【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、ネオクラシックの真実を語る
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/03/15
http://www.sgt-date.com
壊れないぜ、最近のネオクラシック!
来る3月26日、筆者主演の『壊れないぜ! ランチア デルタ インテグラーレ』というDVD作品が全国発売される。筆者が昨年6月に購入したランチア デルタという「宇宙一壊れる」との噂もある車についてのドキュメンタリーだ。
しかしここで言いたいのはDVDについてではなく、「デルタ(に代表される古くてマニアックな車)って、今や本当に壊れないんですよ!!!」ということだ。
具体的には、例えば筆者のデルタ。あるいは知人のシトロエン GSやBX、FR時代の古いアルファロメオ等々。そういった神経質な部分もあるモデルは、筆者が輸入中古車メディアの仕事を始めた15年ほど前は、誇張ではなく本当にブチ壊れまくった。中古物件のロケ撮影に行き、撮影現場で息絶えたこともある。
しかしここ数年、前述の知人らから「いや俺のハイドロシトロエン、また壊れちゃってさ」という話はほとんど聞いたことがない。筆者がロケ撮影を行う際に、そういった物件が息絶えたり、絶えないまでもエンコしたこともない。
同じモデルなのになぜ、ふた昔前はぶち壊れまくり、最近は壊れないのか?
その理由は「時代がひと回りしたから」という一言に尽きる。
過去のマニアックなモデルというのは、実は新車のときからしてブチ壊れまくった例もある。当時の輸入元(※現在は消滅)が正しい整備方法を把握していなかったのだ。今にして思えばとんでもない話だが、取材に基づく事実である。
今流通しているのは「歴戦の生き残り」。だから、壊れにくいのです
そういった車がその後中古車となれば、より一層壊れまくるのは当然のことだ。そうなれば多くのユーザーは嫌気がさしてどんどん離れていき、個体そのものも、中古車として再販されるのではなく「廃車→土に還る」というコースが主流になる。人気薄なモデルであれば、特に土に還るケースが多かっただろう。要するに「絶滅」である。
しかし、一部のモデルは絶滅しなかった。熱心なユーザーと専門店の存在を背景に、正しい整備方法が徐々に確立され、効率的な維持のコツも民間伝承として代々のオーナーに語り継がれた。
それでも、時の流れとともにやはり土に還る個体もあった。だがそれを乗り越えて、愛と、愛の証しである「お金と手間」をかけられた個体は土に還ることなく、その後も生き残った。
そういった「生き残り」が、今現在流通しているデルタや古いマセラティ、旧世代ハイドロシトロエンなのだ。そういった「生き残りの精鋭」だからこそ、実はイメージほどには壊れないのである。
無論、なかには「やっぱ壊れまくる!」というダメな生き残りもいるし、そうでなくても経年劣化からくる何らかのトラブルはたまにあるだろう。しかし、ちゃんとした専門店でちゃんとした個体を選び、最初にしっかりと整備しておく限り、世間がイメージするほどには壊れないものなのだ。
下記の物件リンクにある個体は筆者やカーセンサーEDGEnetが「壊れない!」と保証するものではないが、とにかく歴戦の生き残りであるのは確かだ。ぜひあなた自身の目で、わたしの話の真贋を確かめていただきたい。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
様々な淘汰を経て生き残った「歴戦の勇士」はいかが?
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”「バブルが生んだ国産オープンモデル」編
「ネオクラ・メルセデス」がアツい! 正規ディーラーも参入するほど中古車市場でいま静かに熱を帯びているR129型、W124型に注目!
あの名車は今? その後継モデルたちは……20年という時の流れは車をどう変えたのか。SL、ムルシエラゴ、911…
メルセデスの名車に乗る|W201型からSLS AMGへ。“ネオクラとAMG覚醒”をいま読み解く【カーセンサーEDGE 2026年1月号】
優先すべきはヘリテージか 経済効率? マセラティのモデナ回帰にみるブランドの価値とは【スーパーカーにまつわる不思議を考える】
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
“いまは”日本未導入のGAC(広州汽車集団)AION Y Plusに試乗してきた!
プロショップで聞いた600万円前後で狙える初代 ポルシェ マカンのリアル! 狙うは前期型の高性能グレードか? それとも後期型のベーシックグレードか?
600万円台で買えるアストンマーティンはアリか? プロフェッショナルに聞いてきた真実!
「20年後も残る車、消える車」とは? 創刊20年を機に真剣に考えてみた【カーセンサーEDGE 2025年12月号】









