三菱 デリカミニ▲2023年5月に発売された三菱 デリカミニ。愛らしいルックスながら本格的な走破性をもち、早くも人気モデルとなっている

待望の発売を迎えたデリカミニが好調! その理由は?

東京オートサロン2023での実車お披露目を経て、今年5月についに発売となった三菱 デリカミニ。

このモデルは、三菱のスーパーハイト軽ワゴンとしてラインナップされている「eKスペース」とプラットフォームを共有しており、デリカをそのまま小さくした車というワケではありません。

しかし、デリカ譲りのタフネスさを感じさせるエクステリアや、デリカと同じく使い勝手に優れるスライドドア、そして4WDモデルではタイヤ径を大きくして最低地上高を稼いでいる他、専用チューニングのショックアブソーバーも奢られており、こんな軽自動車が欲しかった! と思っていた人も多くいたことが人気の理由と言えるでしょう。
 

三菱 デリカミニ▲同社のデリカD:5をほうふつさせるデザインのデリカミニ

たしかにデリカのイメージを踏襲した軽自動車が登場することは喜ばしいことではありますが、何も軽のクロスオーバーSUVはデリカミニだけではないのです。

ということで、ここからはSUVテイストを合わせもった軽自動車の現行モデルの中古車を5車種ピックアップ。当然ながらすぐに乗り出すことができるのはもちろん、買い得感の高いものも多く、もしかしたらデリカミニよりもあなたに合った1台が見つかるかもしれませんよ!
 

 

ダイハツ タント ファンクロス(現行型)

ダイハツ タント▲通常のタントよりも全高が高く、よりアクティブな印象のファンクロス

スーパーハイト軽ワゴンの草分け的存在でもあるダイハツ タント。2代目モデルからは助手席側のBピラー(柱)が備わらないため(正確にはフロントドアに内蔵)、広大な開口部を実現する「ミラクルオープンドア」を備えているのも特徴となっています。

そんなタントは現行モデルが4代目となりますが、2022年10月に実施されたマイナーチェンジのタイミングで追加となったのが、SUVテイストをプラスした「タント ファンクロス」です。

このタント ファンクロスは、タントがもともともつ使い勝手の良さなどはそのままに、アウトドアシーンにも調和するアクティブ感とタフさを表現したスタイルの外装デザインをまとい、室内ではアウトドアレジャーに駆り出しても手入れのしやすい撥水シートや防水加工シートバックをプラスしています。

グレード体系はシンプルでターボエンジンを搭載した「ファンクロスターボ」とNAエンジンの「ファンクロス」の2種類のみで、それぞれ2WDと4WDが設定されています。
 

ダイハツ タント▲オレンジで統一された加飾で差別化が図られている

登場から1年未満のタント ファンクロスですが、中古車は900台以上の掲載があり、選び放題といったところで、走行距離も数千km台の低走行車や登録済未使用車などが多くを占めています。

価格も、一部社外パーツや大画面ナビなどが装着されているものは新車価格以上のものもありますが、基本的には新車よりも手頃な価格となっているため、新車を検討している人も並行して中古車をチェックするといいかもしれません。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(現行型)×ファンクロス×全国
 

スズキ ハスラー(現行型)

スズキ ハスラー▲丸いヘッドライトにスクエアなボディが特徴のハスラー

スズキにはジムニーという本格的なSUVモデルも存在していますが、そこまでガチなヤツじゃなくてもいいという人や、スライドドアまではいらないけれど5ドアの方が使い勝手がいい、という人に向けてリリースされたのが、2004年に登場したハスラーです。

その使い勝手の良さなどは言うまでもありませんが、そのポップでキュートなルックスにもファンが多く、2020年に登場した2代目となる現行型も初代のイメージを踏襲したスタイルとなっているのです。

そんなハスラーは2代目となり全車ハイブリッドモデルとなり、グレードは上級仕様の「HYBRID X」と通常仕様の「HYBRID G」が存在し、それぞれにターボとNA、2WDと4WDが用意されるといった体制。全車CVTとなり、初代に存在していた5速MTは消滅してしまっています。
 

スズキ ハスラー▲アウトドア用のタフなギアを連想させる車内のデザインも特徴的

2代目ハスラーの中古車は1800台以上の掲載があり、安価なものでは総額100万円ちょっとで狙えるものも登場してきています。ただ、最安値に近い物件は修復歴のあるものだったり、多走行気味のものが中心となるため、万人にオススメしにくいのも正直なところ。

一方、登録済未使用車などでは最上級グレードのHYBRID Xターボでも総額160万円台で狙えるものも存在しており、諸費用分は安く購入できるイメージです。
 

▼検索条件

スズキ ハスラー(現行型)×全国
 

ダイハツ タフト(現行型)

ダイハツ タフト▲最低地上高が高く、未舗装路なども走行しやすいタフト

ハスラーのライバル車種として2020年6月にダイハツが送り出したのがタフトです。ハスラーと同じくスライドドアは備わりませんが、かわいらしいイメージのハスラーに対し、車名のとおりタフなイメージのエクステリアが特徴です。

また、全車「スカイフィールトップ」と名付けられた助手席手前まで広がるガラスルーフを標準装備としており、高い開放感を得ることができるのもタフトの魅力のひとつとなっています。

グレードは上級グレードとなる「G」と通常グレードの「X」が存在し、ターボモデルは当初Gのみの設定となっていましたが、2021年5月にXにもターボモデルを追加設定。ただ、X系グレードにはアダプティブクルーズコントロールなどの運転支援装備がオプションでも選択できないので、G系グレードがオススメと言えそうです。
 

ダイハツ タフト▲多彩な収納スペースが用意された車内スペースは、使い勝手も優れている

そんなタフトの中古車は2200台以上の掲載があります。ただ、アクティブに使いたい人にオススメのターボモデルは500台弱と全体の1/4程度となってしまいます。

また、Gターボの走行距離1万km台の物件も総額130万円台で狙えるものが増えてきており、デビュー直後に買われた車両は間もなく初回車検を迎えるタイミングということもあって、狙い目と言えるかもしれません。
 

▼検索条件

ダイハツ タフト(現行型)×全国
 

三菱 eKクロス(現行型)

三菱 ekクロス▲三菱のデザインアイデンティティの「ダイナミックシールド」を採用し、存在感ある力強いデザインのeKクロス

実はデリカミニと大本のプラットフォームを共有するeKクロス。デリカミニとの一番の違いはスライドドアをもたないことと、他の三菱車と同じデザインテイストのダイナミックシールドのフロントマスクをもつという点です(デリカミニのフロントマスクも広義ではダイナミックシールドとのことですが)。

日産と共同開発で生まれたということで、日産 デイズとも兄弟車関係となりますが、よりSUVテイストの強いeKクロスには、ヒルディセントコントロールやグリップコントロールなど、悪路走行時にも心強い装備が備わる点が大きな違いとなっています。

グレードはベーシックな「M」、充実装備の「G」、ターボエンジンを搭載した「T」と3グレードで、M以外には運転支援システム「マイパイロット」がオプション設定されていましたが、2022年9月の改良で新たに「Gプレミアム」と「Tプレミアム」が追加され、マイパイロットはこれらのグレードにのみ標準装備される形となりました。
 

三菱 ekクロス▲9インチのタッチパネルが際立つ車内。シートなどの質感は高い

eKクロスの中古車は330台ほどと他のモデルに比べると少なめとなっていますが、他のモデルよりもクセのあるエクステリアデザインによって好き嫌いがハッキリしているのも影響しているようで、安価なものでは総額100万円を切るどころか80万円台のものも見つかるほど。

マイパイロット付きでも総額130万円台から見つけることができるため、ルックスが気に入っているのであれば非常に買い得感の高い1台となっています。
 

▼検索条件

三菱 eKクロス(現行型)×全国
 

スズキ スペーシア ギア(現行型)

スズキ スペーシアギア▲標準のスペーシアに比べ、その名が表すとおり「ギア」感が強調されている

デリカミニやタント ファンクロスのようにスーパーハイト軽ワゴン×SUVの先陣を切ったのが、2018年12月に2代目スペーシアに追加された「スペーシアギア」でした。フロントマスクには丸型ヘッドライトを採用し、アンダーガード風のデザインのバンパーなどを装着するのはスペーシアギアが最初に採った手法だったのです。

通常のスペーシアの魅力はそのままに追加されたのは、より積載性をアップさせるのに寄与するルーフレールの標準化や、撥水加工を施したシート表皮や防汚タイプのラゲージフロアやシートバック背面などでアウトドアレジャーに対応しているのもスペーシアギアならでは。

スペーシアギアもハスラーと同じく全車ハイブリッドモデルとなっており、ターボエンジンを搭載した「HYBRID XZターボ」とNAエンジンの「HYBRID XZ」の2グレードを設定。エンジン以外の装備差はほとんどないので、アクティブに使うのであれば余裕のあるターボモデルを選びたいところ。
 

スズキ スペーシアギア▲撥水加工のシート生地や防汚タイプラゲージフロアを採用し、本格的なアウトドアユースにも対応

スペーシアギアの中古車は800台ほどが掲載されており、両側パワースライドドアを備えるモデルでありながら、最古参のモデルということもあってか、最安値の物件では総額100万円を切るものも登場しつつあります。

とはいえ、どうせ狙うならターボモデルかつ、アダプティブクルーズコントロールが追加された2020年8月以降のモデルにしたいところ。この条件でも総額150万円以下で走行距離3万km未満の物件もヒットするようになってきており、充実装備のスーパーハイト軽ワゴンのクロスオーバーSUVを狙っている人にはオススメとなりつつあるようです。
 

▼検索条件

スズキ スペーシア(現行型)×ギア×全国

今回は新車でも買うことができる軽のクロスオーバーSUVモデルを一気にご紹介しましたが、どれも特色があり、予算はもちろんのことどのような使い方をしたいのか、どんなデザインの車が欲しいかによって様々な選択肢があることがお分かりいただけたのではないでしょうか?

新車を検討している人も、中古車を並行してチェックすればお買い得な即納物件が見つかるかもしれませんよ!
 

文/小鮒康一、写真/尾形和美、篠原晃一、阿部昌也
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。