日産 ティアナ (松本英雄)【ニューモデル試乗】
2014/03/17
新型は日本、アメリカ、中国など世界120カ国以上で販売されるグローバル戦略車として開発された
13年も現役で活躍する動力ユニットが好循環を生み出す
走りの面での“心地よさ”が大幅に進化した
2003年に登場し日産のアッパーミディアムセダンの顔となったティアナ。新型は、初代からの基本コンセプトである“心地よさの追求”に更に磨きがかかったというが、その核心がどこにあるのか探った。
乗り込んだ時の第一印象は、毎日乗っている車のように感じるほど違和感がない。エンジンはとても静かだ。
搭載されるQR25DEという2.5L直4エンジンは、かれこれ13年も現役で活躍するユニットだが、静粛性が更に向上している点に驚く。その背景には、基本設計が優れているだけでなく、長期間使ったため製造コストがさがり、その間、様々な対策を施せたことで益々エンジンが良くなるという好循環があったのだろう。
エンジンがスムーズだからトランスミッションにも確実な出力を伝達でき、ドライバーの意思を最適に路面へ伝えることができるというもう一つの好循環も生んでいる。この好循環には低燃費という嬉しい効果も含まれている。
日産の良心を宿した数少ないモデルの一つ
乗り味は、たっぷりストロークをさせながらも、破綻のないレベルに上手くまとめて安定感を持たせている。つまり乗り心地と操縦安定性という相反する部分を高いレベルでバランスさせている。
この味付けの仕方は初代ティアナから上手かったが、新型ではさらにその効果を高速域まで拡大させている。例えば高速道路の路面の継ぎ目で発生する突き上げを、大きなうねりと小さな振動に分けて処理するのだ。
フロントが重くなるFFレイアウトは後席の乗り心地に影響が出やすいが、リアにスムーズに動く新しいマルチリンクサスペンションを採用したことで心地よさを確保している。初代から続く“心地よさの追求”は、こういった部分にも見られた。
新型ティアナは日産の良質なモデルの代表と言える。日産の伝統的な良心を宿した数少ないモデルであるとも付け加えておこう。
SPECIFICATIONS
| グレード | XE | XV |
| 駆動方式 | FF | |
| トランスミッション | CVT | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4880×1830×1470 | |
| ホイールベース(mm) | 2775 | |
| 車両重量(kg) | 1460 | 1470 |
| 乗車定員(人) | 5 | |
| エンジン種類 | 直4DOHC | |
| 総排気量(cc) | 2488 | |
| 最高出力[kW(ps)rpm] | 127(173)/6000 | |
| 最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 234(23.9)/4000 | |
| JC08モード燃費(km/L) | 14.4 | |
| ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/65 | |
| 車両本体価格(万円) | 242.97 | 304.5 |
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