ジープ ラングラー
【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?

フルカスタムの状態で友人から購入したタフな1台

ゴォォ~ッと、ブロックタイヤの音を轟かせながらジープ ラングラーで現れたのは、古着屋『LIOT』のオーナー平木さん。

ジープ ラングラー

2023年の2月に友人から購入したというラングラーは、ミリタリーライクなワイルドな雰囲気とアンヴィルグレーのダークトーンに引かれたそう。

「自分の店に、この車で友人がやって来て、初見で「おっ!」と思ったんですよ」と、以前からこの車の存在を知っていたという。

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当時乗っていたハリアーに修理が必要な部分が数箇所あり、車検もあったので買い替えを検討していたところ、友人からラングラーを売却すると明かされたそう。

「詳しく話を聞くと、狙っていたランクルとほぼ同じ価格だったので、ラングラーもアリだなと思ったんですよね」

そこから話はトントン拍子で進み、1ヵカ月後には名義変更を終えていた。

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「300万円で譲ってもらったんですけど、どうやらカスタムだけで400万円近くかけていたそうです」それでいて、走行距離が3万km足らずで車検も付いているなら、かなりお得だ。

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ただ当然、燃費がいいわけはなく、4km/Lくらいしか走らないらしい。だが、「20歳で初めて乗った車が、ジープ チェロキー リミテッドだったんですけど、それもめっちゃ燃費が悪かったんです。それと比べたら少しマシになったなと(笑)」と、多少の不便さは意に介さず、乗って楽しければそれでOKというポジティブなスタンス。

目的地はスーパー銭湯!? アウトドア仕様の銭湯専用車

平木さんがオーナーを務める横浜・反町の古着屋『LIOT』は、ミリタリーモノやアメリカンビンテージの古着をメインに、ユーロビンテージなども豊富に取り揃えている超本格派。

ジープ ラングラー
ジープ ラングラー

ナバホ族のインディアンジュエリーなど、クラフトマンシップによる温かみある洋服や経年劣化が楽しめ価値あるモノなどをピックしており、中には1900年代初期のモノもあるという。そんなラインナップに、地元の横浜だけでなく、都内からも足を運ぶリピーターも多くいるそうだ。

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そんな仕事柄、年に4、5回アメリカに買い付けに行っているという平木さん。本国アメリカでラングラーは、田舎では泥まみれでオフロード感があり、ピックアップトラック仕様のグラディエーターもよく走っているそう。一方、都会ではド派手にカスタムされていて、エリアによって個性が分かれるのが印象的だという。ただし、日本で見かけるのはノーマル仕様ばかりで、カッコいいと感じなかったそうだ。そんな中、このラングラーは別モノだったという。

「友人がキャンパーだったので、アウトドア仕様にカスタマイズされているんです」と、車の足回りを指差す平木さん。

ジープ ラングラー
ジープ ラングラー

前オーナーでもある友人は車高を6インチリフトアップして、それに合わせてフェンダーもオーバーフェンダーで特注。「フレーム系はほとんどいじっているって聞いています」と、大きく見えるシルエットがお気に入り。

オフロードをガンガン攻められるスペックを備えたラングラーだが、実は、まだ一度もキャンプなどアウトドアに利用したことがないそう。

ジープ ラングラー

「お気に入りのスーパー銭湯への移動車になっていますね。あそこに行くためだけに乗っていると言っても過言じゃない。通いすぎて俺の風呂みたいになっています(笑)」と、笑いながら事実を明かしてくれた。

「家族には本当に申し訳ないんですが、この車でどこかへ遊びに行ったとか、特に思い出もなく……。ゆくゆくは、アウトドアシーンにも使っていきたいとは思っていますよ」と、今はまだ、キャンプ気分ではないようだ。

不便さだって育てれば“味”になる

使いやすさのポイントは、ラゲージの広さにある。前に乗っていたハリアーと比べると室内の高さもあり、シートをフラットにすると荷物をかなり積み込めるのだそう。

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「什器も立てたまま入れられるので、仕事で使いやすいですね。それに、車高がリフトアップしてあるおかげで、積み込む際に腰を曲げ伸ばしすることもなく楽々と積み込めるのがいいんです」

高い車高が思わぬ副産物を生んでくれたようだ。さらに、ラゲージがいっぱいになっても、ルーフキャリアのおかげで荷物が積めるため仕事で役立っているという。

そして、少々雑に扱ってもOKなところも魅力なんだとか。その理由は、現行モデルなのでパーツがすぐ入手できるからだ。

「気を使わずに乗れるところも魅力なんですよね。アメリカで借りるレンタカーはトラブルだらけですが、この車は今のところ故障もないです」と、愛車とのラフな関係性も平木さんのこだわり。

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ただ、いいことばかりではなく、マイナス面もある。車高が高く、ステップもアイアンフレームにカスタムしてあるので、子供から「乗りづらい」と言われてしまったそう。

また、ブロックタイヤとリフトアップしているおかげで、めちゃくちゃ揺れるという。後部座席はさらに振動がすごいらしく、子供たちへの申し訳なさなのか、気まずそうに鼻の頭をポリポリとかいていた。

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もうひとつ難点なのが、駐車場問題。車高が高すぎるため、立体駐車場など屋根がある場所が限られるという。そのため契約している駐車場は屋外……。

「でも、ボディがピカピカすぎるので、ちょうどいいかなと思っています」

風雨にあてて経年劣化させて武骨さが醸し出せたらとも考えているようで、車も古着と同じ感覚で育てていくそうだ。

取材の日も、仕事終わりにスーパー銭湯まで出かけ、数日後には買い付けのため成田空港へと向かうという。両手でハンドルを握りながら、高速道路でゴォォ~ッと響くタイヤ音と、大口径のスピーカーから流れてくるオルタナロックのリズムに乗って。

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ジープ ラングラー(3代目)×全国
文/北村康行、写真/阿部昌也
北村康行

平木さんのマイカーレビュー

ジープ ラングラー(3代目)


●購入金額/300万円
●年間走行距離/約30万km
●マイカーの好きなところ/武骨でタフなところ。
●マイカーの愛すべきダメなところ/4km/Lくらいしか走らないところ
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/きゃしゃな女性。武骨な車に乗っていたらキュンとします

北村康行

ライター

北村康行

ストリートファッション誌の編集者を経て、2007年に独立。雑誌やweb、企業の制作物など、ファッション、モノ、グルメ、アウトドア、インタビューなどジャンルにこだわらず様々なフィールドで活動中。思い出に残るworksは、秋葉原駅の大きな観光案内図。休日は愛車のPEUGEOT Pacific-18で、地元横浜をブラついている。