“大人好み”に仕立てられたリトラクタブル・ファストバック、マツダ ロードスターRF(プロトタイプ試乗)
2016/12/24
▲ファストバックの美しさとオープンエアの楽しさを両立させた、マツダ ロードスターRF専用の2Lエンジンは、粘り強く扱いやすい
RFとは「リトラクタブル・ファストバック」、すなわちルーフが格納できるファストバックを意味する。ファストバックとは、Aピラーからのルーフラインがなだらかに傾斜しながらリア後方に流れるデザインを指す。このフォルムは後部に厚みが出るため、ソフトトップ仕様に比べ、往年の美しいスポーツカーが備えていたような「ロングノーズショートデッキ」のプロポーションに近づくのだ。
▲RFのリアビュー。ルーフがリアへ伸ばされたようなフォルムが特徴。これによりルーフを閉じれば、美しいクーペスタイルに変身する
▲電動開閉式のリトラクタブルルーフ。ソフトトップ仕様のように全開ではなく後方のピラーが残る仕組みだ搭載するエンジンは専用にあつらえられたSKYACTIV-G2.0 2Lガソリンエンジンだ。これに6MTまたは6ATのトランスミッションが組み合わされる。
▲標準ロードスターの1.5Lエンジンの最高出力が131馬力なのに対し、RFの2Lエンジンは158馬力となるまず印象的だったのが剛性感。ドアを開けた瞬間にソフトトップとは異なる重厚さが感じ取れる。ルーフを閉じた状態では、さすがに走行中の静粛性が良い。高められたシャシー剛性もそれに一役買っているはずだ。ルーフの開閉はスムーズ。信号待ちの間にスイッチ一つで素早くルーフを開けられる。オープン走行でも、剛性の高さを実感。風の巻き込み加減もちょうどいい。スタイリッシュなデザインと高い剛性感がもたらす上質な走りは、十分に“大人好み”のレベルをクリアしている。
SKYACTIV-G2.0は、フライホイールのチューニングによってブリッピングもレスポンシブ。MTで2速から一気に5速までシフトアップしても、エンジンはしっかり粘ってくれる。乗り心地もしっくりとして、とても快適だ。ATも同様に乗りやすく、アクセルを踏み込んでも不必要なキックダウンをしないで粘り強く速度を乗せる。ATであるが歯切れの良いシフトアップがスポーツカーの要素を高める。走りの面でも“大人好み”に仕上げられている印象だ。
ライトウェイト2シーターのロードスターが、これほどまで大人のファストバックに変貌してしまうのかと驚きである。
▲上質なコックピットデザイン
▲ルーフを格納した状態でもトランクスペースは犠牲にならない【SPECIFICATIONS】
■グレード:RS ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1997cc
■最高出力:116(158)/6000 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:200(20.4)/4600[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD(FR) ■トランスミッション:6MT
■全長×全幅×全高:3915×1735×1245(mm) ■ホイールベース:2310mm
■車両重量:1100kg
■JC08モード燃費:15.6(㎞/L)
■ガソリン種類/容量:ハイオク/45(L)
■車両価格:373.68万円(税込)
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