日産 ムラーノの「オープンカー版」は世界初のAWDクロスオーバー・コンバーチブル!?
2015/06/24
▲北米のみで販売された、日産 ムラーノがベースの2ドア4シーターコンバーチブル
ワンオフで製作されるようなクロスオーバー車のオープンモデル
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2015年6月23日に発見したのは「日産 ムラーノ」です。「はい? ムラーノ?」とお思いのことでしょう。筆者が血迷ったのではなくムラーノのオープンモデル「クロスカブリオレ」が掲載されていたんです!
ムラーノ・クロスカブリオレは2010年のロサンゼルスモーターショーにて披露され、「世界初のAWDクロスオーバー・コンバーチブル」という触れ込みで翌年から北米で販売されました。この手のコンバーチブルはワンオフものとしてカスタマイズされることはあっても、自動車メーカーがラインナップに投入することはレアです。
Aピラーから後ろは専用設計で、自動車メーカーのラインナップとして販売するからには衝突安全性もしっかり確保する必要がありました。ボディ各所が補強されただけでなく、ルーフのデザインにあわせて前後のシートも専用設計されています。つまり……お金がかかっているんです。
▲ベースは5ドアのムラーノですが、デザインを破たんさせることなく2ドア4シーターというパッケージに変更されています
▲ボタン操作ひとつでルーフの開閉が可能で、布のルーフがトランク部に収納されます
▲2ドアに仕立てられ、スポーティな雰囲気です。クローズドでも閉塞感はありません
普通のムラーノより価格が高く、ムラーノクロスカブリオレは4万7000ドル近い価格で販売されていたそうです。アメリカの技術、環境、部品情報のコンテンツサービスプロバイダー「IHS」の調べによると2011年に1159台、2012年に3278台、そして2013年に1332台が販売されたそうですが、あえなく生産終了しました。
日産としてはモーターショーで話題になり、どれほど売れるか試したのでしょう。日本では絶版となったムラーノですが、アメリカでは次期ムラーノの販売が続いています。ただ、コンバーチブルが設定されていないところを見ると、日産の商売として当モデルは“失敗”だったのかもしれません。
しかし、「クロスオーバーのコンバーチブル」というコンセプトは消費者にとって新しい選択肢でしたし、少なからずもニーズがあることが明らかになりました。ムラーノ・クロスカブリオレが販売された翌2012年、レンジローバーはイヴォーグのコンバーチブルのコンセプトをお披露目し、今年ようやく正式に生産されることが決まったところです。そういう意味では、ムラーノ・クロスカブリオレは時代を先取りしていたんです。
当該中古車、走行9000kmとあって、写真で見るかぎり、内外装はきれいな状態が保たれているようです。見れば見るほど、ベースのムラーノからよくぞ2ドアコンバーチブルに仕立てたものだと感心します。絶対金額は安くありませんがファンキーで、個性的で、同価格帯でこれ以上の存在感はなかなか得られないと思います。
ムラーノ・クロスカブリオレは本来、大富豪が特注してコーチビルダーに作らせるような車です。にも関わらず、日産がカタログモデルとして作ったのはある種の“英断”ですし、自動車史に残る車とさえ言えるでしょう。一般的にはオープンエアを満喫できるだけでも非日常が味わえるのに、それをクロスオーバーの高い目線、大柄なボディで楽しめるのがムラーノ・クロスカブリオレの魅力でしょう。
■本体価格(税込):498.0万円 ■支払総額(税込):---
■走行距離:0.9万km ■年式:2011(H23)
■車検:無(購入時に新規取得) ■整備:別(9万7200円) ■保証:有(1ヵ月/1000km)
■地域:埼玉
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