N-BOX▲登録車(軽自動車以外の乗用車)を含む新車販売台数が、2021~2023年度の3期連続で日本一になったホンダ N-BOX。現行型(3代目)は2023年10月に登場した

超人気モデルのホンダ N-BOXが、デビューから丸1年

日本一売れている車、ホンダ N-BOX。2023年10月に現行型(3代目)へとフルモデルチェンジしても、その“日本一っぷり”は健在で、2024年の上半期(1~6月)の新車販売台数ランキングでは、登録車トップのトヨタ カローラを抑えナンバー1を獲得した。

そんな超人気モデルの現行型N-BOXだが、デビューから1年を迎える。

今回は、この節目のタイミングで、現行型N-BOXの中古車価格や流通台数などをチェックし、今の狙い目はどんな物件なのか考えてみることにしよう。
 

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ホンダ N-BOX(3代目・現行型)×全国
 

「日本一売れる車」は、中古車も爆速で増加している!

現行型ホンダ N-BOXの新車が売れているのは前述のとおりだが、これだけ売れると中古車市場へ流通するN-BOXも増えている。

まずは、下記の延べ掲載台数を示したグラフを見てみよう。
 

N-BOXの延べ掲載台数推移

デビューから2ヵ月後となる2023年12月時点で、現行型N-BOXの流通量は631台。ミニバンやSUVと比べたらこれでも十分多いのだが、現行型はここからの伸びがすごかった。

翌2024年1月には1000台をあっさり突破し、6月には3000台超、8月にはなんと5115台も流通するようになった! 1年もたたないうちに初代N-BOXの中古車流通量を超え、2代目N-BOXの半数以上にあたる台数が市場に流入していることになる。

では中古車平均価格はどうだろう。ご存じの方も多いように、中古車の価格は基本的に需要と供給のバランスによって決まる。そのため、これだけ中古車が急増すれば値下がりすることが多い
 

N-BOXの中古車平均価格推移

上記グラフのとおり、2024年1月に183.8万円まで急落したあとは下落が急停止。長い目で見れば下落傾向にあるが、8月時点の中古車平均価格は180.1万円だ。新車時の車両本体価格が約165万~236万円であることを考えれば、正直もう少し値落ちしてほしいところ。

では、どんな中古車が多いのだろうか。掲載されている物件を見てみよう。

現行型N-BOXの中古車平均価格は原稿執筆時点(2024年9月24日)で約176万円と、今年8月よりもやや安くなっている。価格帯は130万~285万円とかなり幅広い。

さらに、半数以上の約2500台が届出済未使用車(新車の届出だけされており使用されていない車)で、それもあって平均走行距離はわずか約790kmとかなり少ない。こうした状況から、中古車の平均価格がなかなか下がりにくくなっていると考えられる。

また、グレード別の割合を見ると標準モデルが約46%、カスタムモデルが約54%となっている。
 

 

モデル概要:重箱の隅をつつくような改良が施されたモデル

ではここからは、改めて現行型N-BOXはどんなモデルなのか、簡単に振り返ってみよう。

2023年10月に販売が始まったホンダの現行型(3代目)N-BOX。モデル末期でも売れ続けた旧型(2代目)の、まさに重箱の隅をつつくような改良が施されたモデルだ。

内外装デザインは、長く使い続けたくなるような、シンプルなデザインにまとめられた。

エクステリアデザインは、N-BOXらしさを大切にしながらも、時代に合わせてリニューアル。

標準モデルはまん丸い目(ライト)と、シンプルな造形美が目を引く。
 

N-BOX▲標準モデルのフロントデザイン。ヘッドライトは人間の“瞳らしさ”が出るようにデザインされた
N-BOX▲標準モデルのリアデザイン。シンプルなボディフォルムに馴染むシンプルな造形だ

もう一方のカスタムモデルは、横一文字ライトとしたが、フロントグリルの造形は、立体的でこそあるがダイハツ タントカスタムやスズキ スペーシアカスタムなどのライバルと比べると、“押し出し感”はやや控えめだ。
 

N-BOX▲ライバルのカスタムモデルと比べて、フロントグリルの面積が控えめのカスタムモデル。ライトを横一列に並べることによって存在感が強調されている
N-BOX▲従来同様、クリアレンズが備わるカスタムモデルのリアデザイン。バンパーのデザインも標準モデルと異なる

インテリアでは、軽自動車(商用車を除く)最大級の広い車内空間はそのままに、見通しがよく運転しやすい視界を手に入れた。

例えば、フラットなダッシュボードや水平基調になったインパネデザインなどにより車幅や、カーブを走行する際などの自車の傾きなどが把握しやすくなっている。
 

N-BOX▲標準モデルの運転席まわり。メーターはステアリングからのぞき込む位置に配置されている
N-BOX▲カスタムモデルの運転席まわり。インストルメントパネルの助手席側~中央上部にあるトレイは、標準モデルがコルクの質感、カスタムモデルは大理石の質感が目指された
N-BOX▲カスタムモデルの内装色はブラックトーン。標準モデルはグレージュとグレーのツートーンのファブリックになる
N-BOX▲容量が2代目(旧型)と比べて2倍以上になったグローブボックス(助手席前の収納)

またサイドミラーの改良によって、駐車時などで車をバックさせる際の後方視界も、より広い範囲が見えるようになった。

それでも不安だという人のために、同社の軽自動車としてマルチビューカメラシステムが用意された。車のフロント・サイド・リアに備わるカメラからの映像を、カーナビのモニターに映し出すこのシステムは、狭い道でのすれ違いやバック駐車など、シーンに応じて必要な映像をわかりやすく表示してくれる。

同社の先進運転支援機能「ホンダセンシング」は、旧型に引き続き全車に標準装備された。ただし現行型では、カメラとセンサーが改良され、高速道路でのよりスムーズな加減速など、より扱いやすくなっている。
 

N-BOX▲ホンダセンシングは、新たに急アクセル抑制機能などが追加されている

走行性能も当然進化している。評判の良かった旧型をベースにブラッシュアップされ、最高出力など数値は変わらないものの、加速感はより力強く、スムーズになった。乗り心地や車内の静粛性も当然改良されている。

デビュー時のモデルバリエーションは、標準モデルとカスタムモデルの2タイプ。標準モデルはノンターボのみで、カスタムはターボも選べる。いずれも2WDと4WDが選べる他、スロープ(車いすも載せられる)仕様も用意された。

さらに2024年9月には、アウトドアテイストの新モデル「ジョイ」が追加された。標準モデルをベースに、内外装にキャンプやピクニックに使いたくなる仕様が盛り込まれたモデルだ。こちらはターボとノンターボがある。

以上が、現行型N-BOXの概要となるが、これらを踏まえ今のオススメ中古車はどんなものか、考えてみることにしよう。
 

 

【オススメ1】とにかく安く手に入れるなら「標準モデルのベースグレード」

N-BOX▲標準モデルはベーシックグレードでもLEDヘッドライトが標準で備わる

とにかく安く現行型N-BOXを手に入れたいなら、標準モデルのベースグレードを狙おう。原稿執筆時点の掲載台数は約1500台と豊富で選びやすく、そのうちの約68%にあたる1000台以上が届出済未使用車だ。

届出済未使用車でも支払総額約140万円から見つかる。新車の車両本体価格は約165万円だから、総額で約30万~40万円は安く買えそうなので、お買い得と言って良いだろう。

ベースグレードといっても、ホンダセンシングや助手席側電動スライドドアなどが標準で備わるなど装備が充実している。

それが新車価格よりも低く、しかも届出済未使用車でも流通量が豊富なためボディカラーや装備内容を比べて選びやすいのだから、積極的に探してみよう。
 

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ホンダ N-BOX(3代目・現行型)×660(標準モデル・ベースグレード)×全国
 

【オススメ2】カスタム狙いなら「カスタム ターボ」

N-BOX▲カスタムモデルにはウインカーを出すと流れるように光る、シーケンシャルターンシグナルランプが標準装備される

クールな表情のカスタムモデルの中から狙うなら、「カスタム ターボ」がオススメだ。こちらも届出済未使用車が支払総額約180万円から見つかる。新車の車両本体価格約205万円だから、やはり総額で約30万~40万円は安く買えそうだ。

原稿執筆時点の掲載台数は約530台だが、届出済未使用車は約50%。とはいっても、その他も走行距離0.5万km未満がほとんどで、価格差はあまりない。

また、カスタム ターボはノンターボの「カスタム」と比べて新車の車両本体価格が約20万円高いが、中古車でも現状その差はほぼ同じ。

もちろんカスタムモデルを安く手に入れるならノンターボのカスタムだが、カスタム ターボになると、エンジンにターボが備わるだけでなく、14インチから15インチアルミホイールになり、シート生地がより上質になって、運転席側も電動スライドドアが標準で、パドルシフトが備わる。

これだけ装備が充実していて、新車時の「カスタム ターボ」よりも低い金額で狙えるのは、まさに中古車の魅力。ぜひお買い得に手に入れてほしい。
 

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ホンダ N-BOX(3代目・現行型)×カスタム 660 ターボ×全国

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ホンダ N-BOX(3代目・現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/尾形和美、ホンダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

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