ジーンズは多少くたびれていた方がいい。そしてジープ ラングラー アンリミテッドも
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/03/16
▲昨年8月に数量限定で再販売が開始したトヨタ ランドクルーザー70。……ピカピカだ
ある種の車は「使い込まれてる」ぐらいがカッコいい
過日、都内某所で「ランクル70」とすれ違った。1984年から2004年まで販売された往年のトヨタ ランドクルーザー70ではなく、2014年8月から限定販売されている再販バージョンの方だ。すれ違ったそれは、何と呼ぶのか知らないがシブい黄土色のボディカラーをまとった1台で、全体のクラシカルな造形と相まってなかなかカッコよかった。ステキだった。
しかし同時に「……あまりステキではないなぁ」と感じたことも、大変失礼ながら個人的な事実である。
なぜ「あまりステキではない」と感じたかといえば、再販バージョンのランクル70はまだまだ新しい車であるため、当然ボディ全体やバンパーなどのすべてがピカピカに光り輝いており、それがなんとなく「買ったばかりのジーパン」を思わせたからだ。
最近のジーンズというのは新品であってもダメージ加工やウォッシュにより「ちょっとくたびれてる感」を演出しており、そこが逆にカッコいい。しかし筆者が子供の頃のジーパン(ジーンズではなくジーパンまたはGパン!)は新品だと妙に青々としていてシワひとつなく、子供ながらに「ダサい……」と感じたものだ。そのため購入後はひたすらはき続けるか風呂場のタワシでこするなどして、なるべく早く「ちょっとくたびれた感じ」にしようと切ない努力をした。
そんな「昔の新品Gパン」と似たニュアンスを、再販ランクル70からは受けてしまうのだ。
▲ヘビーデューティな車は、もしかしたらあまりツルピカではない方がステキなのかもしれない
しかし、だからといって「こういったSUV/クロカンはちょっとくたびれてる方が絶対にカッコいい! だから買うなら中古車に限る!」とするのは早計に過ぎる。例えばランクル70と同門である200系ランドクルーザーは、小キズや泥だらけであるよりもすべてがピカピカである方が、おそらくはイカして見える。同様にポルシェ カイエンやランドローバー レンジローバーなどのヨーロッパ系プレミアムSUVにも「ダメージ加工」はそぐわない。これまた極力ピカピカでゴージャスである方がハマるはずだ。
結局、ジーンズやランドクルーザー70、あるいは昔の学生カバンなどのヘビーデューティな(丈夫な、酷使に耐える)アイテムの場合は「ちょっとくたびれてる感じ」だと逆に魅力が増し、前述のポルシェ カイエンやランクル200などは、当然ヘビーデューティにも使えるが、どちらかといえば都市部に住む者のためのラグジュアリーアイテムであり、ピカピカである方が魅力的……ということなのだろう。
そう考えた場合、SUVあるいはクロカンを購入するときに大切なのは「自分が今選ぼうとしているSUV/クロカンはラグジュアリーアイテムなのか、それともヘビーデューティ系なのか?」ということをしっかり見極めることだ。
だが、あまり心配することはないのかもしれない。なぜならば、たいていの輸入SUV/クロカンは明らかに「ラグジュアリー系」だからだ。中古車として選ぶ場合も極力ピカピカな物件を購入し、購入後も極力ピカピカに維持しておけばまずハズさない。くれぐれも「わざとボロいのを探そうかな?」とか「購入後はバンパーの角をヤスリで軽く傷つけよう!」などとは思わないことだ。
だが、希に「ちょっとくたびれてる感じ」があっても許されるというか、むしろカッコよく思える輸入SUVも存在する。例えばそれはジープ ラングラー アンリミテッドだ。
▲アンリミテッドというのは、型式名「JK」となる現行ジープ ラングラーの5ドア仕様
ご承知のとおり「アンリミテッド」というのは現行ラングラー(JK型)の5ドア仕様で、基本的には都市部住人のためのラグジュアリーアイテムである。いやもちろん「ジープ」であるゆえかなり本格的なオフローダーでもあるのだが、現行JK型の、特にアンリミテッドは「おしゃれでワイルドな記号」として活用されているケースが多い。それゆえ、一番ハマるのは当然「ピカピカ系」だ。
とはいえ「ジープはジープ」であるゆえ、仮に多少くたびれている感じがあったとしても、それは逆に「味わい」に転化する。それゆえ、もちろん新車のラングラー アンリミテッドを買うのもご自由だが、筆者としては中古のアンリミテッドはおトクというか、積極的に狙うべき存在なのではないかと思うのである。
長きにわたり謎の高止まりを見せていたジープ ラングラー アンリミテッドの中古車相場だが、ここへきて2010年までの前期型はやっと「中古車らしい相場」へと落ち着いてきた。要するに「安くなった」ということであり、その中古車はもしかしたら、安くなったなりの「少々くたびれた感」が出ているのかもしれない。
しかしそれは、ここまで繰り返し述べたとおり、この車ならではの「味」とみなすことができる。エンジンや足回りの不調がなく、「極度にくたびれてる感じ」ではないことが条件ではあるが、手頃な相場となってきたジープ ラングラー アンリミテッドは今、存外に狙い目である。
ということで今回のわたくしからのオススメはずばり「ジープ ラングラー アンリミテッド前期型」だ。
▲とはいえアンリミテッドの中古車は筆者が過日取材した写真上の個体のように、あまりくたびれてはおらず、結構美しい状態を保っている場合が多いのですが
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- Car:ジープ ラングラー アンリミテッド
- Conditions:2010年式まで&修復歴なし&総額表示あり
この記事で紹介している物件
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