▲ホイールベースが50mm延長されると同時にリアデッキの存在感が弱められてクーペ風のスタイルに生まれ変わる次期カムリ。後ろ上がりのプレスラインは、往年のスカイラインのようだ ▲ホイールベースが50mm延長されると同時にリアデッキの存在感が弱められてクーペ風のスタイルに生まれ変わる次期カムリ。後ろ上がりのプレスラインは、往年のスカイラインのようだ

TNGAシャシー&エンジンでメカ一新

日本語の「冠」に由来するネーミングを世界中で掲げている、トヨタ カムリが2017年にフルモデルチェンジされる。次期型では、TNGA新世代シャシーと新開発のコンポーネントを採用。加えて、外観フォルムも大きく変更されるようだ。

まだFR方式が一般的だった80年代前半から、いち早くFFプラットフォームを用い、広いキャビンを売りに掲げてきたカムリ。モデルチェンジのたびにサイズが拡大され、海外でも通用する3ナンバー幅のワイドボディを身につけてから久しい。そんなカムリがスポーツセダンへと大きく舵を切る。

10代目となる次期型の最大の変更は、エクステリアだ。先に述べたように、カムリといえばシンプルで無個性な印象が強いが、流行りのクーペルックを取り入れる模様。

予想イラスト(記事上部のメイン画像)をご覧いただきたい。特に目を引くのがリアクォーターピラーとバックウインドウの傾斜角だ。なだらかなシルエットを作り出して、スペシャリティカーを連想させるテイストが用いられている。独立したトランクを継承しながらも、流麗なフォルムが与えられる見通しだ。

これには、日産が北米で販売している大型セダンのマキシマがスポーティに生まれ変わったことも多少、影響しているのかもしれない。

▲カムリの主戦場である北米では、日産がマキシマ(写真)を大きく路線変更させて、迫力あるマスクとスポーツセダンをイメージさせるスタイルが与えられた▲カムリの主戦場である北米では、日産がマキシマ(写真)を大きく路線変更させて、迫力あるマスクとスポーツセダンをイメージさせるスタイルが与えられた

北米ではスポーティな2.5L直4ターボを新設定。日本はハイブリッドのみ

デザインと並んで注目したいのが、メカニズムだ。次期カムリには、トヨタの車づくりの基本である、TNGAが反映される。プリウスよりひとクラス上の次世代版Kプラットフォームが用いられるようだ。ホイールベースは、現行モデル比+50mmの2825mmに延長される。

パワートレインはどう変わるのか。国内向けは、引き続きハイブリッド仕様のみがラインナップされるが、TNGAの新世代2.5Lアトキンソンサイクルが与えられる予定だ。

プリウス同様、リダクション機構に平行ギアを使う新しいハイブリッドユニットが起用されるのも見逃せない。駆動用モーターも車体の大きさに合わせて、プリウスよりも高出力のものが用いられるという。

北米仕様には、ルックスに見合ったスポーティなユニットも用意される。2.5Lの直4ターボだ。ダウンサイジングユニットながらも、ターボチャージャーを装着することで、強靭なパワーを発揮。それでいて、高効率な燃焼も実現して優れた実用燃費がもたらされるだろう。

これに伴って、V6エンジンはラインナップから姿を消すかもしれない。セダン需要が少ない国内では、ターボモデルが販売される計画はない模様。ぜひとも、導入してほしいものだが。

▲北米では、2014年に外板パネルの大半が一新されるという、フルモデルチェンジ並みの改良が加えられた。スポーティな印象が強められている ▲北米では、2014年に外板パネルの大半が一新されるという、フルモデルチェンジ並みの改良が加えられた。スポーティな印象が強められている

※2016年3月1日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2017年9月
■全長x全幅x全高:4880x1840x1430(mm)
■搭載エンジン:2.5L 直4+モーター

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ、日産