ホンダ▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「エコ」

車選びにもSDGsの波! 環境性能は必須事項に

世の中に流れる自動車関連ニュースの大半はEV(電気自動車)に関連する話題と言っても過言ではない昨今。

リクルート自動車総研が行っている『中古車購入実態調査』の下記データが示すとおり、中古車市場でも純然たるガソリンエンジン搭載車を選ぶ人は年々減り続けています。

リクルート自動車総研グラフ

代わりにシェアを伸ばしているのはハイブリッド。電気自動車ではなく電動化車両ですが、バッテリーを搭載することでガソリンエンジン単体よりも燃費性能を上げることが可能です。

プリウス ▲ハイブリッド車を世に浸透させた立役者がトヨタ プリウス

一方でピュアEVはまだ1~2%のシェアで、中古車市場での普及にはもう少し時間がかかることが予想されます。

リーフ ▲国産EVの代表といえば日産 リーフ。2代目となる現行型は、ワンペダルで完全停止と停止保持が可能な「e-Pedal」によって独自の走行感覚を楽しめる

そして、車を選ぶ際のユーザー意識にも変化が起きています。上記データにはありませんが、車の購入を思い立った段階で「燃費性能、環境負荷」を調べた、と答えた人は2016年に比べて2022年段階で+6.7%と大きく伸びているのです。

環境やSDGsに対する意識の高まりが、自動車業界にも確実に影響していることがうかがえます。

運転技術で燃費効率も激変! エコドライバーになってみては?

話は変わりますが、毎年カーセンサーはメディア対抗のロードスター4時間耐久レースに出場しています。同じコンディションの車両、同じ量の燃料を使って走るレースです。

4時間で最も多く周回できたチームが優勝、つまり速く走るだけでなく、限られた燃料でなるべく距離を走る必要があります。

レース ▲2023年9月9日(土)に筑波サーキットで開催された第34回メディア対抗ロードスター4時間耐久レースの様子

スピードの出し方を工夫し、ブレーキのかけ方を調整することで燃料消費効率を良くするのです。

年によって異なりますがトップと下位のチームでは10周、つまりは約20kmの差がつくことがあります。何が言いたいかというと、同じ車を運転していても、ドライバー次第で燃費には大きな差が生じるということ。

燃費性能が良い車選びはもちろんですが、運転手の心掛けや努力次第で燃費が変わることをみなさんには知っていただきたいのです。

文/西村泰宏、写真/トヨタ、阿部昌也、篠原晃一
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。