「小さな子どもの送り迎えや、両親を乗せてお買い物に」というシーンが日常的にある家庭は少なくないはず。そんな時、多少運転が苦手でも、両親や子どもを一緒に乗せることができ、かつ取りまわしやすい5ナンバーサイズのミニバンは魅力的だ。さらに回転&昇降シートを備えていれば、足腰の弱った両親の乗り降りもラクになる。そんな1台が日産ラフェスタアンシャンテだ。

ベースであるラフェスタ(2004年12月~2012年12月)は、5ナンバーサイズで7人乗りのミニバン。最大の特徴は「パノラミックルーフ」と呼ばれる大型サンルーフを備えていること。同装備がない車は「パノラミックルーフレス仕様車」と注意書きを入れるほど、ラフェスタのアイデンティティのひとつ。空を眺めながらドライブできるので、子どもにも喜ばれる装備だ。さらに後部座席が両側スライドドアなので、子どもが駐車場で勢いよくドアを開けて隣りの車に傷をつけるといった心配はない。

このラフェスタに助手席回転&昇降シートを備えたのがアンシャンテだ。乗り降りしやすいよう、助手席シートが車外へ降りてきてくれる。片足で立つという動作をしなくてすむので、膝などに不安のある人でも楽に乗り降りすることができる。助手席以外は他のラフェスタと同じため、乗車定員も変わらないしシートアレンジも多彩。女性でも楽に取りまわせるサイズだから、毎日の子どもの送り迎えや両親の通院などにも使いやすい。

原稿執筆時点(2013年2月1日)でカーセンサーnetで5台見つかった。いずれも総額100万円以内で収まる。うち2台はパノラミックルーフを備えており、通常のラフェスタと比べても価格はほとんど変わらない。「ウチはまだ親が元気だから……」という人でも「オプションが付いていてラッキー!」という感覚でアンシャンテを選ぶのも手だ。そう頻繁に車を買い替えないのであれば、万が一の装備があったほうがいいだろう。

乗車定員/7名
リフト能力/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/470mm(2WD)
シートの車外飛び出し量/400mm(足元のステップ展開時477mm)
回転時足元スペース/310mm
車内シートスライド量/120mm

Text/籠島康弘

エンジンは2L、ミッションはCVT。2WDと4WDが用意されていた。ラゲージに車いすを簡単に収納できる電動収納装置のオプションもあった

エンジンは2L、ミッションはCVT。2WDと4WDが用意されていた。ラゲージに車いすを簡単に収納できる電動収納装置のオプションもあった

助手席は回転&昇降するほか、車内では電動でリクライニング&スライドすることが可能だ

助手席は回転&昇降するほか、車内では電動でリクライニング&スライドすることが可能だ