「安さ」もとことん楽しむための重要ファクター。選んだのは総額30万円のボルボ XC90
2021/11/16

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
人生初のマイカーは第3子が生まれる直前に
32歳になるまで車を買ったことはなかった。
現在は6歳になる長女と、同じく5歳になる長男の2人を「自家用車なし」で育てるのは、何かと大変ではあった。だが、当時は駅近くに住んでいたことと、本当に必要なときには電車で30分ほどの距離にある実家の車を借りることもできたため、「なくてもなんとかなる」と高橋直貴さんは思っていた。そして実際、なんとかなっていた。
なんともならなくなったのは、妻が第3子が誕生してまもなくのことだ。
「車、いよいよ必要だね……」という具合で夫婦の会議は30秒で終わり、第3子が1歳を迎えるよりも早く、人生初の“マイカー”が納車された。
ボルボ XC90。3列のシートを備えるスウェーデン製のプレミアムSUVではあるが、車両価格834万円からとなる現行モデル新車ではない。先代の中古車だ。
しかも「総額30万円の中古車」だ。

どうせなら自分もアガる車を
「ボロボロに近いような中古車でしたが(笑)、でもそれぐらいが丁度いいと思ったんですよね」
車種を決めるにあたっては、近々5人家族になるということで、シートはできれば3列欲しいと思った。だが、いわゆる売れ筋の国産ミニバンはどうにもピンとこない。いやミニバンが嫌いなわけではないし、スライドドアが便利なことも重々承知ではあった。だが――どうにも気分がアガらないのだ。
「買う予定の車は“家族のためのもの”でもあるのですが、同時に“自分のためのもの”でもあるわけです。どうせなら、自分の気持ちもアガる3列シート車が欲しいよな――と思ったんですよね」
そうして「3列シートのSUV」に絞って探し始めた時、真っ先に思い浮かんだのが知人のスタイリストが乗っていた先代のボルボ XC90だった。
彼いわく『サイズ的に余裕があって』『最新モデルと比べると、良い意味で甘さというかユルさがあって』『2006年式までなら排気量2.5Lなので、税金もそんなに高くはなくて』『燃費もまぁいちおう10km/Lぐらいは走って』『そして何よりボルボだから安全で』ということでした」
改めてXC90について調べてみると、なるほど確かにスタイリスト氏のいう通りだ。車の「佇まい」もいい。そして何より「かなり安全であるらしい」という点が、妻と子供たちにとっても最適であるように思えた。国産のミニバンなどいくつか他の車種も検討はしたものの、その第一印象が揺らぐことはなく、以降は「先代ボルボ XC90の一択」で、実際の物件探しをスタートした。
そして昨年7月、2006年式ボルボ XC90が高橋家へやってきた。
▲2列目シートの中央は、座面をポップアップすると簡易的なキッズシートに。「ほとんどいつも後付けのを使ってますが(笑)、こういう安全面の配慮があることが気に入ってます」ボルボ XC90が納車されて以降の高橋家の生活は……言ってみれば“普通”である。いやもちろん、ほぼすべてのシーンにおいて様々な家族のドラマはあるわけだが、それらをひとつずつ挙げていてはきりがなくなる。
かなりざっくりと言ってしまえば、「保育園の送迎と日々の買い物に使い、週末は家族で公園へ。そして自営業者である父(直貴さん)の仕事の移動手段としても使う」という、あなたや私が普段、車を使っているのとほぼ同じような使われ方がされている――というだけの話だ。
ちょっと違うのは、週に2日か3日は、夜間に直貴さんが「スケボーをするために」1人でXC90を駆って公園に通っている……ということだろうか。
▲ラゲージの基本フォーメーション。子供たちと直貴さんの遊び道具が常備されている「安さ」はとことん楽しむための重要ファクター
そういったこと以上に気になるのは、知りたいのは、「なぜ、総額30万円のド中古車をあえて選んだのか?」ということだ。
その質問に対して、直貴さんは言う。
「端的に言ってしまえば『気楽に使える道具として付き合いたかったから』なんです。」
泥だらけの子供用自転車をラゲージに積むことで車内が汚れても、特には気にならず、子供たちと野山へ行く過程で仮に少々のキズがボディについたとしても、別に落ち込みはしない。もちろん積極的にキズつけようとは思わないが、ついてしまったなら「あ……。でもまあ仕方ないか」と思えるような車。そんな車を子供たちや妻とガンガン使いながら、人生をガンガン楽しみたいと思った。
「そのために、僕にとっては“安い”ということがけっこう重要だったんですよね。『キレイに維持しなくちゃ! キズも絶対につけたくない!』なんて気持ちで車に乗るのは疲れますし、そもそも子どもを乗せる車でそんなこと言っていられません(笑)。道具として使っていけば、当然傷や汚れはついていくもの。このボルボならそれも『様』になりますし、値段が値段なので、細かい傷や汚れもこともさほど気になりません。」
30万円で購入したド中古ボルボはその後、当然ながらメンテナンスをする必要に迫られた。とはいえ、車検時に20万円ほどかけて消耗品類を交換しただけだ。
車両価格と合わせて約50万円。あえて「たかが」と言わせていただくが、たかが約50万円の投資で、走行12万kmを超えたボルボ XC90はすこぶる快調となった。そして、高橋家の面々にすこぶるほどの「幸せ」と「便利」とを届け続けている。

▲いつのまにかついてしまっていたキズも多いという。「さすがに目立つところは直そうと思いますが、そのうちですね(笑)」
▲第3子はXC90のキーがお気に入り。ついおしゃぶりしてしまう

高橋直貴さんのマイカーレビュー
ボルボ XC90(初代)
●年式/2006年式
●購入金額/約30万円
●年間走行距離/10,000~15,000km
●購入検討中に比較していた車/三菱 デリカD:5、トヨタ ハイエース
●マイカーの好きなところ/頼れる積載量
●マイカーの愛すべきダメなところ/サイズ・年式を考えるとそこまで不満ではないものの、燃費はもう少し欲しいところ。あとは小回りが利かなすぎるところ。
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/現行の国産SUVではちょっと物足りないという人にはいい選択肢になるかなと思います。

インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
【関連リンク】
この記事で紹介している物件
ボルボ
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本体価格107.0万円
支払総額118.6万円
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