ミーティング▲20代のクラシック/ネオクラシックカーミーティングに同年代の編集部員芝本が潜入

車好きと、ちょっと変わった車が集まると話題の、神奈川県三浦市にあるリバイバルカフェ。古い蔵をリノベーションしたこのカフェを会場に、20代中心のクラシック/ネオクラシックカー乗りのミーティングが開催されると聞き、同じく20代のカーセンサー編集部員・芝本が潜入取材に向かった。

じつは芝本、比較的新しい車を所有しているが、古い車に興味はある。というものの初めの一歩を踏み出す勇気がないそうで、取材を口実に相談に乗ってもらおう! という魂胆らしい……。

潜入取材後編は、この日集まった総勢15台の個性的な車の中から「シトロエン BX」「シトロエン C6」「シトロエン GS」「シトロエン C2」「ホンダ S2000」「バンデンプラ プリンセス」のオーナーのみなさんにお話をうかがった。

旧車・ネオクラ車の初めの一歩、教えてください!

――ご歓談中のところおじゃまします、カーセンサー編集部の芝本といいます。じつは古い車に興味ありつつ初めの一歩が踏み出せないでいるんですが、みなさんはどんな感じで足を踏み入れたんですか?

立石 うーん、俺なんかは今のBXが1台目っていうわけじゃないから……今1台目の人っている?
 

BX▲立石さん(28歳)の愛車・84年式シトロエン BX

松岡・山北 はい。

――C2にGSですか。初マイカーがシトロエンなんて怖くなかったですか?

松岡 家がずっとフランス車乗ってたんで、買うならプジョー、シトロエン、ルノーの3社しかないと思ってました。親の代から家族ぐるみでお世話になってるお店から「いいの入ったから見に来れば?」って声かけてもらって、見たら欲しかったから買っちゃった。


C2▲松岡さん(22歳)の愛車・2006年式シトロエン C2

山北 ショップと親の代からの付き合いなんて、正直うらやましいな。僕の家族は全然車好きじゃなくて、もう国産車しか乗り継いでない家なんですけど、近所にシトロエンのショップがあって。子供の頃からいつか欲しいなって。
 

GS▲山北さん(27歳)の愛車・75年式シトロエン GS

――とはいえ、車好きだからこそ、フランス車のいい話も聞けばよからぬ噂を耳にする機会もあるわけじゃないですか。

山北 憧れが勝ったんでしょうね。車欲しい何にしようっていうんじゃなくて、シトロエンが欲しかったんです。ただどうしてもお金はかかるだろうなとは思ってたんで、就職してから3年分のボーナスは全部貯めてました。

立石 じゃあ貯めてから買ったの?

山北 うん、キャッシュで。修理でローンを背負おうことになると思ったから。

――すごい覚悟だ!

山北 そのお店でそのままメンテナンスもお願いしてるんですけど、そこのオーナーさんがGS乗ってたこともあってすごい詳しいんですよ。何回も通ってると仲良くなって、安く直す方法を考えてくれたりして助かってます。

――たまたま近所にいいご縁があったなんて、それもまたうらやましいですよ!

山北 初めてお店に入るときは勇気いりましたけど、信頼できるショップといい関係を築くのは大切だと思います。
 

鈴木 僕のC6は友だちが乗ってた個体。友だちが買ってきたとき、いいなーって言ってたら手放すときに声かけてくれて。今手に入れて2年ちょっと経ちますけど、全然痛い目は見ていないですよ。

C6▲鈴木さん(28歳)の愛車・2007年式シトロエン C6。この日はパートナーのマカロニさん(28歳)と一緒にやって来た

――知り合いから譲ってもらうっていうのは安心感ありますね。

KD 自分は生まれつきというか、1歳くらいから車が好きで。5歳くらいから車貯金を始めて、お年玉とかクリスマスプレゼントも現金でもらって全部貯めて、初めての車はアルファ スパイダー買いました。当時まだ17歳で免許取ってなかったんで、1学年上の友人に試乗してもらって横に乗せてもらって。

――熱量が半端ないですね。

KD とはいえ、家には常に普通の車があったんで、万が一壊れてもいいやって、古いのに行けたっていうのはあります。軽バンでもなんでもいいんで、安心して動くやつがあれば、どんな車でも買えるんじゃないかな。

――たしかに先ほど向こうでお聞きしてても、やっぱり2台以上持ちの方が結構いてました。

KD それに普段使いできる車があれば、大事にしたい車を温存して長く乗れると思いますよ。

――じゃあ費用対効果でいえば、2台持つ費用よりも、効果の方が上回るってことですか?

KD そう思います。しかもキャラの違う2台を持つと、使い分けできていいなと思いますね。

S2000▲KDさん(26歳)の愛車・2006年式ホンダ S2000

ゆき 私もバンプラを買ったときは、ミニを普段用として使い分けてました。乗り始めてみたらバンプラが意外とタフで、最近はもう雨が降ろうが特別扱いせずに通勤でも買い物でも気分に合わせて好きな方に乗ってますけど。

バンプラ
バンプラ▲ゆきさん(30歳)と愛車・71年式バンデンプラ プリンセス

――気分で選べるなんて最高ですね。

鈴木 それから、最初に本当に好きな車を本当に好きな仕様で買うっていうの、僕は一番大事な気がします。もしどこか壊れてもこの子のためならがんばろうって思える。何かトラブルがあったときに「このお金あったらあのとき欲しかったあれ買えるな」って思いたくないんで。

立石 俺も中身よりもボディ。それが後々愛着も湧くかなって思うな。色とか仕様ってなかなか変えられないからね。すぐ見つからなくても、時間がかかってもこだわった方がいいんじゃないかなと思います。

GS

――さっきも買っちゃえばなんとかなるって言われたんですけど、すごくふに落ちました。本当に好きなこだわりの車ならなんとかしたくなるってことですね。

マカロニ 私も昔ランチア イプシロンのMOMOデザインに乗ってたんですけど、それが柿みたいな色と黒のツートーンだったんです。手放しちゃってからやっぱりあの色よかったなってカーセンサーとか見ても全然出てこなくて。惹かれる色って絶対あるし、大事だなって。

ゆき たしかに。

――そうだ、ゆきさんは初めてのマイカー、初代ミニのボディカラーが気に入って、もともとCVTだったのをMTに換装しちゃったってお聞きしました。

ゆき はい、そうなんです。

――いやオールペンの方がどんだけ簡単かと思っちゃいますけど(笑)、よっぽど惚れ込んだ車なんですね。とはいえ、さすがに壊れまくったら心折れそうなんで、いい個体やいいショップに巡り合うコツがあれば教えてください。

KD 先駆者として、いろいろショップ試して失敗してる人もいるんで、そういう人のオススメのショップに○○くんの紹介ですって言って持ち込むのが、ちょっとずるいかもしれないけど一番早く当たりを引けるんじゃないかな。壊れやすい類の車に乗ってたときはそうしてました。

――そういう人に出会うにはやっぱり自分でイベントやミーティングに参加して、足で稼ぐんですか?

KD 乗りたい車が決まったら、違う車種に乗っててもそのイベントに行って、いつか欲しいと思ってるんですって名前売っておくと、その集まりで手放す人が出たときに「いらない?」って話がきたりするんですよ。

――それはいいですね! 最初の一歩が踏み出せない僕なんかは、自分にはそういう環境がないとか言い訳しがちですけど。

KD 最初はみんななかったわけで。

山北 そうやって動いてると、自然と縁が寄ってくるっていうのもありますよね。

マカロニ みんな好きだから、乗りたい車があるっていったら、わーって情報くれるんですよ。だから気になるイベントにはどんどん行った方がいいですよ。

マカロニ

KD たまたまイベントで見かけた、それまで意識してなかった車が、意外とかっこいいって思ったりすることもあるし。「横乗ってみる?」って言ってくれるオーナーさんもいて、乗ってみたらよかったってこともありましたしね。

――うわあ、イベントは出会いの玉手箱や~! なんだか最初の一歩が踏み出せそうな気がしてきました。ありがとうございました。

鈴木 ぜひ踏み出してみてください。

立石 約束ですよ! ナ!(圧)
 

文/竹井あきら、写真/阿部昌也 取材協力:リバイバルカフェ(〒238-0114 神奈川県三浦市初声町和田2650‐3)
 
竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。