【福祉車両購入ガイド】トヨタ シエンタ 車いす仕様車
カテゴリー: 福祉車両 ニューモデルガイド
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2013/02/14
普段から車いすを必要とする家族がいる場合、みんなで出かけるとなると大きなミニバンが必要だと思いがちだが、必ずしもそうではない。コンパクトなミニバンでも車いすの方を含めて5~6人一緒に出かけることができる。例えば全長がトヨタプリウスよりも短い同社のシエンタ車いす仕様車は、その一例だ。
ベースであるシエンタ(2003年9月~)は、全長わずか4100mmながら3列シートを備えるコンパクトミニバンだ。1.5LエンジンとミッションにはCVT(4WDは4AT)が採用されている。後席ドアは両側ともスライドドア。2列目シートはレバーひとつで座面が上がり前方にスライドできるなど、シートアレンジが簡単にできるもの特徴だ。
センターメーターを採用したインパネはスッキリとしたデザインで、小物入れが車内に多数用意されている。子育てファミリーにはピッタリなサイズ&使い勝手のいいミニバンだ。
このシエンタに用意された車いす仕様車は、車いす1名+5名までのタイプIと、車いす1名+2名までのタイプIIがある。タイプIは3列目シートを、タイプIIではさらに2列目シートも省いて車いすを固定するスペースを用意している。車いすの乗降時にスロープの角度を緩やかにするために、電動で車の後部を下げることができるので、介助する人にも便利だ。
同クラスのミニバンと比べると、例えばホンダ フリードの車いす仕様車には6人乗りがあるが、車いすを乗せる場合は5名(車いす1名+4名)となる。他は3名(車いす1名+2名)がほとんどだけに、車いす1名+5名の6人乗りというシエンタのタイプIは、このサイズで多人数乗車の車いす仕様車を探している人には魅力的だろう。
原稿執筆時点で26台見つかるなど比較的選びやすいのも魅力。価格は車両本体価格で約35万~160万円と幅広い。グレードは2つあり、上級のGは助手席側の後席スライドドアが電動になりオートエアコンが備わる。日常のお買い物や子どもの送り迎えなどにも使いやすいコンパクトサイズながら、車いすの人と一緒に多人数で出かけることもできる貴重な一台。色や装備、走行距離などの条件を絞って、お気に入りの車を探してみよう。
乗車定員/6名(タイプI)
スロープ角度/8度
スロープ幅(内寸)/680mm
スロープ長/1325mm
スロープ耐荷重/200kg
Text/籠島康弘