【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、グランドツアラーの資質を看破する
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2013/12/26
廃車寸前のプリウスで往復1200kmは少々ツライ部分も
過日、岩手県陸前高田市まで車で往復した。当地に住まう友人の顔を見に行ったのだ。現在の陸前高田市の様子についてはここでは触れない。ここで言いたいのは「ロングドライブ」についてだ。
当地へは廃車寸前のオンボロ初代トヨタ プリウスで行ったのだが、それでも片道約600km、往復約1200kmのロングドライブは最高であった。なぜならば、言い古されたことではあるが、自動車による旅は「すべてが自由」だからだ。
もちろん道交法とマナーを守る必要はあるが、逆に言えばそこさえ守ればあとは思うがままである。休むも自由、寄り道も自由。ついでに言えば新幹線のように、座席ひじ掛けの使用権をめぐって隣人と静かなバトルを行うこともない。「車サイコー!」である。「嗚呼自由のメタファー。それが、車なのだ」と、なぜかポエム調に思ってしまう不肖筆者であった。
そんなこんなで廃車寸前のプリウスでもロングドライブは最高だったわけだが、それでもやはり、できればもうちょっといい車というか「ロングドライブ対応型車種」で行きたかったのは事実だ。今回、筆者が痛感した「ロングドライブ対応型車種」の必要条件は、以下のとおりだ。
1. 高速安定性が高い
2. 燃費が良い
まあ1は言わずもがなであり、2も切実な問題である。で、ここまでは当たり前すぎる話なわけだが、問題は次の3だ。
3. ある程度ボロい
グランドツアラーに必要なモノは「適度なボロさ」だ!
今回、借用したプリウスで大変素晴らしかったのが、上の3である。廃車寸前だけあって各部は正直ボロいが、ボロいがゆえに、何というかこう、無駄な気づかいをしないで済んだのだ。
これがもしも車両価格544万円のBMW 320d BluePerformanceツーリングM Sportであったら、たしかに高速安定性も燃費も最高すぎるが、「田舎道で下回りをぶつけやしないか」「ボディにキズが付かないか」「距離が延びて査定額が下がりゃしないか」というようなことをいちいち考えてしまい、結果として「自由」という、車旅にとって最も重要な点は若干スポイルされたことだろう。
まぁ「ボロいこと」というのはちょっと言いすぎかもしれないが、「ある程度こなれた中古車」という存在の素晴らしさを、あらてめて知ったのである。
以上を踏まえつつ「今現在、もっとも素晴らしいロングドライブ対応型車種は何か?」という長考に入った結果、ほかにも様々あるだろうが、筆者が出した結論は「総額180万円以下で買える先代VWゴルフの、TSIエンジン搭載モデル」ということになった。具体的には旧型、いわゆるゴルフ6の全般と、ゴルフ5こと旧々型の末期に登場したTSIエンジン採用グレードである。
ゴルフ5や6を「ボロい」と言うつもりは全然ないが、まあ何というか、今や適度なこなれ感が出てきているのは事実だろう。そういった気楽さに加え、ゴルフならではの高速安定性と、TSIエンジンならではの好燃費。さらに言えば比較的小ぶりな寸法ゆえの「どこに行っても邪魔にならない感じ」を含め、自由な旅のお供として今、最高の存在かと思うのだが、どうだろうか。
ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
お手頃ゴルフ5&6で地の果てまで(?)走ってみませんか!
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