アストンマーティン ヴァンキッシュは「野獣の美女」である
カテゴリー: アストンマーティンの試乗レポート
2015/02/26
▲乗り手のファッションはもちろん、迎える相手や行き先、ライフスタイルにまで“特別”を要求する。言ってみれば、車が人を選んでしまうのだ。いいものはイイと、ハッキリ主張できる50歳以上の大人に
野獣の美女。その価値、数字で語るべからず
目の前に差し出されて、乗っていいぞ! と言われた瞬間に、自分が別人、それも何か特別な人間、になったような気分になる。もちろん、同時に“自分には似つかわしくない”というためらいもあって、そう思わせるあたりがノーブルな英国ハイエンドブランド=ロールスロイスやベントレー、そしてアストンマーティンの個性であったりする。
アストンマーティンの中でも、ヴァンキッシュは、そしてそのネーミングは、やはり特別中の特別だ。どこか、畏れ多い。美女と野獣、ではなく、野獣の美女。
ZF製の8速ATを新たに組み合わせたMY15のヴァンキッシュ。走りの瞬間瞬間の洗練度は大いにアップしたが、鋭い牙と磨いだ爪を隠す猛獣を相手にするような感覚は、まるで失われていない。
クリスタルキーを差し込み、V12のクランキングを聞きながら、その目覚めを待つ一瞬、からして、今やレアな体験だ。
動きだすと、引き締まった筋肉のようなアルミニウムストラクチャーを感知することができる。最新の流行レベルで判ずれば、“ガチガチ”と言っていい乗り心地も、巧妙にまとめられたパッケージングの生む一体感ある走りを味わっているうちに、すっかり忘れてしまうことだろう。路面のすぐ上でノーズが鋭く動いているような感覚が、実にスポーツカーだ。
スーパースポーツ界にあって、600ps以下の数字は、確かに物足りない。けれども、踏み切れない700psよりも、気分はずっといい。
ノスタルジーをモダンに表現する上手さもまた、ブリティッシュハイクラスならではだ。
▲ダンパーも改良、前15%/後35%も固められた。新デザインの10スポーク鍛造アロイホイールを装着
▲前年モデルより10Nm向上。ギア比と最終減速比の変更により最高速は320km/h以上に、燃費も約11%向上
▲新しいデザイン・トリムカラーも用意された。エンジンマネージメントシステムも最新に
【SPECIFICATIONS】
■グレード:VANQUISH ■乗車定員:2名
■エンジン種類:V12DOHC ■総排気量:5935cc
■最高出力:-(576)/6650[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:630/5500[N・m/rpm]
■最大トルク:630(-)/5500[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4728×1912×1294(mm) ■ホイールベース:2740mm
■車両重量:1739kg
■JC08モード燃費:-km/L
■車両本体価格:3239.46万円(税込)
あわせて読みたい
オフロードもなんのその!趣味も日常も共に走り抜けるイタリアンコンパクト フィアット パンダ
M・ベンツのセダン狙いのあなたに推したい“粋な別解”4ドアクーペ CLSクラス。新車で1000万円超えが今中古車なら総額300万円台! オススメの選び方は?
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
アメリカで販売台数ナンバーワンのF-150が日本の公用車に!? 知るほど沼る、魅惑のフォード車5選
マツダ ロードスター12Rの抽選に外れて絶望している人必見! 代わりにコレ、どうですか? 5選
トヨタ センチュリーがブランド化! クーペタイプも公開された今、改めて歴代モデルを振り返ってみよう!
M・ベンツ GLEの現行型(2代目)が600万円から狙える! プレミアムSUVの今オススメの買い方・選び方は?
「大人になったら絶対にこの車に乗ろう!」と子供の頃の夢を叶えた86(初代)
’07 フェラーリ F430|空力とヘリテージが息づくV8ミッドシップ【名車への道】
【今が狙い目!】昨年2024年登場のメルセデス・ベンツ Eクラス(6代目)の中古車平均価格が1年間で約70万円ダウン!オススメの買い方・選び方を紹介









