【試乗】新型ポルシェ 911 GTS|走りの刺激をストレートに! ストリートで最高の911
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
2022/04/07
▲現行の992型にスポーティなキャラクターのGTSが追加された。ターボとカレラSの間に位置するGTSの走りはスパルタン。さらに、新型では国内初のMTモデルが導入された点も注目だMTを操る喜びを存分に味わえるスポーティな仕立て
新型ポルシェ 911カレラGTSはステアリング位置を左右から選択でき、さらにクーペのRRモデルには8速PDKだけでなく7速MTも用意される。右ハンドルのPDKしか選べないからと導入初期のタイプ992を見送った人にはきっと「ついに!」という思いに違いない。
試乗したのは、まさにそのクーペのMTモデルだ。エンジンはお馴染みの水平対向6気筒3Lツインターボで、最高出力はカレラSに対して50ps増の480ps、最大トルクは40N・m増の570N・mを発生する。そのうえで、スポーツエグゾーストが標準になり、またそのサウンドをさらに楽しめるよう車内断熱材の一部が省かれているというから面白い。
ターボ用をベースとするサスペンションはスポーツシャシーが標準となり、リアサスペンションには接地性を高めるヘルパースプリングを組み込む。ブレーキ、そしてセンターロック式のホイールもターボからの流用だ。
▲PASMを備えたGTS専用サスペンションを装着。エクステリアにはサテンブラックを用い、スポーティな雰囲気が高められている
▲軽合金製ホイールは、911ターボ同様にセンターロック式を装着する 。最大25kgの軽量化を実現するライトウエイトデザインパッケージもオプションで用意される まず関心させられたのは、そのエンジンである。全域でトルクが分厚く、低回転域で驚異的に粘る一方で、まるで自然吸気のように回せば回すほどリニアにパワーが高まる特性をも同時に実現しているのだ。まさに、いいとこ取り。はうように進む渋滞を3速キープでこなしたかと思えば、右足に思い切り力を込めてレブリミットの7500rpmに至る高回転域のサウンドとレスポンスに酔わせてもくれるのだから、調律ぶりは見事と言うほかない。
▲搭載される3L水平対向6気筒ツインターボは、先代GTSを最高出力で30ps、最大トルクで20N・m上回る 7速MTはストロークが詰められていてゲートも正確。しかも、クラッチペダルが踏力こそ重めではあるもののミートポイントが非常にわかりやすく、コントロールしやすい。まさに、MTを操る喜びを存分に味わえる仕立てである。
地面に直接手を触れているかのような饒舌なステアリングフィール、これだけのパワーとトルクを難なく受け止めるトラクションなどフットワークも申し分ない。ただし、フル加速では明確にノーズが浮き上がる、ちょっと懐かしい感覚があったから、これだけ速くなってくると空力的には何らかの押さえがあった方がいいかもしれない。
従来よりもスパルタンさが増して、走りの刺激をストレートに味わせる存在となった新しいポルシェ 911カレラGTS。ますますサーキット志向を強めるGT3と、カレラ/カレラSのギャップをうまく埋める、ストリートで楽しむには最高の911と評することができそうだ。
▲最新ポルシェコミュニケーションマネジメントを備える室内は、ブラック基調のスポーティな仕立てとされた。カレラGTSの専用装備として、ショートストロークの7速MTが用意されている
▲オプションのフルバケットシートを装着した場合、このように後席が取り外されている
▲GTSはカレラ以外にも、カレラ カブリオレ、カレラ4、カレラ4 カブリオレ、タルガ4に用意されている
モータージャーナリスト
島下泰久
1972年生まれ。自動車専門誌から経済誌やファッション誌などに数多く寄稿、YouTubeチャンネルを主宰するなど幅広く活躍するモータージャーナリスト。「間違いだらけのクルマ選び」の著者でもある
ポルシェ 911 GTS(先代)の中古車市場は?

先代となる991型のGTSもスポーティな仕立てで、クーペ、カブリオレ、タルガにラインナップ。ミッションはPDKのみで、前期型は自然吸気3.8L、後期型は3Lターボを搭載している。中古車は40台以上の物件が流通しており、今なら下限は1300万円台から。特に、前期型の最高出力430psを発揮する自然吸気エンジンのフィールは、現行モデルでは味わえないものだ。(写真はカレラ4GTS)
▼検索条件
ポルシェ 911 GTS(先代)× 全国【関連リンク】
あわせて読みたい
M・ベンツのセダン狙いのあなたに推したい“粋な別解”4ドアクーペ CLSクラス。新車で1000万円超えが今中古車なら総額300万円台! オススメの選び方は?
メルセデスの名車に乗る|W201型からSLS AMGへ。“ネオクラとAMG覚醒”をいま読み解く【カーセンサーEDGE 2026年1月号】
優先すべきはヘリテージか 経済効率? マセラティのモデナ回帰にみるブランドの価値とは【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
古い車って本当のところどうなの? 個性的な1台を狙うなら中古車に限る!【中古車購入実態調査】
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
マツダ ロードスター12Rの抽選に外れて絶望している人必見! 代わりにコレ、どうですか? 5選
“いまは”日本未導入のGAC(広州汽車集団)AION Y Plusに試乗してきた!
プロショップで聞いた600万円前後で狙える初代 ポルシェ マカンのリアル! 狙うは前期型の高性能グレードか? それとも後期型のベーシックグレードか?
トヨタ センチュリーがブランド化! クーペタイプも公開された今、改めて歴代モデルを振り返ってみよう!
「大人になったら絶対にこの車に乗ろう!」と子供の頃の夢を叶えた86(初代)









