▲PASMや前後の駆動力を自在に配分するPTMなどを備え、0→100km/h加速5.2秒(スポーツクロノパッケージ装着車は5秒)、最高速度256km/hに。オプションでエアサスペンションも装着可能 ▲PASMや前後の駆動力を自在に配分するPTMなどを備え、0→100km/h加速5.2秒(スポーツクロノパッケージ装着車は5秒)、最高速度256km/hに。オプションでエアサスペンションも装着可能

“ポルシェ”の看板に偽りなし

個人的な話で恐縮だが、駐車スペースが確保できるなら本気で欲しいと思った初めてのSUVが素のマカンだった。最新ポルシェのモデル戦略にのっとり、まずベースモデルに加えて「S」と「ターボ」を用意。遅れてその間をつなぐ「GTS」を追加するというわけだ。

ありていに言えば「S」をベースにエクステリアをよりスポーティなデザインに、V6エンジンの出力を、340ps/460N・mから360ps/500N・mへと強化し、シャシーをチューニングしたモデルというわけだが、ポルシェ自らが“SUVのピュアスポーツカー”と標榜するように、すごいのはその強靭な中身だ。

素のモデルに比べると、動き出しから明らかに硬質な感じがステアリングを通して伝わってくるのだが、かといって硬すぎることはない。車高は「S」比で15mm低められ、電子制御式ダンパーPASMもスポーティなセッティングというが、一般路のごつごつした路面もうまくいなしてくれる快適性に驚いた。

一方で富士スピードウェイでこの車をドライブする機会もあったのだが、何人ものドライバーが代わる代わる全開アタックを試みたというのに、ターボ譲りのブレーキはまったく音を上げない。前後異サイズのタイヤや、オプションで電子制御リアディファレンシャル(PTVPlus)を用意するなど、もはやスポーツカーばりの本気度で、ドライブしているのはSUVだということを忘れてしまうほどだった。ポルシェの看板に偽りなし。また欲しくなってしまった。

▲マットブラックのサイドブレードやRSスパイダーデザイン20インチホイールが特徴的。911がモチーフのリアデザインはポルシェの伝統を受け継いだ ▲マットブラックのサイドブレードやRSスパイダーデザイン20インチホイールが特徴的。911がモチーフのリアデザインはポルシェの伝統を受け継いだ
▲トリムにアルカンターラを採用したスポーティなインテリア、GTSスポーツシートにも中央部にアルカンターラを用いた。よりスポーティなサウンドが楽しめるスポーツエグゾーストシステムも標準装備 ▲トリムにアルカンターラを採用したスポーティなインテリア、GTSスポーツシートにも中央部にアルカンターラを用いた。よりスポーティなサウンドが楽しめるスポーツエグゾーストシステムも標準装備
▲他モデルのGTSと同様、エンブレムもブラックに。横方向に細くシェイプされた立体的造形のLEDテールライトを装備。ラゲージ容量は500Lから最大1500Lを確保する ▲他モデルのGTSと同様、エンブレムもブラックに。横方向に細くシェイプされた立体的造形のLEDテールライトを装備。ラゲージ容量は500Lから最大1500Lを確保する

【SPECIFICATIONS】
■グレード:GTS ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V6DOHCターボ ■総排気量:2996cc
■最高出力:360/6000[ps/rpm]
■最大トルク:500/1650-4000[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT
■全長x全幅x全高:4700x1925x1610(mm) ■ホイールベース:2805mm
■車両価格:981万円

text/藤野太一
photo/柳田由人