メルセデス・ベンツ Gクラス▲軽自動車からスーパーカーまでジャンルを問わず大好物だと公言する演出家のテリー伊藤さんが、輸入中古車ショップをめぐり気になる車について語りつくすカーセンサーエッジの人気企画「実車見聞録」。誌面では語りつくせなかった濃い話をお届けします!

新車で手に入らないからこそ手元に置いておきたい

今回は、「メルセデス・ベンツ東名横浜 サーティファイドカーセンター」で出合ったメルセデス・ベンツ Gクラスについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。

~語り:テリー伊藤~

1979年に初代が登場し、1990年に最初のフルモデルチェンジ。そして2018年に待望の3代目へとフルモデルチェンジしたGクラス。

ほとんど形を変えずにこれほど長く愛されてきたモデルも珍しいでしょう。

メルセデス・ベンツ Gクラス▲先代最終型の限定カラー。これは目立ちます!

今回出合ったGクラスは先代モデルの最終型に設定された限定カラーです。

クセのある色ですが、最新型ではなくあえて先代を探している人もいますよね。

実は僕も、これが出たときに買うことを本気で考えていました。Gクラスもラングラーも、古い方が僕の好みなのでね。

メルセデス・ベンツ Gクラス▲現行型よりこちらの顔つきが好きという人も多いのではないでしょうか?

僕は昨年、ジムニーの新車を買いました。買ったのは現在大人気になっているJB64型が出る4ヵ月前。JB23型の最終モデルです。

ディーラーの担当者からは「もうすぐ新型が出ますよ。そちらにしなくていいんですか?」と聞かれましたが、僕にとって新型が出るかどうかは関係ありませんでした。

逆に新型は大人気になることがわかっていたので、街に溢れかえる車よりも間もなく新車で手に入らなくなるものを手元に置いておきたいと思ったのです。

今、先代最終型のGクラスを選ぶのもこれと同じ感覚ではないでしょうか。

先代はまず大きさがちょうどいい。全高が2m近くあるのでとても大きく感じますが、全幅は1860mmと国産ミドルクラスSUVと同じくらいで乗りやすいのがいい。

メルセデス・ベンツ Gクラス▲このシルエットはGクラスならでは。他の車では味わえません

そして何より、30年近くモデルチェンジせずに作られてきたという歴史がある。このW463型だけで世界観が確立されているんですよね。

今回出合ったGクラスはサーティファイドカーと呼ばれる、メルセデス・ベンツの認定中古車です。

僕は暇さえあればカーセンサーnetであらゆる車をチェックし、車屋さんを見つけるたびに立ち寄るような “不健康な車好き” です。

たとえるなら酒飲みが赤提灯に吸い寄せられるようなもの。自分で言うのも何ですが、変わり者だと思います。

でも普通の人はそこまで時間も手間もかけられないですよね。

だったら認定中古車に的を絞って車選びをするのは大賛成です!

メルセデス・ベンツ Gクラス▲2986cc直噴ディーゼルは最高出力180kW (245ps)、最大トルク600N・m(61.2kgf・m)を発生させます
メルセデス・ベンツ Gクラス▲ATは7速。インテリアはGクラスらしいラグジュアリーな雰囲気

まだ1万kmも走っていないものが驚くほど安く手に入るし、何よりメルセデス・ベンツの看板があるから車に詳しくない人でも安心して買うことができますよね。

認定中古車制度がスタートした頃は充実した保証が付くこともあり、制度が始まった頃は高めの価格設定でした。

でも今は、一般の中古車と比べても割高感は少なくなっています。輸入車選びの選択肢として、大アリですよ!
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲Gクラスは一般のSUVよりかなり高くなります
メルセデス・ベンツ Gクラス▲新型に比べるとリアシートはやや狭くなりますが、広さ的には十分

テリー伊藤ならこう乗る!

今、ファッションの世界ではハイブランドを中心にパッと見はどこのブランドかわからないような斬新なデザインがトレンドになっています。

例えばグッチが「大阪のおばちゃんか!」と突っ込みたくなるような虎柄を出したり、ルイ・ヴィトンが村上隆さんとコラボしてさくらんぼ柄のアイテムを出したりしていますよね。

あえてデザインに遊びを入れて、子供っぽく見せているのがいいんです。

また、若い子たちの間ではカッコいいものをそのままカッコよく見せることはカッコ悪いという価値感があります。

“お金持ちっぽい”“豪華”というのは、令和の時代のキーワードではないと感じますね。

僕もメルセデス・ベンツというトラディショナルなブランドをどれだけ楽しく見せられるか、そこにチャレンジしたいです。

Gクラスといえば黒と白が人気ですが、僕ならあえてそこは外す。

そしてこのイエローストーンのようなまず見かけない色を選んだり、いっそのこと錆びた感じのラッピングを施して枯れた感じを楽しんでみたいですね。

この最終型なら何の心配もなく長く乗れるでしょう。

ただ、新しい分どうしても価格は高くなってしまいます。
 

メルセデス・ベンツ Gクラス▲少し古めのGクラスならかなり安く手に入りますが、それを好きなようにいじるのが楽しいですよ

予算的に厳しいなら、認定中古車ではなくなりますが、2000年前後の中古車を探してみるといいですよ。

例えば190クラスのようにGクラスも古すぎるモノは逆に値が上がっていますが、これくらいの年式だと手が届きやすい中古車が見つけやすいですから!
 

メルセデス・ベンツ Gクラス(初代)

軍用車を民生用にアレンジして1979年に登場。以来、基本設計を大きく変えずに40年近く製造された。今回の取材車両である先代Gクラスは1991年に日本に導入された。この代からフルタイム4WDに。ベーシックな5ドアのロングボディの他、3ドアのショートボディ、オープンボディなどのバリエーションも用意された。2013年にはディーゼルエンジンを追加。2014年には六輪駆動のスペシャルモデル「G63AMG 6x6(シックス・バイ・シックス)」が限定発売された。2018年6月に3代目へとフルモデルチェンジ。
 

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/柳田由人

テリー伊藤

演出家

テリー伊藤

1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『ビビット』(TBS系/毎週木曜8:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。