WRCで培ったノウハウを投入して
走る楽しさを磨いたセダン&ワゴン

スバル インプレッサ|人気車購入ガイド

コンセプト
デビュー時の性格とは異なる方向性で進化

インプレッサは、富士重工の大衆車クラスを担うセダン&ワゴンとして誕生。一方で、レガシィに代わってWRC(世界ラリー選手権)に参戦するという使命も帯びており、他社にはない独特のキャラクターをもっていた。居住性よりも運動性能が重視され、短めのホイールベースで旋回性能を高める一方、後席のレッグスペースは大人には必要最小限のレベルだった。
ボディタイプは、スポーツワゴンと称するショートワゴンと4ドアセダンの2種類。ワゴン系はボディを5ナンバーサイズに収め、1.5Lエンジンからのラインナップとして、エントリーユーザーにも訴求していた
セダン系は「WRX」という固有の名前が与えられ、ボディ幅の広い3ナンバーサイズで展開。搭載エンジンも2LのNAとターボという走りに振った構成だったが、H15年9月の一部改良で1.5Lエンジンを搭載した5ナンバー車も設定された。

メカニズム
4種の水平対向エンジンに5MTや6MTもラインナップ

ファミリィカーの多くが横置きエンジンのFFレイアウトを採用する中、インプレッサはスバル伝統の水平対向エンジンを縦置きにしたレイアウトを採用。重量バランスの良さと低重心設計から、FF車にはマネのできない素直な回頭性能を見せる。
排気量は1.5Lと2L。1.5Lはレギュラーガソリン仕様のSOHCと、H18年6月に追加されたDOHCの2種類だ。2Lはすべてハイオク仕様のDOHCでNA(自然吸気)とターボがあり、後者は184kW(250ps)を発生。さらにSTi用の206kW(280ps)仕様も用意された。
トランスミッションは4ATと5MTだが、STiは6MTのみの設定。駆動方式は4WDが中心で、MT車は機械式センターデフによるフルタイム方式、4AT車は電子制御トルクスプリット方式を採用する。2WDモデルは1.5Lエンジン車にのみ設定されており、縦置きエンジンながら前輪駆動だった。

エクステリア&インテリア
3度のデザイン変更で明確な違いをもつ外観

前期モデルのフロントマスクは、大きな異形丸型2灯式ヘッドランプを採用しており、富士重工初の小型乗用車であるスバル1000を思わせた。が、ファンの間でも賛否が分かれたため、H14年11月にフェイスリフトを実施。通称「涙目」と呼ばれるライト形状に変更された。
さらにH17年6月のマイチェンでは、航空機メーカーとしてのアイデンティティを強調するため、翼をイメージした「スプレッドウインググリル」を採用。計3種類の顔をもつに至った。
インパネはスポーティなデザインで、丸型3眼メーターを採用。タコメーターは全車標準装備となる。大型のセンターコンソールが付くため、運転席回りは広くないが、コーナリングの際に左ヒザを当てて下半身をホールドするのには好適だ。
トリムカラーはセダン系が黒基調でスパルタンなイメージ。ワゴン系はグレー基調のカジュアルなイメージとなっている。

インプレッション
走りを極めたいなら迷わずターボモデルを

セダン系の2L車は、全般にソリッドな乗り味。ダンピングの利いたサスチューンと、インフォメーションが豊富なステアリングフィールを味わいながらのドライビングを楽しめる。
2Lエンジン搭載車はNAモデルでも十分に速く、ターボ付きとなると全開にするのをためらうほどのスポーティさ。コーナリング限界も高く、滅多なことではスキール音さえ出ない。
1.5Lエンジン搭載車は乗り味が一転。175/70R14サイズのタイヤが標準装備され、ステアリングフィールも乗り心地もマイルドで、エントリーユーザーが運転を覚えるにも好適だ。
バイヤーズガイド
狙い目グレード
探しやすい年式はボディごとに見極めたい
セダンとSTiは、H16年式を境に相場が大幅アップとなる。そのため、費用を抑えたいならH15年式以前がおすすめだ。一方、ワゴンは年式ごとの相場に大差がないため、流通量が豊富なH17年式に照準を合わせて探そう。なお、セダンはどの年式も流通量が少なめ。気に入った物件があったら、早めに決めたほうが後悔しなそうだ。STiはH18年式とH19年式以外、ワゴンはH12年式とH16年式以外なら、流通量は安定している。
購入時のチェックポイント
スポーツ走行に使われた可能性を考慮して確認を
インプレッサの性格上、峠やサーキットなどで酷使されていた可能性が高い。ブレーキやサスペンション、シフトの動作チェックなどは可能な限り行っておこう。セダン、中でもSTiなどの場合は特に念入りにチェックしたい。また、チューニングが施された物件も多いので、エンジンや車体からの異音などにも注意が必要。このほか、ワゴンの場合はラゲージにヘタリがないか、シートの作動は正常かといったチェックも忘れずに。
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↑前期型はウインカーとヘッドランプが一体の丸目形状だが、後のマイチェンで涙目形状に変更。大型フォグランプは2Lモデルに標準で装備された
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↑ワゴンはDピラーをブラックアウトし、伸びやかさを表現。1.5Lのベースグレード、I’sを除く全車に大型リアスポイラーが標準装備となっていた
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↑インパネ上面はフラットで、開放的な印象。エアコン吹き出し口や3連メーターなど、随所に円形モチーフがあしらわれ、統一感が演出されている
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↑スバルならではの水平対向エンジンは、全車に搭載。写真はSTi専用の2Lターボで、全体の軽量化やインタークーラーの大型化などが図られている