日産 リーフに乗るMTBのレジェンドは、バッテリー切れのスリルだって楽しめる?
2022/08/24

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
MTBのレジェンドがEVを選んだ理由
小田島さんは自転車競技の世界では知らぬ者はいないレジェンド。長らくMTB(マウンテンバイク)クロスカントリー競技の第一人者として活躍していたからだ。
MTBクロスカントリーとは、激しいアップダウンが連続するオフロードコースを周回して順位を争うレースのこと。あらゆる路面状況に対応できる総合的なテクニックと、MTB競技の中では長い競技時間(約1時間半)を戦い抜くスタミナが求められる。小田島さんは身長157㎝と小柄だが、国内では全日本選手権9連覇という圧倒的な強さを誇り、北京五輪とロンドン五輪にも出場した。
約10年前に現役を引退し、いまは一人娘の澄空(そら)ちゃんを育てながら、スポーツ自転車のトップブランドのひとつ「スペシャライズド」の一員としてMTBの普及活動を行っている。
▲現役時代には圧倒的な強さを見せていた小田島さん。普段の優しい笑顔とのギャップも素敵だ(写真:本人提供)そんなバリバリのレーシングライダーだった小田島さんの愛車は日産 リーフ。
「新しい技術やモノを体感してみたいという好奇心で約2年前に購入しました。長野県安曇野へ行った際に、信号待ちで鳥の鳴き声がこれまでになくはっきり聞こえたので驚きましたね。EVのCO2の削減効果については諸説あるみたいですけど、無駄な騒音がないという点においても自然と親和性の高い乗り物なんだなと感じました」
ちなみに、セカンドカーもEVの三菱 アイ・ミーブと、意表を突くチョイスで驚きだ。

リーズナブルに中古車が購入できるのに、エンジン車とまったく異なる世界が味わえる点もEVの魅力と小田島さんは続ける。
とくにエンジンを始動させてから走り出すという「儀式」がなくなったことで、心理的に車がより身近で軽く、暮らしに寄り添った存在になったそう。
購入の動機は目新しさだったが、所有するうちに自然と持続可能性への意識が高まったこともEVの効能だという。
遠征のために日本全国を走り回っていた選手時代は、広い荷室と優秀なシートを備えたモデルということで、長年ルノー グランセニックを愛用していた。いまではめったにお目にかかることのできないマニアックなモデルである。
トランスポーターの常道は利便性の高い1BOXカーだが、いかにもな車は避けるというのが小田島さんの愛車選びの美学だ。
バッテリーが切れそうになるとワクワクしちゃうことも

「いまは育児中ということもあって遠くまで走ることは少ないんですけど、一度の充電で100㎞ほどしか走れないのはさすがに不便に感じますね。何回かドライブ中にバッテリーがなくなりそうになってハラハラしたことがあるので。ただ、目の前に立ちはだかる困難を臨機応変にクリアしながらゴールを目指すというクロスカントリー競技を長くやっていたせいで、こういうピンチになると本能的にワクワクしてしまう自分もいるんです(笑)」
本格的なレースからは遠ざかっているものの、体力維持や気分のリフレッシュのため日常的にサイクリングを楽しんでいる小田島さん。リーフの荷室はさほど大きくないため、遠方に遠征するときはMTBをヒッチキャリアに載せて運んでいる。
愛用バイクは超軽量フレームに前後サスペンションを備えたトレイル用の最新モデルだが、MTB用のチャイルドシートが装着されているところが異色だ。

「わたしにとってMTBの魅力は『野生の獣』になったような感覚が味わえることです。全身をフルに使い、息を切らしながらヒトの能力を超えたスピードで山道を駆け抜ける。そうすると動物的な本能が刺激されて『生きてる!』という強い実感が押し寄せてくるんです」
まだ自分でペダルを漕げない澄空ちゃんをチャイルドシートに乗せ、山道や河川敷などの凸凹道を走るのが最近の楽しみと小田島さん。
オリンピアンと同じ視点でライドできるなんてさぞエキサイティングだろうと思ったら、澄空ちゃんはいつも「もっと速く走って」と急かすのだそう。すでに獅子の風格である。


小田島梨絵さんのマイカーレビュー
日産 リーフ(初代)
●購入金額/約130万円
●年間走行距離/約10,000km
●マイカーの好きなところ/EVならではの静かで快適な乗り心地。ガソリンスタンドに行く必要がなく家で毎日充電できるので、生活の中にスッと溶け込んでいること
●マイカーの愛すべきダメなところ/やっぱり航続距離ですね(笑)。特に冬場はバッテリー残量が気になって、寒くてもエアコンを付けられないときがあります
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/EVに興味がある人。中古車だとかなり安く買えるみたいなので、生活の足としてオススメしたいです

ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌と自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はボルボ C30と日産 ラルゴの他、バイク(トライアンフ)とたくさんの自転車。
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