「Gクラス×安全運転」こそ勝利のモテ方程式と見つけたり?
2016/06/24
▲「ゴツくていかついメルセデス・ベンツGクラスで紳士的な運転をすれば、それだけでモテる!」という筆者ですが、そのココロは?地味なセダンではなく「Gで一時停止」することに意味がある
「人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた」というのは週刊文春でみうらじゅんさんが連載しているエッセイの書き出しだが、そこまではいかずとも、1日のうち3分の2は「どうしたらモテるか?」について考えている不肖筆者だ。特に職業柄、車を通じたモテについて考えている。
その過程で最初に出した結論は、「紳士的な運転さえ心がければ、車種不問でモテるのではないか?」ということだった。
というのも、世の中を見回すと人々の運転がとにかくひどい。例えば信号機のない交差点で横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいても、道交法どおりに停止するのは筆者調べによれば30台に1台程度。いやはやまったく世も末である。
▲筆者自宅近所の信号機のない交差点。中年女性が横断歩道を渡ろうとしているが、筆者が見ている間、停止した車は残念ながら皆無だったしかし逆に考えれば、これは(ある意味)チャンスでもあるはずだ。
多くの人々の運転がそういった畜生道に堕ちている中、自分だけは前記シチュエーションでもきちんと停止し、スマイリーなアイコンタクトで歩行者に横断をうながす。そうすればそれだけで、横に乗っている妙齢婦女子は紳士たるわたくしを尊敬のまなざしで見つめ、そしていつしかそれは「恋愛感情」に変わる可能性も大。で、もしもそうなる際には、わたくしが運転している車の車種など気にもならないはず……というのが当初立てた仮説だ。
しかし、それだけではちょいと弱い。
例えば地味なチノパン+チェックのボタンダウンシャツで地味な国産セダンに乗っているマジメそうな男性がそれをやっても、そこには「意外性」と「ギャップ」がないため、どうしたって婦女子の心には響きにくい。「いい人」とは思われるのだろうが、それで終わりだ。モテるためにはもっとこう、「いかにも一時停止しなそうな車に乗ってる一時停止しなさそうな人が、スマイリーに一時停止する」という意外性が必要なはず。
であるならば、ここはやはり「ベンツ」だろう。それも「Gクラス」であれば最強だ。
▲初代は「NATO軍用車の民生版」として1979年に登場したメルセデス・ベンツ Gクラス。1989年のフルモデルチェンジで「W463型」となり、現在も様々なマイナーチェンジを受けながら販売中要するにモテの決め手は「壮絶なギャップ」
ふた昔前はイケイケでオラオラなメルセデスといえば大型ないしは中型のサルーンが中心だったが、今やそれらに乗っているドライバーは(筆者調べによれば)鷹揚な運転をしている場合が多く、メルセデスの中でイケイケかつオラオラなイメージがあるのはAMGを中心とするGクラスだろう。もちろんGクラスオーナーがオラオラ運転をしていると決めつけるわけでは決してなく、「世の中的にそういったイメージがある」という風評部分の話である。
で、世のトレンドを見ても今いちばんイケてる(とされている)のはSUVであり、婦女子の皆さんも一般的に、アイポイントが高く、そしてがっちり守られている感のある大型SUVは好きらしい。……妙齢婦女子の知り合いがいないため確証は持てない筆者だが、どうやらそうらしい。
そんな(一見すると)イケイケでオラオラな、婦女子の皆さんにも非常に人気が高いらしいメルセデス・ベンツ Gクラスに乗り、空いている安全な道ではそれなりに快走する。しかし、信号機のない交差点で歩行者の横断意思を視認したならば可及的速やかかつスムーズに、そしてスマイリーに一時停止する。……この壮絶なギャップがモテを生むのではないか? 生まないまでも、大きなきっかけになるのではないか? それが、1日のうち3分の2は「どうしたらモテるか?」について考えている不肖筆者が出した結論というか推論だ。
▲Gクラスには3ドアのショートホイールベース版と5ドアのロングホイールベース版があり、人気が高いのは写真のロング版。全高はかなりあるが、全幅はさほどでもないため、実は都市部の狭い住宅街などでもさほど運転が苦にならないタイプの車だすべてが普遍的。だから10年後も(たぶん)古びない
もちろん筆者は、こういった小賢しい策略にのみ基いてメルセデス・ベンツ Gクラスを推奨しているわけではない。「Gは車としても大変素晴らしいから」という当たり前の話をベースにしていることは言うまでもない。
メルセデス Gクラスの何が素晴らしいかといえば、その(純粋なメルセデス製サルーンとはまた別のニュアンスの)硬質な乗り味や、本格的な悪路走破性能など様々あるが、いちばんの魅力は「ちょっとやそっとの時間経過では絶対に古びない」という点にあるのだろう。
Gクラスは1979年の初代登場時から根本的な部分はさほど変わっていないのに、37年たった今でも古くささをいっさい感じさせない。理由は、Gクラスとは「トレンド」ではなく「普遍的な何か」であるからだ。ということは、やや大げさに言えば今から37年後の2053年においても、メルセデス Gクラスは「ぜんぜん古びて見えない普遍的な車」として君臨している可能性がある。
もちろん2053年の自動車をとりまく環境は様々な点で今とは様変わりしている可能性大であるため、これはあくまで壮大なホラ話にすぎない。しかしGクラスという車がやたらめったら「旬の時期が長い車」であることだけは間違いないはずだ。
▲これ以上何の足しようも引きようもないGクラスのリアビュー。シンプルさの勝利だ
そのように長く愛することができて、硬派で硬質で、そして紳士的な安全運転を心がければ婦女子にモテる可能性も生まれるGクラス。新車や高年式中古車は900万円以上となる場合がほとんどだが、01~06年式付近の中古車であれば走行7万km未満の物件であっても車両価格500万円以下で狙えるケースは多い。
もちろん信頼性や「しゃれた内外装」という点では新車または高年式中古車を選ぶのがベストではある。しかし、販売店できちんとケアされた物件を選ぶ限りにおいては、01~06年式付近でもいまだバリバリの現役であり、しっかり丁寧に育成すれば10年後、20年後もバリバリの現役である可能性は高い(20年後の手動運転内燃機関車がどういう扱いを受けているかはさておき)。
そうであるからこそ、「モテ」のためにも「自動車趣味」のためにも、手頃な塩梅のGクラスにぜひご注目いただきたい筆者なのである。
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