「半美術品」扱いは間違いなし!? マツダ コスモスポーツを発見
2014/09/08
マツダが社運をかけた世界初のロータリーエンジン搭載の量販車
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2014年9月1日に発見したのは「マツダ コスモスポーツ」です。世界で初めてロータリーエンジンを搭載した量販車で、マツダが自動車メーカーとしてのポジションを確立させた名車です。
昭和30年代、日本は戦後からの復興を遂げている最中で、マイカーブームも到来していました。また、昭和40年(1965年)の外国産自動車輸入自由化を目前に、マツダ(当時の東洋工業)は3輪自動車からの脱却を目指していました。
そんな中、マツダが注目したのは西ドイツ(当時)NSU社がフェリックス・ヴァンケルとともに試験搭載したロータリーエンジンです。内燃式エンジンは通常、上下のピストン運動を回転運動に換えるものですが、ロータリーエンジンはその名のとおり“ローター”がクルクル回る効率的なエンジンです。
ロータリーエンジンの紹介において、よく記されるのが昭和36年(1961年)にマツダとNSU社との間で行われた「技術提携」です。マツダは社運をかけてロータリーエンジンの量産化に取り組みますが、NSU社から届いた試験用のエンジンはローターがエンジン内部を削ってしまうという通称「悪魔の爪跡(チャターマーク)」をはじめとした課題が山積み。当然、市販化できるような状態ではありませんでした。
そんな難題をすべてクリアし、マツダは世界初となるロータリーエンジンを搭載した量販車の生産に成功したんです。ロータリーエンジンならではの低重心さを強調し、スペシャル感をアピールするデザインで投入されたのがコスモスポーツです。
当該中古車、とても綺麗な状態で保たれていたという雰囲気が写真から伝わってきます。正直、750万円という価格には驚きましたが、レアな中古車はいわゆる「時価」です。トヨタ 2000GT、日産 スカイラインGT-R(ハコスカ)が世界の高級オークション会社で取引されるようになった昨今、コスモスポーツもそんな「半美術品」扱いされる日も近いでしょう。
世界初のロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツの生産台数は、デビューから5年でおよそ1000台ほど。フェラーリ F40よりもほんのちょっと多いくらいですから…レア度は高く、歴史に残る技術革新の「生き証人」としての価値が今以上に見出されるような気がしてなりません。
■本体価格(税込):750.0万円 ■支払総額(税込):---万円
■走行距離:9.3万km ■年式:1971(S46)
■車検:2016(H28)年4月 ■整備:無 ■保証:無
■地域:群馬
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