ミニクラブマンは生産終了だが、中古車価格や流通状況はどうなってる? 世代別にオススメを解説!
2023/10/28
▲絶妙なサイズ感と存在感で「好きな人は大好き!」という立ち位置をキープしていたミニクラブマンが、ついに2023年いっぱいでミニのカタログから消えることになりました。そうなると気になってくるのが「中古車の存在」ですので、新旧ミニクラブマンの直近の中古車事情をチェックしてみることにしましょう!「独創的なシルエット」が仇となったか?
独特なサイズ感と存在感ゆえに2007年から愛されてきた「ミニクラブマン」が、現行型のファイナルエディションを最後に消滅することが決まりました。
BMW社は、2023年10月5日付けのプレスリリースでこう言っています。
「BMWグループが2001年よりMINIブランドを扱うことになって以降、長く人々を魅了し愛されてきたMINI Clubmanは、現行モデルにてついに終焉を迎える。(中略)『美学は、色褪せない』をコンセプトに、誕生以来受け継がれてきた美学と独創的なシルエットに加え(後略)」
おそらくはこの文中にある「独創的なシルエット」という部分こそが、ミニクラブマンが消滅することになった直接の原因なのでしょう。
▲こちらが日本へは320台のみが導入された最終限定車「ミニクラブマン ファイナルエディション」つまり「ハッチバックというほど小さく(短く)はないが、かといってステーションワゴンやSUVほど長いわけでもない」というミニクラブマンのフォルムは、確かに独創的であり、独自の美学に基づいています。
しかし世の中は「独創的なシルエット=クラブマンの美学」よりも「実益=ミニ クロスオーバーの広さ」を選んだ――ということなのでしょう。美学が、リアリズムに負けたわけです。
それは大変に残念なことではあります。しかし世の中には、ミニクラブマンの美学こそを愛する人はたくさんいらっしゃるでしょうし、そういった方々が今後購入するための「クラブマンの中古車」も、豊富に流通しています。
そこでここでは、これからも引き続きこの独創的な車に興味を持ち続けるだろう人々へ向けて「ミニクラブマンの中古車事情」について考えてみたいと思います。
【モデル概要】初代はシューティングブレーク、2代目は小ぶりなステーションワゴン
まずはミニクラブマンという車のモデル概要と歴史をざっと振り返ることから始めましょう。
初代ミニクラブマン
初代ミニクラブマンが日本に上陸したのは2008年3月2日、いわゆる「ミニの日」でした。
第2世代ミニ ハッチバックモデルの全長を240mm、ホイールベースを80mmストレッチさせた、いわゆるシューティングブレーク形状のモデルで、ストレッチした数値のうち80mmは後席足下スペースの拡大に使われ、残りは荷室に充てられました。
ボディ左サイドは通常の1枚ドアですが、後席への乗降を容易にするため、ボディ右側には観音開きの「クラブドア」が用意されています。
▲こちらが初代ミニクラブマン
▲2代目ミニの全長とホイールベースを少し延長させたこのフォルムが、なんとも微妙で絶妙な味わい
▲左側ではなく右側に付いているのが日本では惜しいところだが、観音開きの「クラブドア」も特徴的
▲2代目ミニとおおむね同テイストな、「円」を多用している初代クラブマンのインパネまわり当初のグレードは「クーパー」と「クーパーS」の2種類で、前者には最高出力120psの1.6L自然吸気エンジンを、後者には同175psの1.6Lターボエンジンを搭載。トランスミッションは6速ATまたは6MTのいずれかを選ぶことができました。
その後、高出力版である「ジョン・クーパー・ワークス」の追加やマイナーチェンジなどを行いながら、初代ミニクラブマンは2015年の途中まで製造と販売を続行。そして2015年9月25日に上陸したのが、現在も販売がいちおう続いている2代目ミニクラブマンです。
2代目ミニクラブマン
初代ミニクラブマンは、3ドアハッチバックのミニを少々ストレッチさせたシューティングブレーク的なモデルでしたが、2代目クラブマンは「小ぶりなステーションワゴン」的なディメンションへと変貌しました。
初代と比べて全長を290mm延ばし、全幅を115mm拡大したボディは全長4270mm×全幅1800mm×全高1470mmと、まずまず立派な寸法。ボディ右サイドにあった「クラブドア」は廃され、オーソドックスな4枚ドアと、テール部分にはスプリットドアを備えることに。
▲こちらが2代目ミニクラブマン。写真は前期型クーパーS
▲全長4.3m弱の「コンパクトステーションワゴン」的なシルエットに生まれ変わった
▲右サイドのみのクラブドアを廃し、一般的な4枚ドアに。車内寸法も拡大されている
▲同世代のミニ ハッチバックとおおむね共通となるデザインのインパネまわりパワートレインは、「クーパー」には最高出力136psの1.5L直3ターボ+6速ATという組み合わせが採用され、「クーパーS」は同192psの2L直4ターボ+8速ATという組み合わせです。
2016年4月にはベーシックな「ONE」と4WDの「クーパーS ALL4」を追加し、その後、ディーゼルターボエンジンや「ジョン・クーパー・ワークス」も追加。
そして2019年10月のマイナーチェンジを経て今回、最終モデルとなる限定車「ファイナルエディション」が2023年10月5日に発売された――というのが、新旧ミニクラブマンの大まかなヒストリーです。
▲超高性能モデルのジョン・クーパー・ワークスも初代に引き続き設定されていた初代モデルの中古車状況とオススメは?
2023年10月下旬現在、初代ミニクロスオーバーの中古車流通量は約370台で、価格は総額30万~220万円といったところ。平均価格は67.4万円です。
上記数字の解像度をもう少し上げてみると、詳細はおおむね以下のとおりとなります。
●前期型クーパー|総額30万~100万円|流通量多め
●前期型クーパーS|総額40万~140万円|流通量多め
●前期型ジョン・クーパー・ワークス|総額120万~140万円|希少
●後期型クーパー|総額50万~100万円|流通量まあまあ
●後期型クーパーS|総額50万~190万円|流通量まあまあ
●後期型ジョン・クーパー・ワークス|総額130万~210万円|希少
こうして分解してみると、ジョン・クーパー・ワークスは若干別格ですが、クーパーとクーパーSの価格差や、前期型と後期型の違いに基づく価格差はあまり明確ではないことがわかります。
グレードや年式よりも「コンディションの良し悪し」によって中古車価格が決まっているのが、初代ミニクラブマンの現状であるようです。
▲グレードや年式うんぬん以上に「コンディションの差」が、そのまま中古車価格の差になっている模様確かにこの世代のミニのエンジンは、タイミングチェーンのガイドレールがエンジン内部で破損してバラバラになってしまったり、テンショナーやガスケットが対策品に交換されていないとタイミングチェーンがズレてしまい、エンジン不調や走行不能になってしまう可能性も考えられます。
そのため、もしもこれから初代ミニクラブマンの中古車を買うのであれば――価格で一概に切るのも本来はナンセンスなのですが、まぁ「総額100万円以上」をいちおうの目安としたうえで、グレード不問で「専門家によるしっかりとした整備を受けてきた個体」だけをターゲットとするのが得策です。
ノーメンテゆえに安く売られている初代クラブマンを安く買っても、結局は納車後にけっこうな整備代がかかるハメになる可能性があります。くれぐれも「メンテナンスの量と質」を十分に見きわめたうえで購入するようにしてください。
▼検索条件
ミニ ミニクラブマン(初代) × 全国2代目モデルの中古車状況とオススメは?
一方の2代目ミニクラブマンは2023年10月下旬現在、中古車流通量は約650台と豊富で、価格は総額100万~640万円といったところ。平均価格は236.6万円です。
とはいえこれだけではちょっとざっくりすぎるため、上記数字の解像度をもう少し上げてみることにしましょう。
●前期型クーパー|総額100万~290万円|流通量多め
●前期型クーパーS|総額110万~300万円|流通量多め
●前期型クーパーS ALL4|総額200万~270万円|流通量少なめ
●前期型クーパーD|総額120万~290万円|流通量多め
●前期型クーパーSD|総額120万~290万円|流通量やや多め
●前期型ジョン・クーパー・ワークス|総額210万~420万円|少なめ
●後期型クーパー|総額250万~400万円|流通量やや少なめ
●後期型クーパーS|総額280万~430万円|流通量やや少なめ
●後期型クーパーS ALL4|総額300万~470万円|流通量少なめ
●後期型クーパーD|総額260万~420万円|流通量まあまあ
●後期型クーパーSD|総額300万~500万円|流通量少なめ
●後期型ジョン・クーパー・ワークス|総額400万~520万円|流通量少なめ
▲写真は後期型クーパーSの本国モデル2代目ミニクラブマンの場合は、2019年10月以降の後期型であれば、まだまだ機械として新しいということもあって、中古車を選ぶ際に必要以上に神経質になる必要はないでしょう。
お好きなグレードの、内外装がキレイな物件で、なおかつ正規ディーラーで普通に点検を受けていた履歴が確認できる個体を選ぶようにすれば、そうそう大きな問題には見舞われないはずです。
具体的なイメージとしては、「走行2万km台の2020年式クーパー(ペッパーパッケージ)を総額270万円ぐらいで買う」という感じになるでしょうか。悪くない買い物だと思われます。
2015年9月から2019年9月までの前期型も、「年式が新しいモノ」や「しっかりと整備されてきたモノ」であれば特に問題はないのですが、2015年から2017年式ぐらいの物件で、なおかつロクに整備されてこなかった個体は、そろそろまとめてドカンと何かがやってくる可能性もあります。
そういった意味で、もしも前期型を狙うのであれば、イメージとしては「走行3万km台の2018年式クーパー(ペッパーパッケージ)を総額180万円ぐらいで買う」というのが安全策になりそうです。
もちろん中古車のコンディションというのは年式や走行距離、価格だけで測れるものではないのですが、ひとつの目安として参考にしていただけたら幸いです。
▼検索条件
ミニ ミニクラブマン(2代目) × 全国今後、ミニクラブマンの中古車相場はどうなっていく?
最後に「今後ミニクラブマンの中古車相場はどうなっていくか?」という予測を申し上げたいと思います。
もちろん未来のことなど誰にもわかりませんので「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ではあるのですが、2代目クラブマンの低走行な良質物件については、もしもその走行距離とコンディションがおおむね維持されていれば、今後の相場はジリジリと上がっていく可能性もあると考えます。
なぜならば、ミニクラブマンのような「良い意味で微妙なシルエットの車」というのは他にあまりないため、その優良物件には今後“希少価値”が生まれそうだからです。
そして「良い意味で微妙なシルエット」といえば、初代クラブマンの方がより微妙かつ絶妙で素晴らしいと思っているのですが、残念ながらこちらはタイミングチェーンの問題などもはらんでいるため、「相場が上がる」ということはないと予想しています。
もちろん、未来のことゆえ断言はできないのですが。
▲生産終了間近となったミニクラブマン。果たしてその中古車相場はどうなっていくのだろうか?
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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ミニ
ミニクラブマン クーパー ETC バックカメラモニター ターボ キーレスエントリー スマートキー ABS ナビ ETC2.0 HDDナビゲーション カーテンエアバック パワーウインド AUTOエアコン
本体価格113.0万円
支払総額123万円
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