエンジンすべてで選択可能で、装備に応じて「S」「SE」「HSE」の3つのグレードが用意されました。これにによりジャガーXEのラインナップは「全部で17種類」という、ちょっと大変なことになってしまったのですが。
2021年5月に導入された2021年モデルではディーゼルエンジンが最高出力204psのマイルドハイブリッド機構付きになり、同年11月に発表された2022年モデルでは、上級グレードの装備レベルを向上させて――というのが、駆け足にはなりましたがジャガー XEという車の、日本におけるここまでの大まかなヒストリーです。
値落ちの理由はシンプルに「やや人気薄だから」?
前章のような流れで2014年から日本で販売され続けているジャガー XEの中古車価格が、ここへきて大きく下がったのはなぜでしょうか? 言い方を換えるなら、ジャガー XEは、何かこう「重大な持病」というか欠陥のようなものがあって、それがゆえに中古車の平均価格が下がったのでしょうか?
結論から申し上げますと、ジャガー XEに「重大な持病」のようなものは特にありません。
こまごまとしたマイナートラブルは時おり起こる場合もあるようですし、完全なノー整備で荒っぽく放置されてきた個体は――ジャガー XEに限らず――すぐにぶっ壊れたりもしますが、普通に丁寧な点検と整備を受けてきた個体であれば、割と普通に乗れるのがジャガー XEという車です。つまり「そう大きな心配はいらない」ということです。
そんな車の中古車平均価格がなぜ大きく下がっているかというと……単純な話、「若干の人気薄車だから」という理由に尽きます。
決して不人気車というわけではないジャガー XEですが、同じセグメントにはメルセデス・ベンツ CクラスやBMW 3シリーズといった強烈なライバルというか“セグメントの盟主”が存在しますし、アウディ A4もかなりの売れ筋です。
そういった状況下で、いまひとつ決定的な個性には正直やや欠けるジャガー XEは、相対的な人気薄車だと言えます。そして、「人気薄な商品をさばくには、価格をいくぶん安めに設定する」というのが商売の定石ですので、その結果としてジャガー XEの中古車平均価格はけっこう大きく下がっているのだと考えられます。
いずれにせよ、「マイナートラブルが発生する可能性はあるが、重大なトラブルがつきまとっている車種ではない」ということは確かであるため、ジャガー XEのことを気に入っている人にとっては、この安値傾向は「願ったり叶ったり」ということになるはずです。
ということで次章以降、「では具体的に、何年式のどのグレードを狙うべきか?」という点についての検討を行います。
▲超売れ筋であるBMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスのような派手さはないかもしれないが、いかにも英国ブランド然とした「渋み」が、ジャガー XEという車の持ち味【狙い方1】お安く狙うなら、総額200万円台の200ps2L直4ガソリンターボ搭載初期モデルを!
「なるべく手頃な予算でジャガー XEを手に入れたい」と考える場合は、総額200万~250万円を想定価格レンジとする200psの2L直4ガソリンターボエンジン搭載グレードで決まりでしょう。
▲200psの2Lターボエンジン搭載車各グレードであれば、走行5万km以内の2015~2017年式を、おおむね総額200万円台前半の予算で狙うことができる同じ2L直4ガソリンターボでも240psをマークする「XE ポートフォリオ」はかなり希少なためほぼ流通しておらず、またディーゼルターボエンジン搭載グレードの比較的低走行な物件を探そうとすると、どうしても総額270万円以上になるのが一般的。そしてもちろんマイナーチェンジ後の後期型2Lターボエンジン搭載車は、まだかなり高額です。
それゆえ、ここはもう自動的に「初期の200ps2L直4ガソリンターボ搭載グレード」ということになるのです。
総額200万円台前半で比較的低走行な1台が狙えるのは「ファーストエディション」と「ピュア」「プレステージ」ですが、「せっかくジャガーに乗るなら本革シートを選びたい!」と思うなら、選ぶべきは自動的に「プレステージ」か、プレステージをベースとする最初期のグレードである「ファーストエディション」ということになります。
とはいえこの価格帯で最も流通量が多いのはファブリックシートの「ピュア」であり、このファブリックシートも、運転中に身体がすべりにくいなかなか快適なものです。
そのため、ここは本革グレードの決め撃ちではなく「幅広く全グレードを対象に検討したうえで、コンディションと整備履歴が良い個体に決定する」という流れで臨むことをオススメしたいとは思います。
▼検索条件
ジャガー XE(現行型・2Lガソリンターボ搭載グレード) × 全国【狙い方2】ディーゼル狙いなら、総額300万円前後の「プレステージ」と「Rスポーツ」を!
「もう少し出しても構わないので、できるだけ“いいもの”が欲しい」という場合の狙い目は総額250万~300万円、いや直近の平均価格である「330万円ぐらい」までを上限の目安に、ディーゼルターボエンジン搭載グレードを狙ってみるのがオススメです。
▲低回転域からかなりトルクフルな前期型ディーゼルターボエンジン搭載モデル総額200万円台前半で入手可能な200psの2Lガソリンターボエンジンも決して悪くはないのですが、シビアに見た場合は、2000rpm以下のトルクはやや薄く感じられます。
しかし430N・mという強大なトルクを1750~2500rpmで発生する2Lディーゼルターボエンジン搭載グレードであれば、おおむね2000rpm以下ですべて事足りてしまうというか、とにかく低回転域からかなりの頼もしさを堪能できるのです。
総額250万から330万円付近でイケるディーゼルターボグレードは、本革シートを標準装備する「プレステージ」と「Rスポーツ」のみが流通しており、ファブリックシートの「ピュア」はほぼ皆無。
落ち着いたイメージのプレステージか、それともスポーティな印象のRスポーツにするかは単純に好みの問題であり、同時に「コンディションと価格のバランス次第」でもあるしょう。どちらかお好きな方の、なるべく内外装コンディションと整備履歴に優れる個体を探していただきたいと思います。
▲何年式のどれを買うにせよ、「自宅にジャガーがある」というのは気分的にかなり盛り上がるはず!▼検索条件
ジャガー XE(現行型・ディーゼルモデル) × 全国この他、総額400万円以上を拠出して2019年式以降の個体を狙ってみるのも悪くありませんが、しかし総額200万円から300万円ちょいぐらいの予算でも、十分に“らしさ”が味わえるのがジャガー XEという車です。
ぜひともコスパに優れる「好みの1台」を探し出していただければと思います。
▼検索条件
ジャガー XE(現行型) × 全国
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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