マツダ CX-8▲3列シートSUVとは思えないスタイリッシュさのCX-8。フラッグシップだったモデルだが中古車ならリーズナブルな価格帯で手に入る

生産終了したCX-8、中古車としてはこれからが本番

CX-8はマツダが2017年8月に投入した3列シートSUVだ。同ブランドのフラッグシップとして人気だったが、惜しくも2023年末で生産終了。後継となるモデルは今のところ発表されていない。

もはや新車では手に入らないが、中古車の流通量は豊富で選択肢は多い。そんなCX-8の特徴を振り返り、目的別オススメの買い方を紹介しよう。
 

マツダ CX-8 ▲居住空間の広さだけでなく運動性能の高さも一級品!
 

【モデル概要】3列シートの広い室内+スポーティな走り

CX-8はマツダSUVの中でも最高級に位置するモデルだった。当時のラインナップで唯一、3列シートを備える大柄なボディサイズだったが、全幅は国内での使用に最適化され、1つ下のサイズのCX-5と同じ1840mmに抑えられた。

2列目シートにはベンチシートの他、左右独立のキャプテンシートも設定。3列目シートはミドルクラスSUVによく見られるエマージェンシー的な作りではなく、身長170cmの人がきちんと座れるサイズを要している。

マツダはCX-8の市場投入とほぼ同時期に3列シートミニバンの生産を終了しており、CX-8はその代替でもあったのだ。
 

マツダ CX-8(初代) ▲全長は4925mmと長めだが、全幅は1840mmと日本で運転しやすいサイズ

ボディサイズを感じさせない、マツダ車らしいキビキビとした運動性能もCX-8の特徴だ。ステアリングの操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させ、曲がりやすくする「G-ベクタリング コントロール」、旋回性能と悪路走破性能を向上させる「i-ACTIV AWD」などの先進技術も積極的に採り入れられていた。

 

【パワーユニット】ガソリンとディーゼルが選べる

CX-8は、ガソリンとディーゼルという燃料の異なる2種類のエンジンがラインナップされている。それぞれに対して乗車人数やグレードを選べるので、選択肢は非常に豊富だが、まずはエンジンのタイプから絞り込むと選びやすい。

パワーユニットは当初、2.2Lディーゼルターボエンジン (「XD」)のみだったが、デビュー翌年に2.5L ガソリンエンジン(「25S」)、同ターボエンジン(「25T」)が追加された。

2.2Lディーゼルターボはガソリンライクな吹け上がりとトルクの厚さが魅力のエンジン。CX-8の主力エンジンであり、迷ったらコレ、と言える万人向けディーゼルだ。

2.5L自然吸気ガソリンはエントリーグレード向けに用意されたパワーユニットだが、最高出力はディーゼルと同スペックで不足はない。静粛性の高さも特徴だ。

2.5Lガソリンターボは文句なしにパワフルなエンジン。唯一ベーシックグレードが存在しないことからも分かるように、フラッグシップらしい上質な乗り味を追求したパワーユニットと言えるだろう。

●2.2L ディーゼルターボ(~2020年11月):最高出力140kW (190ps)/4500rpm 最大トルク450N・m (45.9kg・m)/2000rpm
●2.2L ディーゼルターボ(2020年12月~):最高出力147kW (200ps)/4000rpm 最大トルク450N・m (45.9kg・m)/2000rpm
●2.5L ガソリン:最高出力140kW (190ps)/6000rpm 最大トルク252N・m (25.7kg・m)/4000rpm
●2.5L ガソリンターボ:最高出力169kW (230ps)/4250rpm 最大トルク420N・m (42.8kgfm)/2000rpm

2.5Lガソリンターボエンジン(初代) ▲2.5L ガソリンターボエンジンは230psの高出力。上級グレード以上の設定だ
 

【グレード】装備内容によって差がある

紹介した先述のエンジンには以下のグレード、6人乗り or 7人乗り、FF or 4WDが選べるようになっている。

主なグレードは以下のとおり。

●ベーシックグレード:クロスシート仕様となるシンプル装備のグレード。「XD」「25S」に設定。
●プロアクティブ:パワーリアゲート(2020年12月~)や19インチアルミホイールなど、便利装備が充実したグレード。安全装備も充実。「XD」「25S」「25T」に設定。
●Lパッケージ:スムースレザー・シートなどを装備する上級グレード。「XD」「25S」「25T」に設定。
●エクスクルーシブモード(2020年12月~):ナッパレザー・シートなどを装備する最上級グレード。「XD」「25T」「25S(2022年1月~)」に設定。
●スポーツアピアランス(2022年12月~):外装にブラック塗装のアクセントを採り入れ、スムースレザー・シートなどを装備したスポーティな仕様のグレード。「XD」「25S」に設定。

フラッグシップだけあって「ベーシックグレード」でもクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキなどの基本的な機能は充実している。

ただ、SUVらしい快適さとレーンキープアシストなどプラスアルファの安全性能を求めるなら「プロアクティブ」がオススメだ。こちらは中古車市場での流通量が最も充実しており、選びやすい。「Lパッケージ」はレザーシートが欲しい人、「エクスクルーシブモード」は高級感にこだわる人、という判断基準で良いだろう。  

マツダ CX-8(初代)インテリア ▲水平基調として落ち着いたデザインのインテリア。グレードによってレザー素材を使い分ける凝った演出だった
 

【年式による違い】装備内容によって差がある

新車販売期間は約6年だったが、マイナーチェンジが数多く行われた。

代表的なものは以下のとおり。

●2018年10月:2.5Lガソリンエンジン搭載車(当初は2WD車のみの設定、2019年11月から4WD車を追加)と、2.5L ガソリンターボエンジン搭載車(4WD車のみ)を追加。「G-ベクタリング コントロール(GVC)」を改良。
●2019年10月:電動スライドガラスサンルーフを標準装備(一部グレード)&オプション設定。4WD車に「オフロード・トラクション・アシスト」機能を追加。
●2020年12月:2.2L ディーゼルターボエンジンの性能向上。特別仕様車だった「エクスクルーシブモード」をグレード化するとともに7人乗り仕様を追加。パワーリアゲートを装備(一部グレード)。
●2022年1月:それまで「XD」「25T」のみの設定だった「エクスクルーシブモード」に「25S」を追加。
●2022年12月:前後バンパー、フロントグリルなどの外観を変更。サスペンション、安全性能を向上。新グレード「スポーツアピアランス」を追加。

ディーゼルを選ぶ人にとってポイントとなるのが2020年12月のマイナーチェンジ。変更前のディーゼルエンジンでも大きな不満はないだろうが、この変更で最高出力が上がるとともに発生回転数が下がっており、体感的な力強さが大幅に増している。というわけで、最新のディーゼルエンジンらしいパンチ力を求める人は2020年12月以降のモデルを選ぶと良いだろう。

 

最終変更となった2022年12月のマイナーチェンジではフロント&リアセクション全体のデザインが大きく変更されるともに、シフトスケジュール(「25T」)からサスペンションの設定、シートの座り心地まで全般にわたって改良され、前期型よりもやや穏やかな乗り味に。つまり熟成されて完成度の高いSUVになっているので、ロングドライブや家族を乗せてドライブする機会が多い人には後期型がより適している。

マツダ CX-8(初代)前期型 ▲2017年9月~2022年11月までに生産された前期型の外観
マツダ CX-8(初代)後期型 ▲2022年12月~2023年12月までに生産された後期型の外観
 

オススメの買い方①できるだけリーズナブルに!

新車時の価格は289.4万~511万円という高級車だったCX-8だが、現在の中古車平均価格は約265万円とかなりお買い得。中古車市場には1500台近くの物件が流通しており、その半数以上がデビュー直後の2017~2019年に集中している。

CX-8に搭載された3種類のエンジンでも、最も新車価格帯がリーズナブルだったのは2018年10月に追加された「25S」だった。ということでリーズナブルにCX-8を手に入れたいなら、「25S」はかなり狙い目だ。中古車市場に流通するCX-8全体の中で「25S」は約16%、およそ250台となっている。

走行距離の少ない物件が多く、例えば2018年式・走行距離1.8万kmの「25S」で総額174.3万円という物件もある。ベーシックグレードであってもクルーズコントロールのなどの機能が備わっているのもうれしいところだ。

上級グレードである「25S プロアクティブ」は総額180万円前後から、「25S Lパッケージ」でも総額190万円前後から狙える。

マツダ CX-8(初代)前期型 ▲外観にグレードによる差異は比較的少なく、ベーシックグレードでも十分高級に見える。また、前期型でも決して古くさく見えない

▼検索条件

マツダ CX-8(初代)× 「25S」×全国
 

オススメの買い方②ディーゼル車から選ぶ

CX-8は圧倒的にディーゼル車が人気。上級グレードの車両重量は1900kg近くあり、トルクの太いディーゼルはCX-8と相性の良いエンジンと言えるだろう。現在の中古車市場においてもガソリン車とディーゼル車の比率はおよそ2:8となっており、ディーゼル車だけに絞っても1000台以上の中から探せる。

グレード別では「プロアクティブ」「Lパッケージ」の物件数が多く、次いで最上級の「エクスクルーシブモード」となる。ベーシックグレードは極端に少ない。

走行距離にこだわらなければ、総額120万円台から探すことも可能だ。ただし、より長く乗ることを想定して走行距離5万km以内の物件に絞ると、総額170万円~が現実的な予算となる。

価格の一例を挙げると、2018年式・走行距離3.9万kmの「XD プロアクティブ」で総額178.1万円。装備充実のディーゼル車がこの価格なら納得だろう。

マツダ CX-8(初代)プロアクティブ ▲ディーゼル車は流通量が豊富なため、6人乗り or 7人乗り、FF or 4WDといった仕様の違いも選び放題!

▼検索条件

マツダ CX-8(初代)× ディーゼル×全国
 

オススメの買い方③マイナーチェンジ後の後期型から選ぶ

生産終了からまだ間もないCX-8。最終の大規模マイナーチェンジを経た後期型がわずか1年しか生産されなかった事実はあまりにも惜しい! ということで、CX-8の後期型を探してみよう。流通量の多いCX-8だけあり、後期型だけで100台以上も選択肢があり、価格帯は総額300万~520万円となっている。

この年式で多いのは通常グレードよりも「スマート エディション」「グランド ジャーニー」などの特別仕様車だ。装備が充実しており、価格もリーズナブルな特別仕様車を狙ってみるのも一案だろう。

個人的なオススメは後期型で追加されたグレード「スポーツアピアランス」。他グレードとは異なり、ガーニッシュ類をあえてピアノブラック塗装とした外装は引き締まって見える。スムースレザー製シートもスポーティな運転にぴったりで、後期型であることをさり気なくアピールできるというわけだ。

「スポーツアピアランス」の中古車価格帯は総額370万円~。今なら新車に近いコンディションの物件も手に入る。

マツダ CX-8(初代)スポーツアピアランス ▲スポーツアピアランスは約1年しか存在しなかったグレードだ

▼検索条件

マツダ CX-8(初代)× 後期型×全国

※記事内の情報は2024年1月23日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/尾形和美、マツダ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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