スバル レガシィアウトバック▲快適性と走破性を融合させたスバルのフラッグシップSUVがレガシィアウトバック。その旧型が結構安くなってきていること、ご存じでしたか?

新型登場の陰でしっかりと値落ちし始めた旧型レガシィアウトバック

クロスオーバーSUVブームの現在では、各メーカーから様々なクロスオーバーSUVモデルがリリースされています。

しかし、多くのクロスオーバーSUVモデルはハッチバックタイプの車型が基本となっており、よりアクティブにアウトドアレジャーなどを楽しみたいと考えている人にとっては荷室容量がネックになることも少なくありません。

そんなユーザーを中心に安定した人気を誇っているのが、スバル レガシィアウトバックでしょう。

2021年10月にはグランドワゴンから数えて通算6代目のアウトバックが登場しており、スバルのフラッグシップモデルとしても変わらぬ人気を誇っていますが、その裏で旧型レガシィアウトバックの中古車平均価格がおよそ半年で30万円ほど下がり過去最安をマークしているのです。

レガシィアウトバックの平均価格推移グラフ

この記事では、旧型レガシィアウトバックのモデル概要を振り返るとともに、今の狙い目物件を紹介していきます。

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スバル レガシィアウトバック(旧型・3代目)×全国
 

【モデル概要】全天候型のロングツアラーマシン

1995年に登場したレガシィグランドワゴンを祖とするアウトバックは、2代目レガシィツーリングワゴンをベースに悪路走破性を高めた高い車高とベース車よりもややラギッドなエクステリアをプラスしたクロスオーバーモデル。

元々レガシィがもつAWD性能やステーションワゴンならではの広い荷室はそのままに、全天候型のロングツアラーマシンとして高い人気を得たのでした。

そして、2014年10月から販売を開始した旧型・3代目のアウトバックは、6代目レガシィをベースとしたモデルとなっています。

この世代からレガシィツーリングワゴンは消滅し、セダンのB4とアウトバックの2本立てのラインナップとなりました。

スバル レガシィアウトバック▲レガシイツーリングワゴンのポジションも担うことになったアウトバック。走破性の高さだけではなく、乗用車らしい快適な乗り心地もポイントです

基本的なエクステリアデザインはセダンのB4と共通となっていますが、アウトバックにはボディ下部にクラッディングパネルを備え、クロスオーバーSUVらしいタフでワイルドなスタイルとなっていました。

搭載されるエンジンはスバルのアイデンティティのひとつでもある水平対向4気筒の2.5LエンジンであるFB25型を採用。組み合わされるトランスミッションは全車リニアトロニックと呼ばれるCVTで、駆動方式は当然ながらシンメトリカルAWDとなっています。

また、アウトバックには滑りやすい路面などで、エンジンや四輪の駆動力、ブレーキなどを最適に統合制御して、悪路走破性を高めることのできる「X-MODE」を採用し、より走破性を高めているのも特徴のひとつと言えるでしょう。

スバル レガシィアウトバック▲スバルといえばAWDの性能には定評がありますが、このレガシィアウトバックももちろん例外ではありません

そして先進安全装備としては、アイサイトのVer.3を全車で標準搭載。より広角かつ遠方まで捕捉し、カラー認識も実現したことで、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、アクティブレーンキープなどの性能もアップしており、安全性も快適性も高いレベルとなっていました。

グレードについてはデビュー当初は標準モデルの「アウトバック」と上級グレードの「リミテッド」の2種類のみ。標準モデルでも十分な装備を有していましたが、リミテッドには、本革シート(標準モデルでもオプションで選択可能)やパワーバックドア、スタブレックス・ライドと名付けられた専用ダンパーが奢られるといった違いが存在しています。

スバル レガシィアウトバック▲リミテッドは本革シートが標準装備されています

2017年9月には大幅改良を実施し、アイサイトには後退時自動ブレーキシステムを追加。また、クルーズコントロールの速度域も新東名などの120km/h区間に対応したものにするなど、さらなる性能アップを果たしました。

スバル レガシィアウトバック▲後退時自動ブレーキシステムが搭載されたアイサイト。安全性能が飛躍的にアップした

また、翌年9月には撥水機能を有したシート表皮やよりアクティブなエクステリアデザインを採用した「X-BREAK」を特別仕様車として追加。

2019年11月にはX-BREAKをカタログモデルとするとともに、標準モデルの代わりにスポーティな専用内外装を備えつつも価格を抑えたエントリーグレード「B-SPORT」を新たに設定し、最上級グレードのリミテッドとともに3グレード体制となりました。

スバル レガシィアウトバック▲X-BREAKは専用のエクステリアデザインを採用しています

そんな旧型レガシィアウトバックの中古車は、2021~2022年には200万円台を下回ることありませんでしたが、今年の3月に初めて200万円を切るとその後も下がり続け、7月の時点で180.3万円と過去最安をマークしています。

では、今から旧型レガシィアウトバックを狙うとしたら、どんな選択肢が考えられるのでしょうか?

 

とにかく安さを重視するなら「前期型のベースグレード」を

スバルのフラッグシップモデルというキャラクターも持ち合わせているアウトバックは、新車時価格でエントリーグレードでも300万円を超えていました。

ただ登場から間もなく9年が経過するということもあり、チラホラと総額で100万円を切る物件も登場しており、前期型ベースグレードであれば総額120万~130万円程度の予算で修復歴なし、走行距離7万~8万km台の車両も射程圏内となっています。

スバルのフラッグシップモデルということもあり、装備は充実。十分満足することができるはずです。

スバル レガシィアウトバック▲リミテッドには電動テールゲートなど、便利で快適な機能が備わっています

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スバル レガシィアウトバック(旧型・3代目)×2014年10月~2017年9月生産モデル×ベースグレード(2.5 4WD)×全国

また、新車時には27万円ほどの差があったベースグレードと上位グレードのリミテッドですが、中古車になって価格差が縮まっていることは間違いないようです。

同条件のものでも+10万~20万円の予算を確保すれば十分に狙うことができます。そのため、たとえ安さ重視であっても「前期型リミテッド」も同時に探してみることをオススメします。

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スバル レガシィアウトバック(旧型・3代目)×2014年10月~2017年9月生産モデル×リミテッド×全国
 

中古車らしくコスパが優れているのは「X-BREAK」

ベースグレードでも充実した装備となっているアウトバックですが、どうせ買うならコストパフォーマンスに優れた仕様を狙ってみるのはいかがでしょうか。

そこでオススメしたいのが、特別仕様車として登場したにも関わらず、その人気の高さからカタログモデルとなった「X-BREAK」です。

スバル レガシィアウトバック▲可倒式クロスバーを内蔵した大型ルーフレール

これは前述したようにアウトバックをよりラギッドに仕立てたモデルとなっており、撥水シート表皮やブラックとイエローグリーンでコーディネートした内外装が特徴の1台。特に可倒式クロスバーを内蔵した大型ルーフレールは、見た目だけでなく実用的な装備ともなっています。

そんなX-BREAKは新車時価格が350万円ほどの金額となっていましたが、登場からまだ5年ほどしか経過していないにも関わらず、現在は250万円以下のものも存在しており、非常に買い得感の高い仕様と言えるのではないでしょうか。

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スバル レガシィアウトバック(旧型・3代目)×X-BREAK×全国

今回は旧型レガシィアウトバックをご紹介しましたが、どのグレードを選択してもパワートレインや安全装備に差はないので、安価なベースグレードを購入して遊びのギアとして使い倒すも良し、高年式の上級グレードを選んで、フラッグシップモデルとして優雅に乗るのも良しの万能モデルであることは間違いありませんね。

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スバル レガシィアウバック(旧型・3代目)×全国
文/小鮒康一、写真/スバル

※記事内の情報は2023年8月8日時点のものです

小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。