快適な室内と高級装備を兼ね備えた「大人のワゴン」をスポーティに味つけ

経営合理化でパーツを共有する車両が増えている中、1999年に登場したホンダアヴァンシアは数少ないステーションワゴン専売モデルでした。“上品な大人のためのワゴン”として登場しましたが、残念ながら当時はそのコンセプトがなかなか受け入れられなかったようで、巻き返しを図るべく2001年9月のマイナーチェンジ時に設定されたのが、今回紹介する「アヴァンシア ヌーベルバーグ」。スポーティさを強調したグレードです。

アヴァンシアというモデルはステーションワゴンの中でも、ちょっと特異な存在といえるでしょう。前席はベンチシートではなく左右独立シートを配しながらも、インパネシフト&足踏み式のパーキングブレーキにすることでウォークスルー化を実現。リアシートにはBピラーにエアコン吹き出し口が備えられ、一部グレードには座面格納式センターテーブルなどがオプション設定されています。前方センサー付きクルーズコントロールも標準で装備しており、ホンダの定番ワゴンであるアコードワゴンよりも、ワンランク上の装備が自慢です。
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この「贅沢なワゴン」というコンセプトは斬新なもので、オペルシグナムなど追随するモデルも発売されました。しかし、残念ながら日本ではあまり受け入れられませんでした。
これは、この時期に車高の低い(非1BOX型)ミニバンが大人気となったことも要因の一つにあるでしょう。ウォークスルーやインパネシフトを求める人は、多少価格は高くとも、3列目が備わっていてお得感のあるミニバンのほうを選択したわけです。アヴァンシアの場合で言えば、当時大ヒットしていた2代目オデッセイの後塵を拝する結果となってしまいました。

その流れを食い止めようと追加されたのがヌーベルバーグ。新車時の車両本体価格は215万円でした。車名は「新しい波」という意味の仏語で、「ワゴンの新しい波を起こす」という思いが込められたネーミングです。ワゴンボディの長所を活かし、車重がかさむ上に重心の高いミニバンに対して走行性能で差をつけようというコンセプト。同時にターゲットを若者とし、洗練されたスポーティなイメージの装備が備えられました。

具体的にはまず足回りの強化。専用のサスペンションを搭載し、車高が15mm下げられ、ダンパー、スプリング、アンチロールバーがチューンされています。さらにベーシックモデルより1インチ大きい、専用の16インチアルミホイールを装備。エンジンはコンベンショナルな2.3L直4DOHCエンジン+4ATの組み合わせですが、フロントにはストラットバーが入るなど、ボディ剛性も向上しています。

ただしスポーティとはいっても、スポーツセダンやホットハッチのような機敏な戦闘力はありません。走りはそこそこ楽しめて、さらに同クラスのワゴンより一段上の高級感を味わいたい人にピッタリの車といえるでしょう。
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装備面では、ボディカラーに「ミラノレッド」と「レイズンモーブパール」が追加設定されました。インテリアも独自の仕様となっており、「ブラックインテリア」と名づけられた室内は文字通り黒を基調としたイメージ。パンチングレザーを巻いたステアリングホイールやファブリックトリム、レザーとファブリックのコンビネーションシートを備えています。

さらに運転席と助手席の間には折りたたみ式サイドテーブルを装備。「Gパッケージ」には後部座席の座面が最大70mmスライドし、背もたれがリクライニングされる「2ウェイラウンジシート」が設定されています。

外見からあまり荷物が積めないラゲージルームに見えるかもしれませんが、奥行きが広くなっており収納力は十分。もちろんリアシートは分割可倒式になっているので、長尺物も楽々収納できます。アクセサリーソケット(DC12V)がラゲージ内に付いているなど、細かい装備が充実しています。

原稿執筆時で、カーセンサーnetに掲載されているアヴァンシア ヌーベルバーグの数は13台。最高値は115.8万円ですが、ほとんどが100万円以内に収まっています。走行距離5万km以内で修復歴なしといった程度が上々の車でも70万円台から探せます。ラウンジシートが付いたGパッケージも2台ありました。

アヴァンシアは相場とにらめっこしながら積極的に狙いにいく車ではないかもしれません。強烈な個性はなく、前述したように機能面だけオデッセイで代用できてしまうようなところがあります。

しかし同タイプの車とじっくり比べてみると、ワゴンとしての完成度の高さに気が付くはずです。走行性能は犠牲にせず、多くの荷物が積めるというステーションワゴンのベーシックな魅力はもちろん備つつ、その上で装備や仕様に高級感を持たせた、ありそうでなかったコンセプト。きっとワゴン好きの方なら気に入ることと思います。

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