マツダ 新型CX-30を前に繰り広げられた熱いデザイン論 『ART OF LIGHT ~reflection~』
2019/10/22

デザインの奥深さを感じさせられたトークセッション
10月19日、マツダは新型SUVのCX-30を「東京ミッドタウン」に展示し、「光のうつろい」をテーマに、常務執行役員の前田氏とビジュアルデザインスタジオ「WOW」の於保氏によるトークセッションを行った。
昨今のマツダ車のデザインの特徴のひとつに、「美しい陰影」があると思う。塗料の進化はもちろんだが、外板のなめらかなうねりやプレスラインによる反射光がつくる陰影は、走行中はもちろん、停止していてもまるで動いているかのような美しさを表現している。
展示車のCX-30は、まさにそんな美しいデザインをまとうマツダの新型SUVモデルだ。

CX-30の周りには大型ディスプレイや鏡のパネルなどが配置されていたが、これもディスプレイの光が車体にどのように当たり、どう反射するか。また鏡でどのように乱反射させることでCX-30が美しく見えるかを計算して配置されているとのこと。
この華やかさの裏側には、車両をあと数センチ、パネルをあと数センチと双方を移動させながら夜中までセッティングを行う於保氏の努力があったそうだ。
様々な最新技術を駆使して華やかなデザイン表現を作り出す於保氏だが、デジタルな時代に最後は泥くさくアナログな方法で仕上げるその手法に、前田氏も車のデザイン制作と通ずる部分があると共感していた。
▲トークセッションでは両氏の出会いのエピソードや、車だけに限らないデザイン論が熱く語られた。(左 前田氏、右 於保氏)1台の新型車を世に生み出すまでには、何千もの人が絡み、果てしないコストを要するわけだが、最後の最後に「コレデカンセイ! OK! ハンバイカイシ!」とジャッジするときの気持ちや判断軸を於保氏に聞かれた前田氏は「直感!」と言ってはにかんだ。
前田氏は、「車という機械は、馬力やトルクなどをはじめ多くを数値で判断することができるが、デザインだけは数値で良し悪しを判断できない」とも。
また、発売後に街で自社の車を見かけたときに、あるシーンである角度から見ると「あちゃ~、やっちまった!」と思うこともほんのたまにあるのだと悔しそうに語る前田氏が印象的だった。
二人の盛り上がるやり取りを聞きながら、車のデザインの奥深さをあらためて感じさせられるトークセッションだった。
■イベント『ART OF LIGHT ~reflection~』
期間:2019年10月18日(金)~27日(日)11:00~21:00(入場無料)
場所:東京ミッドタウン プラザ1F キャノピー・スクエア(東京都港区赤坂9-7-1)
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