トヨタ ハリアー(旧型)▲ちょうどよいサイズながら質感も高く人気のトヨタ ハリアー。その旧型となる3代目が安くなってきている

人気国産プレミアムSUVが値落ちし、かなりお手頃に!

トヨタの人気ラグジュアリーSUV、ハリアー。2代目までは海外でレクサス RXとしても販売されていたが、レクサスブランドが日本でも本格的に展開されることに合わせて、いったん2013年7月に販売が終了した。

しかし、国内での人気が高かった車種であったため、2013年10月に3代目が復活登場。すると発売からわずか1ヵ月で約2万台を受注する大ヒット車となった。

そんな人気車の3代目ハリアーだが、ここのところ値落ちが加速し、かなり安くなってきている。

この記事では、今の中古車状況やモデル概要を振り返るとともに、オススメ物件はどんなものか考えてみることにしよう。
 

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トヨタ ハリアー(旧型・3代目)×全国
 

中古車台数の増加に伴い、半年ほどで30万円以上値落ち

前述のとおり旧型・3代目ハリアーの中古車平均価格は順調に下落している。

流通量が少なかったことや新車の納車遅れによる中古車人気を背景に、昨年10月には282.2万円まで上昇した。しかし、そのような状況が徐々に解消されたこともあり、以降下落トレンドへ転換。

今年4月には250万円を切り、7月には過去最安値となる235.2万円まで落ちてきた。昨年10月と比べて47.0万円、年初1月と比べても33.7万円も値落ちしたことになる。
 

トヨタ ハリアーのグラフ

一方で中古車流通台数は増加。昨年8月には3000台ほどだったが、今年2月には4000台を超え、7月には4954台と5000台近くまで増加。

昨年8月と比べて1890台、約62%も流通量が増えたというわけだが、この流通台数増加が平均価格の下落の要因と言えそうだ。
 

トヨタ ハリアーのグラフ

では、カーセンサーにはどのような中古車が掲載されているのだろうか。

原稿執筆時点(2023年9月上旬)の掲載台数は約3000台。平均価格は約238万円で、価格帯は総額約110万~440万円。

平均走行距離は約5.2万kmで、まだまだ良コンディションの中古車が望める状況だが、一方で10万km超が100台を超えてきている。
 

 

高い質感や充実装備、そして日本にジャストサイズのプレミアムSUV

トヨタ ハリアー(旧型)▲2代目と比べてボディサイズがやや小さくなったとはいえ、前後席間の距離は+12mm。2列目の膝前の空間だけ見れば+47mmも拡大されている

2013年10月、2代目の登場から数えて約10年、いったん販売が終了してから約3ヵ月の時を経て復活した旧型・3代目ハリアー。プラットフォーム(車の骨格)はRXとは異なり、当時日本に導入されていなかった北米のRAV4と同じものが使用された。

そのため2代目(旧々型)と比べてホイールベースが短くなり、ボディも若干小さくなり、より日本で扱いやすいサイズになった。もちろん歴代ハリアー同様、ラグジュアリーSUVらしい内外装のデザインや質感、静粛性が与えられている。
 

トヨタハリアー(旧型)▲国内のトヨタ車としては初めて電動バックドアがグレード「プレミアム」と「プレミアムアドバンスドパッケージ」に標準装備された
トヨタハリアー(旧型)▲運転席は全車電動シート。カーナビ&オーディオは「プレミアムアドバンスドパッケージ」は標準、他はオプション(いずれもデビュー時の設定)

デビュー時に搭載されたパワートレインは2Lエンジン×CVTと、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムという2種類。ガソリン車は2WDと4WDがあるが、ハイブリッド車は4WDのみとなる。

また、デビュー時には衝突被害軽減ブレーキ(プリクラッシュセーフティシステム)が最上級グレードの「プレミアムアドバンスドパッケージ」に標準装備、「プレミアム」「エレガンス」にオプションで設定された。
 

トヨタハリアー(旧型)▲後席は6:4分割可倒式で、リクライニング機能が備わる
トヨタハリアー(旧型)▲ラゲージ容量は通常時で456L。リアシートを倒せば992Lに拡大できる。ラゲージ床下にも収納スペースが備わる
トヨタハリアー(旧型)▲全車にブルーの室内イルミネーション機能が備わる

その後、3モデルが追加されているので、中古車を選ぶ際は留意しよう。

まず2014年12月には、スポーティモデルの「エレガンスG's」が追加された。パワートレインは2Lガソリン車と同じだが、ボディ剛性が高められ、車高は35mmダウンし、専用のエアロパーツまと纏うスポーティなハリアーだ。

また2017年6月のマイナーチェンジでは、待望のターボ車も追加されている(2Lターボエンジン×6速AT)。なお、このマイナーチェンジでは同時に衝突被害軽減ブレーキを含む「トヨタセーフティセンスP」が全車に標準装備された。
 

トヨタハリアー(旧型)▲ターンランプはマイナーチェンジで従来のサイドミラーに加えて、ヘッドライト下に“流れるターンライト”も加えられた

さらに、2017年9月にターボ車(4WDのみ)と2Lガソリン車(2WD/4WD)に、エレガンスG'sの進化版となる「エレガンスGRスポーツ」が設定された。
 

トヨタハリアー(旧型)▲エレガンスGRスポーツ。専用エアロパーツの他、ボディ剛性アップが図られ、専用チューニングサスペンションなどが備えられている

そして2020年6月、現行型となる4代目へ切り替わったというのが大まかな3代目ハリアーのヒストリーだ。

以上を踏まえて、今ならどんな中古車を狙えばよいのか、チェックしていこう。
 

 

とにかく安く狙いたいなら「2Lガソリン車のエレガンス」

トヨタハリアー(旧型)▲エレガンスは上質なファブリックと合成皮革のコンビシート地が標準装備される

とにかく3代目ハリアーをお手頃価格で狙いたいなら、オススメは2Lガソリン車のエレガンスだ。

前期型にはその下のグレードに「グランド」があったが、ラグジュアリーSUVという性格からかあまり売れなかったようで、後期型では廃止された。実際、グランドの中古車はほとんど流通しておらず、車両本体価格150万円以下にはずらりとエレガンスが並ぶ。

安い、といっても運転席&助手席とも電動シートで、17インチアルミホイールを履き、本革巻きステアリングや左右独立式フルオートエアコンが備わり、衝突被害軽減ブレーキを選べるなど、ラグジュアリーSUVとしての機能や質感を十分備えたグレードだ。

原稿執筆時点で衝突被害軽減ブレーキ付きのエレガンスを探すと、走行距離5万km未満で支払総額約160万円から、走行距離3万km未満でも約200万円から見つけることができる。
 

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トヨタ ハリアー(3代目)×2.0エレガンス×全国
 

ワンランク上の高級感をお得に狙うなら「プログレス メタル アンド レザーパッケージ」

ハリアーらしい高級感を求めるなら、後期型の最上級グレード「プログレス メタル アンド レザーパッケージ」を狙おう。そもそも「プログレス」は後期型から従来の最上級グレード「プレミアム」の上に設定されたグレードで、そこに上質なナッパ本革などの上質な素材が奢られたグレードだ。
 

トヨタ ハリアー(旧型)▲プログレス メタル アンド レザーパッケージには上質な本革(ナッパ本革)のシート地やシフトラインにヘアライン加工されたアルミが備わる

プログレス自体の機能も充実していて、自車を俯瞰で見られるパノラミックビューモニターや左右カメラ、電動バックドア、カーナビ&JBLプレミアムサウンドシステムが標準で備わる。もちろん後期型なので、先進運転支援機能が標準で備わる。そこに上質な内装パーツが加えられたのがプログレス メタル アンド レザーパッケージだ。

プログレス メタル アンド レザーパッケージは3つのパワートレインそれぞれに設定されていて、手頃な価格で狙いたいなら2Lガソリン車か2Lターボ車だ。どちらも走行距離3万km未満が総額約290万円から見つけることができる。

なお、ハイブリッド車のプログレス メタル アンド レザーパッケージは走行距離3万km未満が総額約320万円からとなる。
 

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トヨタ ハリアー(3代目)×「プログレス メタル アンド レザーパッケージ」系グレード×全国
 

ハイブリッド車なら前期型の「プレミアムアドバンスドパッケージ」か「プレミアム」がお得

トヨタハリアー(旧型)▲ハイブリッド車は後輪をモーターで駆動する4WDのみ。後輪用のモーターとエンジンやトランスミッションが連動して、路面を選ばず安定した走行が可能だ

燃費の良い3代目ハリアーを狙うなら、やはりJC08モード燃費21.4km/Lのハイブリッド車だろう。中でも最も台数が多くて選びやすいのが、前期型の「ハイブリッド プレミアムアドバンスドパッケージ」だ。

前期型では最上級グレードにあたり、自車を俯瞰で見られるパノラミックビューモニターや左右カメラ、電動バックドア、カーナビ&JBLプレミアムサウンドシステムが標準で備わる。しかも衝突被害軽減ブレーキがオプションのグレードが多かった前期型の中で、唯一衝突被害軽減ブレーキを標準装備したグレードだ。

原稿執筆時点で、走行距離5万km未満なら総額約190万円から、前期型の走行距離3万km未満なら総額約250万円から見つけることができる。
 

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トヨタ ハリアー(3代目)×2013年12月~2017年5月生産モデル×ハイブリッド プレミアムアドバンスドパッケージ×全国

ちなみに、「プレミアムアドバンスドパッケージ」の掲載台数は100台ほどとやや少なめ。

そこで合わせてチェックしてほしいのがこれに次ぐグレードの「プレミアム」だ。外観上の見た目は変わらず、ステアリングの位置調整が電動で、電動バックドアが備わるなど、機能もトップクラスだ。

ほぼ同様の価格帯で、80台前後がヒットするため、両グレード同時に検討することをオススメしたい。
 

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トヨタ ハリアー(3代目)×2013年12月~2017年5月生産モデル×ハイブリッド プレミアム×全国

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トヨタ ハリアー(3代目)×全国
文/ぴえいる、写真/トヨタ、篠原晃一

※記事内の情報は2023年9月5日時点のものです。
 

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。