【オンリーワンを探せ】39年前に登場した初代シビックのスポーティモデル
2014/03/24
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2014年3月17日に発見したのは「ホンダ シビック」です。「シビックのような量販モデルが1台しかないの?」とお思いでしょうが、実はコレ、39年前に販売されていた初代シビックの「RS」モデルなんです!
「RS」はレーシングスポーツではなく、ロードセーリングの意味!?
車名のシビック(CIVIC)は、英語で「市民の」という意味です。ホンダは、1972年に本格的に輸出を見越した小型車を投入。オイルショックがあった1973年には、米国の排気ガス規制法「マスキー法」を世界で初めてクリアした「CVCC(Compound Vortex Controlled Combustion)」エンジンで注目を集めました。
「RS」は一般的にはレーシングスポーツを指し、スポーティなモデルであることを予感させます。もちろんシビックRSはシビックのスポーティモデルですが、奇しくもオイルショックによって省エネが叫ばれた時代だったので、ホンダはRSをレーシングスポーツではなく「Road Sailing(ロードセーリング)」と呼んだんです(笑)。
エンジンは同年式の1.2Lモデル、最高出力69psだったものを76psまで引き上げて採用。組み合わされるトランスミッションは5速MTでした。もちろん、足回りも引き締められています。
ボディは全長3650mm×全幅1505mm×全高1320mmですから、軽自動車よりちょっと大きい程度。車重は705㎏しかなく、当時はキビキビした走りでファンを魅了しました。ちなみに、FF特有の「タックイン(コーナリング中にエンジンのアクセルを戻すとハンドルを切っている方向に急激に切れ込む現象)」がキツめだったそうです。
新車時登録から39年を迎える当該中古車は、それなりの「古さ」を感じさせます。でも、新車時にさほど“高級”でなかった車が廃棄されず残っていることに価値があるんです。
車両価格78万円が高いか安いかは各々の判断によるでしょう。昔の思い出がよみがえる人もいるでしょうし、今ではめったに見かけない39年前の車に純粋に価値を見いだす人もいるでしょう。デザインは可愛らしいですし、嫌味な雰囲気はまったくありません。アンティーク時計を身に着ける感じで、ネオクラシックなカーライフを送るのもオツなものです。
Text/古賀貴司(自動車王国)
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