メルセデス・ベンツ CLSシューティングブレーク (内藤毅)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2013/03/15
商品企画としては鉄板。自動車を1台しか持てない都会で、車格にも実用性にも妥協したくないというニーズを高度に満たすだろう。ただ、シューティングブレークというからにはCLベースで2000万円から、といった雲の上の存在であってほしかった気もする
言ったもん勝ちで乗ったもん勝ち
積極的に選びたいと思わせる肌合いの良さ
これはW124以降の歴代Eクラス各車に共通することなのだが、メルセデスのワゴンボディはセダン特有のデッドな遮蔽感を絶妙な案配に散らして、いい意味で角の取れた乗り味にチューニングしているなあと感じることが多い。このCLSシューティングブレークも例外ではなく、ワゴン化によるネガが少ないというより、むしろ積極的に選びたいと思わせる肌合いの良さが魅力だ。
騙し絵のようなサイドビューに気圧されつつ後席に乗り移ると体感的なエアボリュームはEクラスのワゴンと同等以上で、リアドアの「三角窓」の部分までサッシュレスのガラスになっているから明るく見晴らしも上々。このあたりの妥協なき作り込みはさすがメルセデスである。もっとも4ドア版の、身体に合わせてくりぬいたような後席の隠れ家感も捨てがたく、これは好みの範疇ということになるだろう。
当然ながら後席では排気音が間近に聞こえるが、その抜けの良い快音は少なくともタウンスピードでは気にならず、自動車好きにとっては耳を楽しませてくれる種類のものだった。
試乗車に装備されていなかったdesignoウッドフロア(50万円)はぜひ注文したいオプションだ。「板」に50万かよという気がしないでもないが、手の込んだ象眼細工の仕上がりはさすがに素晴らしく、シューティングブレークを名乗るからにはこういう自己満足こそ大切にしたいと思う。
旬の先取り「シューティングブレーク」
物好きな金持ち向けのカスタム車、もしくは日の目を見ないコンセプトカーの常連だったシューティングブレーク。恐れ多くて誰も手を出せなかったその車型を、メルセデスは正面から取りに行った。
このモデルが成功すれば、量産車の分野でもこの呼び名は一定のプレゼンスを発揮していくことだろう。
まさに言ったもん勝ち。そして、旬の先取りという意味では乗ったもん勝ちである。
SPECIFICATIONS
グレード | CLS550 4MATIC BlueEFFICIENCY SHOOTING BRAKE | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 7AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4970×1880×1420 | ||
ホイールベース(mm) | 2875 | ||
車両重量(kg) | 2030 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 4663 | ||
最高出力[ps/rpm] | 408/5000-5750 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 600/1600-4750 | ||
車両本体価格(万円) | 1240 |
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