クラウンロイヤル▲今回は12代目クラウン(クラウンアスリート/クラウンロイヤル)にフォーカスします!

新型クラウンが盛り上がる一方、ゼロクラウンの中古車台数は着実に減少中!

2003年12月に登場した通算12代目のクラウン。アスリートとロイヤルの2本柱で販売されるようになってから2世代目になるモデルですが、デビューから約20年が経過し、流通台数が減少してきています。

アスリート/ロイヤルのカーセンサーへの掲載台数を調べてみると、2022年3月には延べ900台近くあったものの台数が減り始め、2023年2月には半分に近いの500台程にまで減少と、かなり少なくなっています。
 

クラウンロイヤル

また、掲載台数が減少傾向に入った2022年5月頃から平均価格は上昇し始めているのです。“ゼロクラウン”の愛称で知られる本モデルは現在でも人気が高いため、このまま減少していくと相場がさらに上昇するようなことがあるかもしれません。

そんな180系クラウンのモデル概要を振り返りつつ、現在の中古車事情を見ていきましょう。
 

クラウンロイヤル ▲12代目クラウンロイヤル(手前)とクラウンアスリート(奥)。つり上がったライトなどにより若々しいイメージになった

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【モデル概要】ユーザーの若返りを目指し“ゼロ”を名乗った新世代クラウン

クラウンロイヤル ▲ボディサイドには“書の勢い”をモチーフにしたキャラクターラインが入る

「かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる。」これは2003年12月に12代目クラウンがデビューしたときのキャッチコピーです。

「いつかはクラウン」という7代目のキャッチコピーが象徴するように、クラウンは多くの人にとって憧れの存在でした。しかし憧れ=ゴールでいつづけるとだんだんユーザーは固定化され、年齢層も高くなってしまうもの。これはブランドの先細りにつながりかねません。

危機感を抱いたトヨタは守りに入らず、リスクを取ってクラウンのイメージを刷新する戦略に出ます。そして登場したのがこの“ゼロクラウン”でした。

「静から躍動への変革」を掲げ、プラットフォーム、エンジン、サスペンションなどの主要コンポーネンツを刷新。デザインも高級さの中にスピード感を感じさせるアグレッシブなイメージを打ち出しました。

それを強く感じさせるのが、クラウンアスリートです。エクステリアではメッシュタイプのフロントグリルでロイヤルと差別化を図り、リアには丸型のコンビネーションランプを配置してスポーティさを強調。

さらに前後のバンパースポイラーやサイドロッカーモール、リアスポイラーなどが付けられ、ひと目で「これまでのクラウンとは違う!」ということを感じさせます。足元には全グレードで専用の18インチアルミホイールが奢られました。

インテリアは黒を基調に構成された、シックなデザインになっていました。
 

クラウンロイヤル
クラウンロイヤル ▲クラウンロイヤルのインテリアは木目を多用し落ち着いたイメージを演出

一方のロイヤルは、上品なイメージの中に躍動感を連想させるスタイルを採用。フロントグリルは横スリットのデザインになり、エアロパーツがない分落ち着いた雰囲気を醸し出していました。足元には16インチのアルミホイールが装着されました。

インテリアは木目調のインパネにより、クラウンらしい風格が与えられています。
 

クラウンロイヤル ▲新開発されたV型6気筒エンジン。2000回転から最大トルクの90%以上を発揮する

180系クラウンのトピックは、エンジンが直列6気筒から新開発のV型6気筒に変更されたこと。排気量は2.5Lと3Lが用意され、2.5Lは最高出力158kW(215ps)、最大トルク260N・m(26.5kg・m)を発揮。3Lは最高出力188kW(256ps)、最大トルク314N・m(32.0kg・m)を発揮します。

トランスミッションは2.5L車が5速AT、3L車は6速になります。2005年10月のマイナーチェンジで3Lが廃止になり、新たに3.5Lエンジンを搭載するグレードが設定されました。

サスペンションも新開発されたフロントダブルウィッシュボーン・リアマルチリンク式が装着され、アスリートには電子制御サスペンションが標準装備されました。
 

 

【18クラウンアスリートの中古車事情】ノーマル、カスタム済みの割合は半々

クラウンアスリート ▲少なくなったとはいえ、まだ比べて選ぶには十分な量が流通している

180系クラウンアスリートの掲載台数は180台。中古車価格帯は30万~150万円で、ボリュームゾーンは30万~60万円台でした。平均価格は55.2万円になります。

カーセンサーに掲載される180台の中古車を筆者の目線で眺めてみると、およそ半数の中古車が車高調を入れたり、いわゆるVIP仕様にカスタムされたりしている感じです。逆に言えば半数はノーマルまたはそれに近い状態。つまりなるべく純正に近いものを探している人も、最初からカスタムされたものを選びたい人も探しやすい状態と言えます。

平均走行距離は約9.5万km。走行10万kmを超えているものも多くなりますが、デビューから約20年経過していることを考えると、これは致し方ないところ。購入時は目先の数字ではなく車の状態を販売店としっかり確認することをオススメします。

中古車の搭載エンジンを見てみると、2.5Lが約105台、3Lが約30台、後期型の3.5Lが約45台流通していました。複数の排気量のエンジンをラインナップしている車種の場合、一般的には税金が高くなることが敬遠されて排気量が大きくなるほど中古車相場が安くなる傾向があります。しかしデビューから時間が経った180系クラウンは排気量による相場の差はほぼなくなっています。
 

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【18クラウンロイヤルの中古車事情】ノーマルが好みならロイヤルが選びやすい

クラウンロイヤル ▲クラウンアスリートよりおおむね10万円ほど中古車相場が安いクラウンロイヤル

クラウンロイヤルの掲載台数は約150台。まだ条件に合う中古車は探しやすい台数が流通しています。中古車価格帯は20万~120万円で、ボリュームゾーンは20万~50万円台でした。平均価格は41.7万円になります。

カーセンサーに掲載される約150台の中古車を筆者の目線で眺めてみると、車高調を入れたり、VIP仕様にカスタムされたりしているものは20台ほど。ノーマルまたはそれに近い状態のものを探している人にとっては、アスリートよりもロイヤルの方が狙い目です。

平均走行距離は約9.2万km。もちろん走行10万kmを超えているものも多くなりますが、こちらも若干ではあるものの、アスリートより走行距離が少ないものを探しやすいと言えそうです。

中古車の搭載エンジンを見てみると、2.5Lが約70台、3Lが約60台流通していました。どちらかが極端に少ないというわけではないので、どのような条件でも中古車探しに苦労することはまだなさそうです。
 

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今後台数がさらに減少していくと、だんだんと条件に合う中古車が探しづらくなってしまうので、この世代のクラウンに憧れている人は早めに購入を検討することをオススメします。

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※記事内の情報は2023年4月18日時点のものです

文/高橋満 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL