「買えるモデルの祭典」で輸入中古車評論家が買いそうになったのはどんな車?【オートモビルカウンシル2025】
2025/04/21
▲自称、輸入中古車評論家が、オートモビルカウンシル2025の会場で見つけた「思わずうなってしまったモデル」5選を紹介ヘリテージカーを買えるイベントで買いそうになったのは……
「自動車文化の成熟」をテーマに2016年から始まったヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル」も、今年で早くも10周年。国内自動車メーカーやインポーターが様々なブランドヘリテージを展示するだけでなく、各販売店が展示するヘリテージカーを「その場で買うこともできる」というのが、オートモビルカウンシルの大きな特徴である。
この記事では、4月11~13日にかけて開催された「オートモビルカウンシル2025」で展示された多種多様なヘリテージカーのうち、輸入中古車評論家を自称する筆者が「思わず本気で買いそうになった5台」をピックアップしてご紹介する。
▲写真はカーセンサーが出展したブースにて中古車相場見ながら物思いにふける筆者思わず買いそうになった車その1|1989年式BMW 320iカブリオレ
「昭和末期の六本木」が令和の世にタイムスリップしてきた?


東京都目黒区の「WANNA DRIVE」が展示した物件のひとつがこちら、1980年代前半から90年代初頭にかけて販売された「E30」こと2代目BMW 3シリーズのカブリオレだ。
1980年代後半のバブル期においては「六本木のカローラ」などと揶揄もされたE30型3シリーズだったが、今となってはボクシーなフォルムと小ぶりなサイズ、そして適度なレトロ感により、古典派の輸入車ファンにとっては垂涎の1台となっている。
だが、残念ながら「もはやタマ(物件)があまりない」というのがE30のネックではあるのだが、「WANNA DRIVE」は物すごいタマをオートモビルカウンシルに送り込んできた。

前オーナーが直近の2年間で500万円以上を投じて内外装のレストアと各部の整備を行ったというだけあって、各部のコンディションは「……新車か?」と思ってしまうほどビカビカ。
しかしそのビカビカ感は、再塗装(=美容整形)によるものではなく、元々のコンディション+純正部品への交換+徹底的な磨き&清掃によってナチュラルに実現されているというのが、この物件のポイントだ。

さすがにファブリックのシート表皮は張り替えているが、純正の生地は今や手に入らないため、「E30の新車時の生地」に極力似ている生地をドイツにオーダーし、張り替えを実施したとのこと。
オートモビルカウンシル2025での販売価格は418万円。……高いは高いが、決して手が出ないほどの額ではない。今こそ、36年前に貧乏青年だった頃は指をくわえて遠目に見るしかなかったE30を購入し、過去の自分にリベンジを果たすべきなのかもしれない……。
思わず買いそうになった車その2|1988年式メルセデス・ベンツ 560SEC
「怖い人々御用達」だったあの車も、今あらためて見ると激シブ!

1980年代末期の六本木交差点付近でよく見た車といえば、前出のE30型BMW 3シリーズの他に「W126」または「C126」というのもあった。W126が当時のメルセデス・ベンツ Sクラスで、 C126はそのクーペ版だ。
そしてE30型BMW 3シリーズが、失礼な言い方で申し訳ないが当時の「ボンボン」が乗っていた印象が強いのに対し、W126/C126は「怖い人々御用達」というイメージがあった。そのため筆者のような一般青年は、W126/C126にはなるべく近寄らないよう心がけていた。
それからウン十年の時間が経過したことで「怖い人々」がW126/C126を手放し、さらに時が経過した頃、W126とC126は「激安中古車」と化し、また別の意味であまり近寄りたくない存在と化した。
そうこうするうちにあまり見かけることがなくなったメルセデス・ベンツの126シリーズだが、あるところにはあるもので、兵庫県神戸市のオールドメルセデス専門店「シルバースター」は、とんでもない隠し球をオートモビルカウンシル2025にぶち込んできた。

完全フルノーマルの1988年式メルセデス・ベンツ 560SECは「スモークシルバー」という希少色をまとった走行距離6.2万kmのお宝級コンディションで、「バーガンディ」という内装色も、きわめてレアであると同時にきわめて美しい。
そしてこちらの物件も再塗装や部品交換などの美容整形を行ったわけではなく、「元々の状態を丁寧に磨き込んだだけ」であるとのこと。


聞けば、法人の社用車として使われていたセダン(W126)のお宝級フルノーマル車が出てくることは今でもたまにあるそうだが、クーペ(C126)のこういった物件が出てくることはほとんどないという。
即売価格は1250万円とお高めだが、その超絶希少っぷりから考えると、今後の価値というかリセール価格はさらに上がっていくのではないか? とも思われた。
いずれにせよ今、フルノーマルの極上系C126/W126に「怖い人々御用達」のイメージはいっさいない。ただただ資産家っぽいというか何というか、上品なたたずまいに圧倒されるのみである。

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メルセデス・ベンツ Sクラスクーペ(初代) × 全国思わず買いそうになった車その3|1982年式三菱 トレディア 8 Speed “SUPER SHIFT”
超人気薄だったからこそ令和の今、謎の存在感が光る!

勉強不足ゆえ筆者は「トレディア」という車のことを知らなかったのだが、謎の存在感が気になって足を止めてしまったのがこちら、1982年式の三菱 トレディアだ。
副変速機付きの4速MTである「SUPER SHIFT」という謎のトランスミッションを採用している。
この車種についての知識がなかったため現場でググってみたところ、どうやら三菱 トレディアは1982年に発売されたミラージュベースのセダンで、当時のミラージュとギャランシグマ/エテルナの間を埋めるべく登場した車種であるらしい。

で、その一部グレードに採用されたのが「SUPER SHIFT」という副変速機付き4速MT。シフトレバーの右側にあるもう1本のシフトレバーでHi-Lowを切り替えることにより、4速MTを4×2の「実質8速MT」として使うことができる。
……と聞くと「なかなかイイじゃないですか!」と思うわけだが、こちらの物件を出展したDUPROの渡辺大介社長によれば、三菱渾身のSUPER SHIFTは「使いづらいため、まったく人気がなかった」とのこと。まぁ確かに、いちいち副変速機のレバーを操作するのは面倒なので、筆者も「4速で高速道路を走るときのプラス1速」としてしか使わない気がする。

だが、こちらの個体の前オーナーさんはそんなSUPER SHIFTを大いに気に入っていたのか、1982年のトレディア登場時からずっと乗り続けてきた模様。
しかも、美容整形(新品部品への交換や再塗装など)は行っていないにもかかわらず、まったくもって美しい状態を保っているインテリアの状態から推測すると、紫外線や雨風にさらされない場所で、大切に保管してきたはずだ。

そんな過去のドラマを思い浮かべながらこのセダンを運転するのは楽しそうであり、そもそも、今となっては「異彩を放つ」と言ってもいい絶妙な謎感が伴うセダンの、謎の副変速レバーをよっこらしょと操作しながら運転するのは、なかなかステキな行為なのではないかとも思う。
そんな車両のお値段は180万円。「ある種のマニア垂涎(?)の1台」としては、けっこうリーズナブルではないだろうか。
思わず買いそうになった車その4|1995年式デルタ インテグラーレEVOII コレツィオーネ ファイナルエディション
「248万円か。安いな」と思ったら、マルが1つ違った!

不肖筆者は今から13年ほど前、1994年式のランチア デルタ インテグラーレEVOIIを総額245万円で購入した。しかし、今回のオートモビルカウンシル2025に出展されていた最終限定車「デルタ インテグラーレEVOII コレツィオーネ ファイナルエディション」の車両プライスを見て驚いた。……248万円?
この13年間でほとんど値上がりしていないというか、その後の物価変動を考えれば、むしろ値下がっているではないか!

筆者はさっそく出展者である「コレツィオーネ」の成瀬社長に申し出ようとした。「今日、これを買って帰ります!」と。だが、その前に念のためあらためてプライスボード見ると、価格は248万円ではなく「2480万円」であった。……極度の乱視が災いしたか、マルを1個見落としたようである。
そして筆者は思い出した。「そういえば私がデルタEVOIIを売却した直後あたりから、デルタの相場は昇竜拳のごとく上がっていったのだった」と。
筆者は総額245万円で購入したデルタEVOIIを180万円で売却したため、相場高騰の恩恵はまったく受けていない(とはいえそれでもさすがはデルタということで、値落ちは少なかったといえるが)。しかし今のタイミングまでデルタEVOIIを所有し、そのうえで売却したならば、筆者は今ごろ億万長者……とまではいかないが、まあまあの現金資産を得られていたはずである。正直、悔しい。
悔しさのあまり、筆者はコレツィオーネの成瀬社長に問うた。「デルタの中古車相場はいつまで、どこまで上がり続けるのですか!!!」と。
半ば逆ギレ気味の質問に困惑しながらも、成瀬社長は答えてくれた。「もちろん確定的なことは申し上げられませんが、依然として世界中で続くデルタの人気と、減り続けている個体数から考えると――今後も『下がる』ことは考えにくいかと思います」


なお筆者が2013年に総額245万円で購入した走行距離6.2万kmの1994年式デルタ インテグラーレEVOIIと同じモノがもしも今あるとしたら、その価格は「1000万円台後半ぐらい」であるらしい。
……覆水盆に返らずと悔やみ続けるのではなく、一時期は「世界的な名車」を所有することができた己の人生の幸運を見つめながら、今後も強く生きていきたい。
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ランチア デルタ(初代) × 全国思わず買いそうになった車その5|「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」の各車
「共同オーナー型」のカーライフもかなりステキだ!
こちらは「思わず買いそうになった」というのとは少し違うが、「思わず登録しそうになった」のは確かだ。共同オーナー型のカーライフを提案している「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」のブースである。
RENDEZ-VOUSとは、複数人の共同オーナー同士で金銭的な負担を分担し、さらに月額払いを導入することで、車所有のハードルを大幅に下げることが可能なプラットフォームだ。

例えば、930型ポルシェ 911カレラを「購入」しようと思った場合、直近の相場から考えるとおおむね1500万円ほどの現金またはローンと駐車場代、メンテナンス代などが必要になる。ローン+月極駐車場でいくとしたら、東京都内の場合、毎月ざっくり14万5000円の支払いが発生する(※頭金300万円を入れた120回払い、金利3%、駐車場代3万円として筆者独自計算)。
またその他、不定期にメンテナンス代も必要だろう。
だが、RENDEZ-VOUSで930型911カレラを「共同所有する」という形を取れば、概算で6万4000円/月の支払いで済む(※あくまで概算なので、正確な数字はRENDEZ-VOUSまで確認を)。しかもRENDEZ-VOUSの場合は車の保管もメンテナンスもすべてRENDEZ-VOUSが受け持つため、それ以上のお金を払う必要がないのだ。

もちろん「共同所有」ゆえ、利用可能日数は年間72日間に制限される(※4人での共同所有の場合)。しかし930型ポルシェ 911カレラ的な車というのは、日々のお買い物に使うような車とは違い、そんなにしょっちゅう乗るものでもない。
「たまに思う存分ガッと乗れればそれで十分満足」となる場合がほとんどであり、実際筆者が964型ポルシェ 911やランチア デルタ インテグラーレEVOIIに乗っていた頃も、おおむねそのような使い方だった。

今回画像として紹介している1975年式のポルシェ 911ターボは「納屋で眠っていた記念すべきミツワの日本国内納車1号車をフルレストアした」というかなり特殊な事情を伴う希少物件であるため、共同所有8分の1価格は年額595万円とかなり高額だ(それでもすでにソールドアウト)。だがもっと一般的な車種であれば、月額5万~7万円ほどのイメージで名車を“所有”できる。
もちろんファーストカーとしての使用にはまったく向かないプラットフォームだが、何らかの名車をセカンドカー、サードカーとして購入しようと考えている人は、RENDEZ-VOUSの公式サイトも一度チェックしてみるべきだろう。
ていうか、筆者自身もウェイティング登録しますよ!

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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