車は良妻賢母型より小悪魔型の方が何かと盛り上がる?
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2014/12/26
▲筆者こと不肖伊達軍曹の個人所有車である11年式ルノー メガーヌRSモナコGP。箱根にて
しなやかなシャシースポールは絶品だが、同時に物足りなさも
いわゆるSMプレイではないが、物事というのは何らかの足かせ的なモノが付帯している方がより盛り上がるのかもしれない……と思うに至った。それは、私事になるが筆者が購入した11年式ルノー メガーヌRSモナコGPという車に2ヵ月ほど乗ってみての率直な感想である。
ご承知の方も多いと思うが、現行メガーヌRSのモナコGPというのは、11年10月に全国30台限定で発売されたモデルであり、通常のメガーヌRSと比べるとかなり快適な若旦那仕様になっている。エンジンは前期RSと同一だが、シャシーはかなり引き締まった「シャシーカップ」ではなく、街乗りに適している「シャシースポール」。そしてフロントシートもカタログモデルは超硬派なフルバケットだが、モナコGPはルノーによくある普通の本革スポーツシートだ。
▲30台限定のモナコGPは、中年にやさしいソフトでたっぷりしたサイズの普通な本革スポーツシートを採用
……以前カタログモデルのメガーヌRSに試乗した際、筆者は「素晴らしい車だが、街で乗るには少々ツラい」と判断した。前述のシャシーカップとフルバケットシートはサーキットや峠道などでは最高なのだろうが、街乗りメインの中年男(わたくしのことだ)にとっては硬派すぎるというか、加齢により身体も硬くなっているため「そもそも乗り降りがツラい」と感じたのだ。
▲こちらが通常の現行メガーヌRS。レカロ製の超本格的バケットシートとなる
それから約2年。ひょんなことからシャシースポール+普通のシートであるレアなモナコGPを発見した筆者は、ほぼ即決で購入した。そして、それによりウルトラ大満足できる予定だった。
……しかし、意外とそうでもなかった。
いやもちろん満足はしているのだ。相変わらず素晴らしいエンジンであり、シャシースポールは想像していた以上にしなやかで、そして中古車としてのコンディションも申し分ない。だが、どこかで「シャシーカップ+フルバケットでヒーヒー言ってる自分」の方が幸せだったかも? と夢想している部分もあるのだ。
メガーヌRSモナコGPは、車幅が広すぎることと後方視界が悪いことを除けば「街で乗るスポーティな車」としては非の打ち所がないと個人的には思っている。しかし、あまりにも非の打ち所がないだけに、ついつい「非」を求めてしまうのだ。非の打ち所がない存在には「物足りなさ」を覚えてしまうのである。
……人間というのは勝手なものだ。この状態というのは、「器量も性格も料理の腕も申し分なく、自分を常に立ててくれる配偶者」というのはほぼ理想的であるはずなのに、なぜかそこに物足りなさを感じ、ある意味性悪な異性に走ってしまう……という、よくあるケースと同じなのかもしれない。問題は根深い。
根深いがしかし、「まぁ人間そんなもんさ」と諦観するならば、「気立てが良い車」ではなく「性悪な車」を狙うことこそが、もしかしたら我々濃い口の自動車愛好家にとっては幸せに通ずる道である可能性は高い。
「性悪な車」というと、故障の巣窟ともいわれる古いマセラティや、宇宙一壊れる車と噂されるランチア デルタインテグラーレなどが頭に浮かぶが、さすがにそれらを選ぶのはハードすぎるプレイになってしまう可能性もある。もう少しソフトで一般的なプレイを……と考えた場合、最適な足かせは「シートの数があんまりない」「そもそも屋根がない」といったあたりになるだろう。つまりは「オープン2シーター」である。
▲例えばロータス エリーゼS。これ1台で買い物までこなしている若夫婦を取材したことがあります
「自家用車は常に2台以上体制です」という人は別として、1台ですべてを賄おうとする人がオープン2シーターに乗るのはいばらの道である。そう多くはないにしても人を乗せたり荷物を載せる機会もそれなりにあるのが大人というものであり、そもそも雨が多い日本ではオープンカーは何かと不便な局面も多い。しかし「だからこそ愛おしい!」と強烈に思える瞬間は、何一つ不便な点がない車に乗る場合と比べて格段に多いはずなのだ。
まぁこれは極論であり一つの例にすぎないわけだが、その人なりの「いばらの道」こそが実は本当の快楽に通じているのだと、真剣に思うに至ったメガーヌモナコGPとの2ヵ月間であった。
ということで今回のわたくしからのオススメは、あくまで一例だが「輸入オープン2シーター」だ。
- Search the selection!
- Conditions:オープン&2シーター&禁煙&記録簿アリ
この記事で紹介している物件
フェラーリ
F8スパイダー F1 DCT エンジンカバーカーボンファイバー製 サスペンションリフター フロントバンパー前部カーボンファイバー ドライバーゾーンカーボン センターブリッジカーボン製 内装レッドアルカンターラ ツートーンボディ
本体価格4679.0万円
支払総額4719万円
アストンマーティン
ヴァンテージ Roadster V8ターボ レッドレザーシート 赤幌 LEDヘッドライト 20インチブラックサテンアルミホイール シートヒーター ベンチレーション
本体価格2690.0万円
支払総額2740万円
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
空冷ポルシェ 911こそ、いま選ぶべき「最後のアナログ・スポーツカー」だ!【カーセンサーEDGE 2026年2月号】
スーパーカー界の2025年を振り返る。何が起こるかわからないエキサイティングな年だった!【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”「バブルが生んだ国産オープンモデル」編
「ネオクラ・メルセデス」がアツい! 正規ディーラーも参入するほど中古車市場でいま静かに熱を帯びているR129型、W124型に注目!
あの名車は今? その後継モデルたちは……20年という時の流れは車をどう変えたのか。SL、ムルシエラゴ、911…
メルセデスの名車に乗る|W201型からSLS AMGへ。“ネオクラとAMG覚醒”をいま読み解く【カーセンサーEDGE 2026年1月号】
優先すべきはヘリテージか 経済効率? マセラティのモデナ回帰にみるブランドの価値とは【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
“いまは”日本未導入のGAC(広州汽車集団)AION Y Plusに試乗してきた!
プロショップで聞いた600万円前後で狙える初代 ポルシェ マカンのリアル! 狙うは前期型の高性能グレードか? それとも後期型のベーシックグレードか?









