【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、「ドライビングプレジャー」を再定義する
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/02/27
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「艦長プレジャー」という、あまり駆け抜けない歓び
「ドライビングプレジャー」というと自動的に「人馬一体!」「駆け抜ける歓び!」「幻の多角形コーナリング!」などの有名なフレーズが思い浮かぶ場合が多いだろう。まぁ最後のフレーズはマンガの世界だが、要するに「前後左右に機敏に、そして意のままに、車の動きを制御すること」がドライビングプレジャーであると、主には定義されているようだ。
無論筆者もその定義に異を唱えるものではなく、むしろそういった人馬一体系は大好物である。しかしそういった機敏系のみに「大いなるドライビングプレジャーを備えた車」という称号を与える風潮に一石を投じたいとは思う。
「艦長プレジャーの立場はどうなるんだ!」ということである。
艦長プレジャーというのは筆者の造語なので説明は必要だろう。小型の快速モーターボートを機敏に操る歓びがあるように、大型艦船の艦長としてゆったりとスムーズに、そして乗客の安全を最優先しながら、あくまでも優雅に海原をゆく歓び、というのもあるはずだ。
そういった「大型艦船の艦長が感じるような歓び」が筆者がいう「艦長プレジャー」であり、自動車における立派なドライビングプレジャーの一種である。しかし既存の自動車ジャーナリズムは車におけるその存在を軽視あるいは無視し、人馬一体系に偏りすぎているのではないか? というのがわたくしの見解だ。
大海原をゆく巨船の艦長のように運転を楽しむ
世の中には人馬一体系のプレジャーが感じられる車が多数あるように、「艦長プレジャー」を強く感じることができる車もまた多数存在している。
代表的なところはメルセデスのEまたはSクラス、あるいはロールスロイス/ベントレーなどだろうか。これらはドイツ船籍またはイギリス船籍の豪華客船の艦長になった気分で、高速道路を大海原に見立ててて楽しく走ることのできる車である。ミリタリーマニアの方は客船ではなく戦艦ビスマルクやキングジョージ五世など、お好きな軍艦の艦長気分になればより盛り上がるだろう。ハイドロニューマチックによる雲上感が最高なシトロエンC5あるいはC6は、さしずめフランス海軍の空母シャルル・ド・ゴールか。よくわからぬが。
いずれにせよ最高速度というものがかなり制限され、そして何よりも安全でスムーズな交通を実現させることこそが第一義のこの世の中にあっては、はっちゃきになって車体を左右にブン回す系のプレジャーだけでなく、ゆったりとした艦長プレジャーにも注目してみる価値は高い。
もちろん、艦長プレジャーを感じる車と同時に人馬一体系も所有して「8輪生活」を営み、時と場合に応じてそれらを使い分けるのがベストではあるが、それについてはまた別の機会に提案したいと思う。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
「艦長プレジャー」たっぷりな高速ツアラーはどうでしょう!
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