ホンダ N-BOX ▲マイナーチェンジか? と勘違いしてしまいそうなほど現行モデルに似たルックスで登場する次期N-BOX。穏やかな印象の標準車にはボディ同色グリルが踏襲される

新型N-BOXの外観デザインはどうなる?

日本で一番売れている車、ホンダ N-BOXが5年半ぶりに一新される。国内専売車とあってコストの制約は避けて通れないが、3代目は想像以上に厳しい環境下で開発されているという。

まず、標準車のエクステリアだが、好評を博して息の長いヒット作へと成長したことを受け、次期モデルはキープコンセプトのまま刷新されることが判明した。

すなわち、フロントマスクでは四角く成形されたヘッドランプハウジングの中にリング状のポジションランプが置かれ、Nシリーズ共通のモチーフが受け継がれる。ボディ側面、リアビューなど新旧モデルの差は間違い探しレベルにとどまりそうだ。
 

ホンダ N-BOX▲大ヒットした初代の成功を受けてプラットフォームやエンジンがリニューアルされた現行モデル。安全デバイスも強化され全車に標準装備されている。モデルチェンジ後も快走を続けているのは周知のとおり
ホンダ N-BOX▲現行モデルに合わせて開発された「i-VTEC」採用のエンジン(写真)は世代交代後も引き続き用いられる。電動系デバイスは起用されず純エンジン車に仕上がる

新型N-BOXのプラットフォームやメカニズムは?

では、プラットフォームやメカニズムはどう変わるのか。結論から言うとなにも変わらない。

大半のコンポーネントは流用される予定で、最大の理由は国内専売車でコストをかけられないからだ。

軽自動車マーケットではスズキが8年以上も前に「ISG(スターター兼ジェネレーター)」を実用化して、電動化に先鞭をつけた。対するダイハツはシリーズ式ハイブリッドの開発を進めている。

となるとホンダの動向も気になるところだが、残念ながら次期N-BOXは電動化の予定もなく、モデルライフが20年代半ばに差し掛かるにもかかわらず純エンジン車として登場する。「しょせん国内専売車だからコストをかける必要もなかろう」との冷遇ぶりが透けて見える。

今後ホンダが国内市場を従来ほど重要視しない予兆は、2023年1月に発表された組織運営体制の変更であらわになった。現在6つに別れている地域本部が、「北米」「中国」「統合」の3つに集約される。

海外と比べて販売台数の少ない日本市場は、「その他もろもろ」に組み込まれるわけでますます予算取りも厳しくなることだろう。

超キープコンセプトで登場する次期N-BOXは国内の新車販売ランキングで首位の座を死守できるだろうか? 収益面での貢献度が大きくない軽自動車への依存度をいかにして下げるか、そろそろホンダは本腰を入れて対策を練るべきだろう。

※2023年3月22日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2023年12月
■全長×全幅×全高:3395×1475×1790(mm)
■搭載エンジン:660cc 直3
 

文/マガジンX編集部
写真/マガジンX編集部、ホンダ